本日2月28日は1947年に二・二八事件が台湾(中華民国台湾省)にて発生した日です。
(↓台湾メディア「民視讚夯Formosa TV」での2021年の特集番組例)
太平洋戦争での日本の敗戦を機に、「日本の植民地」という状態から解放された台湾島は、中華民国国民党(1947年はまだ中華人民共和国建国前)による白色テロの犠牲に遭います。
その白色テロが「二・二八事件」であり、このことが引き金となって台湾は1949年5月から戒厳令状態に突入し1987年に解除されるまで、世界最長の戒厳令期間を記録することになったのです。
二・二八事件そのものも、世界最長の戒厳令も中華民国初代総統兼中国国民党初代総裁である蔣介石政権下で起きたことであり、彼自身およびその息子である蒋経国ともども、米国やCIAとの繋がりが明に暗に示唆されている人物であります。
(※↓日本国防衛研究所研究会記録より『Chiang Ching-kuo’s Intelligence Activities and U.S.-Taiwan Relations during the Cold War』)
https://www.nids.mod.go.jp/publication/senshi/pdf/202403/04.pdf
(※↓CIA公式サイトにおける『蒋介石の後継者』と称する機密解除文書)
https://www.cia.gov/readingroom/docs/CIA-RDP79T00429A001300020005-9.pdf
冷戦時代の蒋介石政権下では、米国の偵察機が中国大陸(1949年10月以降は中華人民共和国)を秘密裏に諜報するために台湾やインドの空軍基地を使用していた話が複数報じられており、ここ20年ほどで我が国日本の世論に定着している「善良で無害な台湾、巨悪の中国」という欧米情報が吹き込んだイメージが正しいとは言い切れないことが、いろいろ調べてくると出てきます。
(※↓CIA公式サイトにおける機密解除リリース)
https://www.cia.gov/readingroom/docs/CIA-RDP74-00297R001600010020-5.pdf
(※↓インド初代首相ネルーがCIAの偵察飛行のためにインド空軍基地を使用することを許可していた、と報じるインドメディアの記事)
過日に読了したルポルタージュ/ノンフィクション書籍『ジャカルタ・メソッド(原題:The Jakarta Method : Washington's Anticommunist Crusade and the Mass Murder Program that Shaped Our World)』においても、台湾の二・二八事件は当時の米軍軍政によるもので「共産主義者および共産主義者とおぼしき者≠従わない者全員を善良な市民だろうが何だろうが誰彼構わず屠(ほふ)ってしまえ」という米国の命令があっての事件だったことが注釈にて示唆されています。
自分自身の人生においては近年になって改めて調べなおすまでこのことをきちんと知らなかったわけですが、己の浅学さと学習の足りなさを恥じるとともに、自国日本の歴史教育の片手もとい両手落ちにも怒りの感情が湧く次第です。
今後とも、さまざまな資料や見地から、たとえほんの少しずつでもいろんなことの確認や再調査を、自分自身で継続していかなければいけないなと、何度でも思いを新たにする次第です。
過去にさんざん(いわゆる)「西側」と呼ばれる陣営の情報やナラティブに騙されてきた自分自身との戦いとして、です。