熊本県を中心とする九州南部には、このたびの集中豪雨により、いまだ全容さえつかめないほどの大きな被害が出ています。どうかこれ以上被害が広がりませんよう、ご無事に避難なさいますようこころよりお祈り申し上げます。

 

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 四月に全国に発令された緊急事態宣言が五月中旬から段階的に解除され、それにつづく東京アラートも、レインボーブリッジと東京都庁の赤色ライトアップ以外はほとんど印象に残らず、効果のほどは定かではないままに六月中旬には解除となりました。その後県をまたいでの移動もできるようになりましたが、東京の新型コロナウイルス新規感染者数の推移は一進一退で、それでもまだそのころまでは、政府のいう感染予防と経済活動の両立が何とかバランスを保ってうまく運んでいるのかと胸を撫でおろしていたのですが、6月24日を境に右肩上がりに感染者数が増加しはじめ、7月2日にはついに100名を超えて、それにともない全国の感染者数も一気に増える事態となってしまいました。

先日、迎賓館赤坂離宮の見学を終えたあと、疲れた足を休めにすぐお隣のホテルニューオータニへ寄って、久しぶりに和風庭園を散策しました。一万坪の広さのホテルのお庭に落差約6mの大滝まであるんですよ。マイナスイオンをいっぱい浴びてリフレッシュ!!

 

 そうなってくると、もしかしてまた緊急事態宣言や東京アラートが発動されて、あの不自由な自粛生活に逆戻りするのではないかと心配になるのですが、ニュースなどで見る限りは、現時点では直ちに発出する状況ではないそうで、西村経済再生担当大臣にいたっては、「もう誰も、ああいう緊急事態宣言とか休業とか、やりたくないでしょう。」などとおっしゃいます。もちろんその通りではあるのですが、そう言ってしまっては元も子もないし、ではあの皆が等しく苦しんだ自粛生活は何だったのですかはてなマークと敢えて問い返したくもなります。わたしたち一般人はコロナ感染の恐怖と、また自粛の日々に戻るのではないかという二重の恐怖に怯えているのに、どこかひとごとというか、高みの見物的な冷たい物言いがひっかかって仕方がありません。

江戸時代の初期、ここには虎退治で有名な肥後熊本藩の武将加藤清正の下屋敷があり、その後その屋敷は大老井伊直弼を出した近江彦根藩井伊家に引き継がれ、明治維新のときに伏見宮邸となり美しい庭園として知られるようになったそうですが、第二次大戦後に宮家が屋敷を手放すにあたり、由緒あるこの地が外国人の手にわたることを惜しんだニューオータニの創業者、大谷米太郎氏が買い取って自邸とされたそうです。

 

そして1964年の東京オリンピックのときに、政府の要請を受けてホテルニューオータニを開業されたそうです。そのような経緯で約四百年にもおよぶ歴史をもつこの日本庭園は、今では“東京名園”のひとつにも数えられていて、ホテルを訪れる外国人観光客や結婚式の招待客などの目を楽しませ、絶好のフォト・スポットにもなっています。

 

 どうにも腹立たしいのは、休業も休校も自粛も、“要請”という名のもとに一方的に求められるばかりで、その結果がよいときには施策の成果だと自負するくせに、思うように効果が表れなくなると、今度はその指示を守らない国民が悪いというような論調になっていることです。緊急事態宣言下では抑制できていたものが、解除後明らかに増加に転じているのは、要請を守らない一部の国民のせいだけではなくて、舵取りをする側の責任も大きいということの自覚が足りないとわたしは思います。

たくさんの鯉が泳ぐ清泉池(せいせんいけ)を中心に散策路が整備されていて、園内には木立のあいだに食事ができるレストランなどがいくつか点在しています。なかでも懐石料理の“なだ万”が経営する『山茶花荘』は、創業者大谷米太郎氏の自邸だった建物だそうで、いつか訪れてみたいですラブラブ

 

 世界中を巻き込んで、かくも長期間にわたる闘いになろうとは思いもしなかったし、誰しもはじめての経験なのですから、その対応にある程度の混乱や不手際が生じるのも致し方ないのはよくわかります。それでもすでに数ヶ月にわたる日々の経験と経緯があるのですから、それらをしっかりと見据え、人智を結集してもっと強力な一手を打たなければ、すでに兆しの見えている第二波、第三波、あるいは新型の豚インフルエンザなど次なる攻撃に耐えられないのではないかと思うのです。それほどわたしたち国民は精神的にも肉体的にも経済的にも、疲弊しきっていることを知ってほしいと思います。

ホテルニューオータニは『ガーデンコート』『ガーデンタワー』『ザ・メイン』の三つの建物から成り、この日本庭園へは『ガーデンタワー』のガーデンラウンジ脇の通路から下りることができます。とにかくひろいホテルなので、迷子になったらすぐにホテルスタッフさんに尋ねるのがよいようですおねがい

 

 政府が国民に向けて発出する“緊急事態宣言”なんて、それこそ災害映画のなかで国が崩壊しそうなときに出される極めて特別なものだと思っていたのに、よもやじぶんが生きているうちに一度ならず二度までも経験することなどあってほしくないし、国民の良心に訴えるのみの今の状況でふたたび発出したところで、効果は半減するだけのような気がしてなりません。ことここに至って“感染拡大要警戒”や“夜の街要注意”、“ウィズ・コロナ”など標語コンクールのようなスローガンも必要ありません。そんなこといちいち言われなくても、ほとんどの真面目な国民は皆わかっていることだからです。

清泉池にかかる太鼓橋。欄干の朱色が落ち着いた日本庭園に彩りを添えます。

 

このほかにも、佐渡の赤玉石や枯山水、上野寛永寺の燈籠、清泉池のなかにある木の根がそのまま化石になった石、十三の塔など、みどころがたくさんあります。そして何といっても都心の喧騒を離れた静けさが、いちばんの贈り物かもしれません。

 

 二言目には憲法上強制力はないとおっしゃいますが、感染拡大に歯止めがきかない場所がある程度特定できているのなら、一国の首相の権限でも何でもいいので使って、終息するまでは営業停止、そのかわりできる限りの休業補償をする、くらいの決定はできないものなのでしょうか。官民一体となって感染拡大危険地域を封じ込めようとしなければ、罰則のない協力要請ばかりでは同じことの繰り返しになるのは目に見えています。そして、夜の繁華街になどまったく縁のない、大多数の一般市民が巻き添えを食うのも真っ平御免です。

 

 リーダーシップとは、責任だと思います。何としても国民の命を守るという明確な意思と、強いリーダーシップを期待します。

 

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