もうひとつ、今回のソウル旅でぜひ行ってみたいと思っていたのがこちらのカフェ『BROWN RABBIT(ブラウン・ラビット)』さん。宇宙服のヘルメットからお耳が飛び出したかわいいうさぎさんが目印です。
このカフェがあるのが中区(チュング)東湖路(トンホロ)20キル。東湖路20キルといえば、わたしたち3人にとっては漢陽都城(ハニャントソン)城巡りの道の南山(ナムサン)区間のスタート地点辺りで、くまさんとわたしは3年前にも歩いた馴染みふかい道。今回もやはり、ナムギルさんのガイドどおりに城郭道を歩きながらカフェをめざしたいと思います。
さて3年前はナムギルさんのオーディオガイドに従って東の大門、興仁之門(フンインジムン)から五間水橋(オガンスギョ)を渡り、銀色の巨大な宇宙船みたいな外観の東大門(トンデムン)デザインプラザ(DDP)を通って南の小門、光熙門(クァンヒムン)へ来ましたが、今日はその東大門デザインプラザを過ぎたところから歩きはじめます。
3年前は写真を撮り忘れてしまった“ソウルメトロビル(ソウル交通公社)”。ナムギルさんのオーディオガイド2では「ソウルメトロビルの前にある横断歩道を渡って東大門歴史文化公園駅2番出口に歩いて行きます。漢陽(ハニャン)工業高校の交差点まで上ると光熙門(クァンヒムン)があります。」となっています。
その“東大門(トンデムン)歴史文化公園駅2番出口”がこちら。
つづいてここが“漢陽(ハニャン)工業高校の交差点”です。
ガイドのとおりに漢陽都城の南の小門、光熙門(クァンヒムン)が見えてきました。
これは今回ではなく3年前に撮った写真です。東大門歴史文化公園駅から光熙門(クァンヒムン)までは城壁遺失区間なので、このようにここに城壁があったことを示す表示が道路に埋め込まれています。ナムギルさん書下ろしの『ぼくたちが作る文化遺産、漢陽都城』の連載5話のなかにも「その前の車道には、途切れた城壁をつなぐように“ソウル漢陽都城”と車道に刻まれた道も見えるでしょう」と記されています。ここも指差呼称ポイントのひとつです。
美しく頼もしい城壁の連なり。
光熙門(クァンヒムン)は、「当時いろいろな疫病や災害で亡くなった人びとを(都城の外へ)運ぶための屍軀門(シクムン)だった」(オーディオガイド2より抜粋)そうです。“輝かしい光の門”という意味が込められたその名前からは想像できないような事情を抱えた門だったのですね。
虹霓(ホンイエ=虹のようなアーチ型の門)の天井部には、双龍が天へと舞い上がる華やかな絵が描かれています。
オーディオガイド2の「光熙門(クァンヒムン)教会を過ぎたところ辺りで再び城壁が途切れます。」の教会がこちら。
ナムギルさんのガイドどおりに、復元された城壁がここで途切れています。
3年前は教会の前の道をそのまま直進したのですが、今回はななさんの提案で違う道を通ってみることにします。ワクワク。
『巡城道 Nソウルタワー』(右下)と『東湖路(トンホロ)20キル』(左上)の表示板を見ながら歩けば道に迷うことはありません。
おっ見たことのない案内板を発見。“漢陽都城 城郭遺失区間”と書かれたこの路地の奥に目をやると、
案内板にあるとおり、こうして残存している城壁の一部を見ることができました 城壁の上には家が建ち、今もひとびとの暮らしを支えてくれているのがよくわかります。
ありました~、念願のカフェ『BROWN RABBIT(ブラウン・ラビット)』さん。3年前にも歩いた漢陽都城城巡りの道の途中にあることがわかっていたので、迷わず来ることができました。光熙門(クァンヒムン)から新羅(シルラ)ホテルに至る道の途中の、とても閑静な住宅街の一画にあります。
“OPEN”の文字を確認して入ります。
お店の名前に合わせたような落ち着いたブラウンカラーのカウンターには美味しそうなメニューがいっぱいスタッフさんおすすめの、ナムギルさんが召し上がられたという“ブラウン・チーズ・エッグワッフル”とシトラスのジュースを注文します。
