イスラエルがパレスチナの武装組織「ハマス」からの攻撃を受けたことを口実に、パレスチナ・ガザ地区を容赦なく爆撃しまくっている件が、日本でも多々報道されている模様。

 

実は数十年以上も続いて来た紛争なのに、「平和で争いひとつなかったイスラエルに突如非人道的な攻撃を加えたハマスの蛮行」と言わんばかりの報じられ方。日本を含んだ”西側諸国”ではそのような位置付けとして脚色され、「情報の物量作戦」でその方向性がゴリ押しされます。

そして、我々人間は意外とそういう「最初に触れた情報の印象に影響される」傾向を持っているため、クリティカルな視点を持ち合わせていない人はまず十中八九誘導されてしまい、後から実際の事実や情報の訂正を受けても第一印象に固執してしまいがちです。

当然私も人間のひとりなので、そういう”西側諸国お得意の手法”に長年騙されて来ました。

彼らの「情報物量スクラムゴリ押し作戦」が強大すぎるため、仕方ない面もあったにせよ、見事に騙されてきたことには反省する部分もある次第です。

 

さて。

 

この「情報物量スクラムゴリ押し作戦」、実は昨年2月24日に「平和だった民主主義国家ウクライナに悪の独裁国家ロシアが侵略を開始した」という”作られたストーリー”と共通点があります。

実際には、昨年2月24日に至るまでの間に最低でも8年間の内戦がウクライナ国内で継続しており、最低でもユシチェンコ〜ポロシェンコ〜ゼレンスキー三代続けてホワイトハウスの傀儡政権が継続しており、実は欧州でも有数の腐敗汚職国家として名高い歴史を持ち、実は第2次世界大戦中にナチスドイツに積極的に連帯しホロコーストに参加した経験を持ち、第2次世界大戦終結後もCIAの対ソ破壊工作に積極的に参加してきた層が一定数今でも活動しており、欧米メディアの「情報物量スクラムゴリ押し作戦」によって、あら不思議、「昔からずっと正義と平和のクリーンな民主主義国家ウクライナ」に早変わり、です。

 

イスラエルに関して、だと日常的なパレスチナ人への弾圧や民間人殺人だけでなく、シリアにも断続的にミサイル撃ってたりもしたわけですが、そういうこともスルーされまくってきたわけです。

それが「情報物量スクラムゴリ押し作戦」にかかると、あら不思議「無謬の平和的国家イスラエルに非人道的な攻撃を加えるパレスチナ」的に塗り替えられてしまいます。

要するに「プロパガンダ」というやつです。

プロパガンダは広義ではありとあらゆる宣伝喧伝が該当する、と考えた方が「意図のある特定方向」に誘導されにくくて済むわけですが、英米欧の西側諸国はこの「プロパガンダで世論を塗り替えたり誘導したりして、淡々と事実報道してるだけの勢力を「プロパガンダ実行者」呼びするのを大変得意としている」のです。得意...というよりは、そこに資金や人材などのリソースを大量投下することをいとわないから、西側諸国のプロパガンダは長年にわたって一定の効果をあげてきたわけなのですが。

 

近現代の戦争勃発の最も大きな要素のひとつが「戦争とはビジネスの材料のひとつである」ということを理解、あるいは最低でも認知できていないと、我々人間はいともたやすく「情報物量スクラムゴリ押し作戦」の実行主体によって、自らの認知を手玉に取られてしまいます。

哲学者フランシス・ベーコンが言うところの「劇場のイドラ」「市場のイドラ」現象ですね。

 

こういった事例は枚挙にいとまがなく、西側の主流マスメディアが力を入れて喧伝する戦争・紛争(「革命」と名がつく人工クーデター関連も同様。「革命」と西側が喧伝しないものは現地の自主発生..の傾向アリ)、とりわけ「非対称性を持つ情報発信」には要注意です。

 

たとえば、

「正義のA、悪のB」

「Aが殺された、Bは死んだ」

的に、表現に公平性が欠けていて、どちらかに過剰に肩入れ...もしくはどちらかを過剰に悪し様に言い募る...こういうタイプの報道には「事実を追求する姿勢」よりも「特定勢力を利する」目的が働いていると考えた方が妥当......なわけですね。

いろいろ調べているうちにそういう事例事象にいくつも突き当たりました。

 

そういったことをテーマに著されたノンフィクション書籍も出版されています。

 

日本国内の日本語メディアもこの「公平性に乏しい、極端な勾配を持つ情報発信」だらけなので、我が家では日本のメディアはあてにしないようにしています。

極端なことをいえば、「西側諸国のフェイクニュースを垂れ流す」が多いからです。

 

そういうわけで、情報をメインで取得するのは他国の他言語メディアになります。

それも、西側メインではありません。いわゆる非西側メディア、それも「特定の国や勢力に過剰に肩入れしない報道傾向を持つ」ニュースチャンネルが中心です。

そこに、背景知識や関連しそうな歴史の再学習を加え、自分なりにではありますがそういう調査や学習を踏まえた上で報道された内容の判断をするように心がけてはいるつもりです。

 

この「情報発信の対称性/非対称性」のことを常に脳裏に置いておく、というのは本当に大切だと、特にここ10年あまり強く感じている次第。

 

それと、「事実、もしくは事実を明察してる発信者や媒体を封殺したり隠したりする力」も西側のそれは非常に強く、昨年3月以降は「ロシア語以外で発信されるロシアメディアの発信や閲覧が封殺される」流れが発生し、それは今でも継続の傾向があります。

「事実を知られたくない」という意図が丸わかりだなと思うのは、ロシア語以外の情報は封殺して、肝心のロシア語メディアは割とスルーされている点です。ロシア語学習者は英語と比べると人口が少なく、ロシア語以外を封じれば「情報操作の目的はかなり達成される」からだろうと見込んでいます。

 

こういった傾向から考えて、今般のハマスーイスラエル衝突、イスラエル側と西側とりわけ英米に長期化される思惑があれば、露宇衝突で起こされた「ロシアメディアだけを封殺。あとは事実無根だろうが嘘だろうが何だろうが西側のそれはおかまいなしに垂れ流す」という被害がパレスチナに対しても実行される可能性があります。

というか、もう数十年もずっとパレスチナはその被害に遭い続けています。なので、「より強力に実行される可能性」と言ったほうが適切かもしれませんが。

 

上述したことを多々ふまえ、常に脳裏において気をつけることを継続していきたい所存です。

孔子の『論語』の一節、「皆が悪いと言っても、事実を調べるがよい。皆が良いと言っても、調べるが良い」ですね。その一節を常に心に留め置いて忘れないよう気をつけていきたいです。