今年の太平洋戦争開戦日(12月8日)は、真珠湾攻撃にかんする2種のドキュメンタリー映像を視聴していました。

1つ目は『戦場のタイムテーブル』の「1. 真珠湾攻撃 奇襲作戦の24時」。

一般的には「真珠湾攻撃で太平洋戦争は開戦した」的な言われ方をされているので、多くの日本人は「真珠湾1箇所だけを攻撃した」イメージを持っているのではないかと思われます。

が、実際はハワイの真珠湾だけではなく、マレー半島や香港など数カ所にも同日に侵攻。

「アジアを英米の手から解放」を謳っていながら、当時も独立国状態だったタイにまで同日に進軍していたので、「アジア解放」が詭弁にしか聞こえないと思いながらドキュメンタリー映像を見ていました。独立国なら解放する必要がないので、進軍する必要もまるでないですから。自分たちが侵攻して占領したいと思っているのでない限り。

 

2つ目は『ドキュメント太平洋戦史』の「1. 真珠湾攻撃」。

これは、ハワイの日系人概略史の紹介から始まって、真珠湾攻撃に至るまでの経緯、攻撃そのもので受けた被害などの紹介を1本の映画にまとめたものですが、エスプリと皮肉が効いた立派な1本に仕上がっており、ハワイの日系人史の概略を理解する上でもとても勉強になりました。

映像や演出的に相当古い作品と見受けられますが、”特撮(ミニチュア撮影などの特殊撮影)”などは力が入った作りで、当時の国力の差が一目瞭然。

つくづく、無謀な戦いを挑んだものだと思わざるを得ない部分があります。

 

なにせ、第二次大戦中にすでにフルアニメーションシリーズが製作されていたわけです。戦争しながらアニメシリーズを作る余裕というのか何というのか......

......当時の国力の違いを感じてしまいます、しみじみと。

 

「アジアを解放」と言いながら独立国にまで侵攻し、「大東亜戦争」と銘打っておきながら東亜=東アジア域外のアリューシャン列島やインド方面などへも侵攻し豪州などオセアニアまで巻き込んでおいて「太平洋戦争と呼びたくない」など、いろいろと理解に苦しむことがたくさんなのであります。

 

日中戦争のときもそうだったようですが、真珠湾攻撃および香港侵攻・マレー作戦についても「先制で一発ガツンとかましてやれば降伏してくるに違いない」だと日帝側が考えていたふしがありそうです。

会社の上下関係ではないのだから、一発恫喝すれば萎縮して頭を下げてくるというわけにはいかないのがわからなかったのでしょうかねえ......

いま現在も自民党が「先制攻撃能力」などと言い出してるので、個人的には「ああまた病気が始まった。”先制攻撃すれば相手が降伏してくれる”病」と予想してるわけですけれども......

(´·ω·)

 

なんだかいろいろ不安要素がたくさん、と理解を新たにした今年の12月8日なのでありました。