X(旧Twitter)に投稿した、書籍『日本鬼(ヤンプングワイ): 日本軍占領下香港住民の戦争体験』の自己感想の転載です。

 

27)
そして香”港”という地名が示すように海辺の街であるため、海に突き落とせば人減らしの困難度も下がるため、日本軍の占領期間中は連日千人単位でそれが実行されていたそうである😔 なるほど占領開始当時の人口が日本敗戦時には半分以下になっていたわけだ😱🥶😱

 

28)
家族親族知人友人を日本兵に殺された被害者は言うに及ばず、運良く生き残れたけれども彼らに受けた暴力や拷問で身体を悪くしたまま年を重ねた人も本書著者の取材を受けた中には散見される描写がある。読みながら「胸が痛む」としか言いようがない。

 

29)
著者(日本人)に対し「日本軍は英軍よりひどかった。なぜあれほど見境なく大量に私達香港人を殺す必要があったのでしょうか?」的な質問を投げかける被取材者も。 犠牲の多さを考えると、犠牲者の親族たちがそう問いかけたくなるのも無理はない。

 

30)
本書の出版年は1993年なので、時期的なこともあり著者は「1997年の中国回帰後は心配か否か」を被取材者に尋ねているが、回答が二分される現象は個人的にわかる気がする別れかただった。

 

31)
日本軍の蛮行から逃れるために中国へ隠れてたり中国生活を経験してる人は揃って「実際に知ってるから心配してません」と言い、中国生活未経験者とりわけ欧米情報の影響を受けていそうな世代は揃って「心配です」との回答。これは今も世界のどこにおいても同様かと

 

32)
端的に言えば「現実を見て経験したままに受け入れる」層と、「経験したこともないのに第三者からの伝聞や”物語”のほうを信じてしまう」層の違い。我々人類は往往にして後者に実に陥りやすく、この傾向に国や民族の違いはないと言ってよい。

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<7>に続きます。(予定)