本日9月11日は、2001年に発生した「米国同時多発テロ事件」の日としてすっかり有名になってしまいましたが、実はこの日はもうひとつ大きな事件が起きた日でもありました。

それは1973年に起きた「チリ・クーデター事件」です。

 

この「チリ・クーデター事件」は、

”世界で初めて社会主義政権(アジェンデ大統領の人民連合政権)が、自由選挙によって民主的に選出されたにもかかわらず、武力で打倒して新自由主義的な経済政策を押し付けるべく、米国政府、米国多国籍企業、シカゴ学派経済学者がチリ軍部を裏で操った。”

ことで知られており、米国首脳部が諸外国に繰り返し仕掛けてきた「カラー革命」の流れのひとつです。

 

この事件に関しては、米国でも公文書が機密解除されており、

 

公文書や当事者インタビューや現実の関係者のオーラルヒストリー「だけ」を根拠として書かれたノンフィクション書籍『CIA秘録(原題:Legacy of Ashes)』第29章にも書かれてある事件です。

 

このことを以前は知らなかった自分を恥じ、今後はこの9.11のことも心に留め置き、両方の事件で犠牲になった全てのかたがたを改めて悼みたい所存です。

 

ちなみにこのカラー革命、世界では他にたくさん実行されてきた経緯があり、ここ2年ほどで急に日本でも知られるようになったキエフの「マイダン革命」もそのひとつ。

香港の「雨傘革命〜2019年動乱」もそれですし、特に有名なひとつは「天安門事件」ですね。

(天安門事件がカラー革命のひとつであることは、現職の在外中国領事もSNSで断言していたことがあります)

「〜革命」とついてはいないけれども「アラブの春」系もそれが含まれてますし、英米が積極的に理解と応援の気持ちを示したがる「民主派」なるものが立ち現れる分離独立派だったりの強硬なクーデター系活動は英米が「〜革命」と持ち上げるパターンの時は「カラー革命」だと判断して間違いない...のが、いろいろ調べているうちに私にも腑に落ちるようになってきました。

(現在進行形で多発的に発生しているアフリカのそれは、「革命」なのに西洋社会が支持していないことと「〜革命」の名称がつかないことから、アフリカの民自身の自発的な行動であることが窺えます)

 

さらに、「軍部まで操った」という点ではチャウシェスクが失脚した「ルーマニア革命」も想起されます。

仮に民意が彼の失脚を望んでいたとしても、民衆が軍部を操って「チャウシェスク夫妻を迅速に逮捕し、そこから間も無く30分で裁判を集結させ、間をおかずすぐに処刑」という流れは「民主的手続き」の中では非常に考えにくく、チリのクーデターのような流れがなければ不可能だとしか思えません。

『CIA秘録』の中で極めて遠慮がちに、「CIAが他国に大量に送った工作員のせいで、ルーマニアの独裁者がその摘発のために粛清せざるを得なかった」的な内容にも言及されています。

 

「スパイや工作員摘発」のための大粛清というと、他に有名なのはヨシフ・スターリン。

このことは、1998年に米国CNNで放送された全24回のドキュメンタリーシリーズ『冷戦(The Cold War)』でナレーションがそのことに一瞬触れているくだりがあるのみですが、米国がひたすら反共陣営として敵視してきた対象であることと、他のCIAの政権転覆・クーデター画策事件のことを調べていると、非常に腑に落ちる話ではあります。

なぜなら、CIAがあちこちに送り込んだ、送り込もうとした工作員の数は尋常ではなかったからです。

 

なるほど、それでデモ参加者を大量に逮捕、取り調べの後無罪放免...という事例が発生することがあるのか、とも個人的には納得した次第。

デモにはたくさんの人が集いますから、個人の職務質問のようにその場で調べることは難しく、一度身柄を拘束しなければ全員がシロであるかを確認できません。

なので最近は「デモで参加者が大量逮捕」と聞いても、それで即座に「何てひどいことを!」と脊髄反射はしなくなりました。任意同行が難しい場合の「やむなく」もその場合は含まれたりするからです。

 

ちなみに。

 

日本のデモだとそういう「大規模大量逮捕」はあまり聞かないじゃないか、という感じがいたしますが...。

これは、日本もとい現与党政権に対してCIAが「カラー革命」をしかける必要がないからです。

なぜなら、自民党自体がCIAによって作られた政党=傀儡政権であるためです。

このことは、『CIA秘録』第12章および、同様に”公文書と現実の関係者インタビューだけを根拠として”書かれたノンフィクション書籍『秘密のファイル  CIAの対日工作』を読むとわかります。

 

つくづく、「事実は小説より奇なり」だと思います。
陰謀論のように聞こえるかもしれませんが、何せ「大統領のメモでも残す、鬼の記録魔」ぶりを誇る米国の公文書が根拠では、そうそう陰謀論でかたづく話ではありません。

各種事件に関与した人たちが、時間が経つとシレッと「あれは自分がこういう工作をした」と公言してしまうのですから、事実を知りたい身にとってはその口の軽さにある意味感謝するべきなのかもしれません(汗)。

 

 

 

そんな彼らの口の軽さと悪びれなさを見聞きするたびに、犠牲になったかたがたへの哀悼の意が強まります。

犠牲になったすべてのかたがたに、心からの祈りを捧げます。