X(旧Twitter)に投稿した、書籍『桃太郎』の自己感想の転載です。

 

読了日6/13:『桃太郎』Kindle版
芥川龍之介による昔話「桃太郎」のパロディであるが、元作品の勧善懲悪な物語性が芥川による再構築により、”人間の業”をあぶり出す皮肉な構造となっている点が読み手を引き込む一作であると思う。

 

2) 読みながら脳裏をぐるぐる駆け巡っていたのが、童謡『桃太郎』四番&五番の歌詞。そういえば「なぜ桃太郎が鬼ヶ島に攻め入ったか」について納得できる理由づけが昔話『桃太郎』にも童謡の歌詞にも皆無だったからだ。

 

3)
参考:童謡『桃太郎』歌詞

四番:そりゃ進め そりゃ進め 一度に攻めて 攻めやぶり つぶしてしまえ 鬼が島

五番:おもしろい おもしろい のこらず鬼を 攻めふせて 分捕物を えんやらや
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改めて考えると実に乱暴狼藉な内容であるように思えて仕方がない。

 

4)
子供の頃にこの童謡を聞いていた頃から「おもしろい」の部分がピンとこなくてスルーしていた部分があったが、改めて考えてみれば「自分から攻め込んで行って”おもしろい”と言ってるのってひどすぎやしないか?」という思いに至る次第。

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<2>に続きます。(予定)