27日にグランキューブ大阪へ山下達郎さんのコンサートへ行ってきました。
達郎さんはご自分のライブパフォーマンスを「LIVE」とは呼びません。
「コンサート」と表現されます。
旧フェスティバルホールのラストを飾って以来、3年ぶりの大阪公演。
東の中野サンプラザ、西の旧フェスティバルホールは、
達郎さんのホームグラウンドとして、ファンの間ではあまりにも有名です。
旧フェスティバルホールに至っては、日本で一番好きなコンサートホールだと
常々おっしゃっていました。
「Ray Of Hope」をリリースして最初のツアーということもあるのでしょうか。
昨年の11月からスタートした今回のツアーは、
今年の5月まで続く64公演の大規模なロングツアー。
アリーナやドームクラスの会場での集客能力が十分あるのはもちろん間違いないのですが、
多くてもキャパ2,000~3,000人程度のコンサートホールでしか基本的に達郎さんは歌いません。
おととし(?)、RISING SUNや武道館で歌いましたが、あれはイベントなので例外。
バンマスとして登場した、まりやさんの武道館、大阪城ホールも特例と言っていいでしょう。
音響や演出面のミュージシャンサイドのこだわりも去ることながら、私たち見る側への配慮も。
肉眼で姿が見えないだけでなく、武道館やドームのアリーナにある、
あのパイプ椅子が許せないそうです。
ご自分があんな会場で音楽を聴きたくないと。
高いチケットを買ってコンサートに来てくれた人に、
長時間あんな椅子に座って見ていただくのは申し訳ないと。
で、厚生年金会館も無くなった大阪では、1月と3月にグランキューブで計4days。
いつものようにネタバレ厳禁の指令が達郎さんから出ていますので、
細かい内容には触れませんが、最高の選曲と最高の音質は今さら言うまでもありません。
そして、とにかく「適正な音量」なのです。
最近のコンサートに慣れている人にとっては、音がやや小さいと感じるかもしれませんが、
ひとつひとつの楽器が奏でる繊細な音がハッキリ聴こえてきて、本当に心地いいのです。
山下達郎が決めた音なのですから、間違いありません!
また、照明や舞台セットがミュージカルや演劇からのアプローチなので、
これも毎回楽しいです。
今回も色々な仕掛けが施されていますよ。
サックスにメンバーチェンジがありましたが、サポートミュージシャンもいつものツワモノの方々。
すでに20本以上経過していますので、かなり音もまとまっていた感じ。
26日の様子はわかりませんが、この日はかなり出来がよかったのでは?
達郎さんの表情でなんとなくわかります。
ほぼ定刻にスタートし、10時に終了したコンサートは圧巻のひと言。
30年前の曲を今でもオリジナルのキーで歌えるなんて、凄いですよね。
マイクレスでステージの一番後ろから、
奥行きのあるグランキューブの最後方まで聞こえる声量。
魂のこもった演奏と歌声に、終始こちらの心も揺さぶられっぱなしだったのですが、
大御所らしからぬ謙虚さとサービス精神に改めて圧倒されました。
ラジオと同様の軽妙なMCも相変わらず。とにかく喋る喋る。
本当に楽しい時間を過ごしました。
桑田さんはエンターテイナーの要素も多分に持ち合わせたミュージシャンですが、
達郎さんは少し趣が違いまして、職人気質に溢れたひとりの音楽家といったところでしょうか。
「アルチザン」というタイトルをアルバムに付けられるぐらいですので。。
テレビ出演は今さら期待できませんし、
映像ソフトもリリースされませんので、歌う達郎さんを見るには会場に足を運ぶしかありません。
3月のチケットは取れませんでしたので、また次回という感じです。
来年は還暦(!)ツアーと仰っていましたので、
新フェスティバルホールのこけら落としなんかあったりして。。