ナムギルさんともサナイ・ピクチャーズのハン・ジェドク代表ともお親しい、俳優のパク・ソンウンさんより寄贈されたエスプレッソ・マシーンみたいです。
“キム・ナムギルの宇宙最強ショー GILIVERSE”の前後はおそらくギルペンさんでにぎわったことと思いますが、少し日が経ったおかげで、今日は店内にはわたしたちを含めて3組、混雑することなくとても静かです。
チーズ・エッグワッフルの焼き上がりを待つあいだ、店内のそこここに展示された映画ポスターなどをゆっくり鑑賞させていただきます。写真撮影の許可もいただきました。
とても広々とした店内にはテーブル席、カウンター席のほか、この右手にはゆったりとしたソファ席もあるのですが、そこにはほかのお客さんが座っておられ、写真を撮ることができませんでした。
こちらのカフェは映画製作会社“サナイ・ピクチャーズ”のビルの1階にあり、映画に詳しくないわたしには詳細がわからないのですが、おそらくサナイ・ピクチャーズのハン・ジェドク代表が手がけられた作品のポスターが展示されているのではないかと思います。『ベルリン・ファイル』(2013)(右)と『悪いやつら(罪との戦い)』(2012)(左)。
われらがキム・ナムギルさんがチョン・ドヨンさんと共演された映画『無頼漢~渇いた罪』は第68回カンヌ国際映画祭の“ある視点部門”に招聘され、“カンヌの女王”チョン・ドヨンさんとともにナムギルさんも初めてカンヌへ赴かれました。
“最強ショー”も“宇宙”だし、BROWN RABBITのマスコットも宇宙服のヘルメットをかぶっているし、店内には宇宙船の模型まで・・・。
ポスターに戻ります。『群盗』(2014)(左右)と、『悪いやつら』(2012)(中央)のサイン入り。
『大虎』(2015)(中央)と『保安官』(2017)(左)。
『ノンストップ(オッケーマダム)』(2020)(右)と『傷だらけのふたり』(中央・左)。
『無頼漢~渇いた罪』のB1サイズポスター。我が家の玄関にもこれと同じポスターを飾っているのですが、残念ながらナムギルさんのサインは入っていません~。いいなぁ~。
『華麗なるリベンジ(検事外伝)』(2016)(右)、『生き残るための3つの取引(不当取引)』(2010)(中央)、『阿修羅』(2016)(左)と『新世界』。
『工作:黒金星と呼ばれた男』(2018)(右)から左へ『新世界』、『悪いやつら』、『工作』、『悪いやつら』。
そうそうたるメンバーの映画ポスターが無造作に床に置かれているのに、それらが不思議と店内の雰囲気とマッチして、とても素敵なインテリアになっています。
カウンター前には、お店オリジナルのドリップパックコーヒーや紅茶のティーバッグ、かわいらしいブラウン・ラビットがプリントされたガムテープやタンブラーなどのグッズも販売されています。
スタッフさんが1枚1枚丁寧に焼いてくださるエッグワッフルの上にはたっぷりの生クリームと、これでもかいうほど乗せてくださったシュレッドチーズ、そしてその間には何とバニラアイスクリームが3個も隠れていますメニューに載っている写真より数倍すごいてんこ盛りそのあまりのボリュームに3人で1枚にすればよかったかな・・・と思いましたが後の祭り。それでも注文したからには残すわけにはいきません。目を白黒させながら、がんばって完食しました。生クリームとアイスの甘さをブラウンチーズがうまく補い、焼きたてのワッフルによく合ってほんとうに美味しかったですよ~。ごちそうさまでした。
『BROWN RABBIT』はサナイ・ピクチャーズのビルの1階にあり、地下1階と3階、4階がサナイ・ピクチャーズの事務所、2階がナムギルさんが代表をつとめておられるGilstory ENTとGilstory NGOの事務所になっているようでした。もちろんここから先は関係者以外立ち入り禁止。でもここまで来ることができて、カフェを堪能させてもいただいて、ほんとうにありがとうございました。つぎの都城歩きの帰りにもまた寄りたくなる素敵なカフェでした。
yantaro