結局「東京五輪2020+1は強行開催するつもりなのかー(;ーωー)」と、「損切りできない、中止という英断・勇気ある撤退を選ばない日本政府」に毎度のごとく(もとい毎日のように)呆れているわけですが......

 

この「東京五輪2020」に関しては、東京都が誘致を決定したことを初めて聞いた時点で

「へ?開催地が大赤字を背負うのになぜ?」

というのがまず最初に思ったことでした。

それは今も変わりません。

 

「既存の施設を使うから”お金のかからないオリンピック”になる」

と誘致期間当時の東京都知事だった猪瀬直樹氏がツイートしていたことも記憶してますが、実際には「IOCが建て替えろ」とうるさいので結局改築費だのなんだの計上しないといけないはめになり、この「建て替えろ」要求はどうやら日本以外の開催地にもなされた模様。

(その一部概要と考察については、『Business Insider』にて「Why Hosting The Olympics Isn't Worth It Anymore」という見出しで2018年2月6日に報道済みです)

 

結局、「一番お金のかからないオリンピック」のはずが、大会史上もっとも多くの予算3兆円(実はもっと多いかもしれない)が投入されてしまい......

しかも、1976年のモントリオール五輪や1998年の長野オリンピックを見てもわかるように、大会終了後にはかけた予算をどうやって埋め合わせするか、という作業が待っています。モントリオールの場合は約30年間、長野も約20年間、特別税や市債発行などで償却しないといけなかったと聞いており...

さて東京五輪2020の3兆円は何年かかって、どうやって償却するのやら......

です。

 

あえて雑で大雑把な計算をしてしまいますが、

1) 3兆円を東京都の推定人口(2021年6月1日現在)で割った場合、

3兆円÷13,957,977人=1人あたり21.493086 万円

 

2) 3兆円を日本の推定人口(2021年3月1日現在/概算値)で割った場合、

3兆円÷1億2548万=1人あたり2.39081925 万円

 

3)3兆円を日本の所得税納税者人口(概算値)で割った場合、

3兆円÷740万人=1人あたり40.5405405 万円

 

.....と、大雑把な「1人あたりXX円くらいじゃないですか?」思考だと、そんな感じの数字になるんだろうなあという感じです。

 

問題はこれをどう償却するのか、ということ。

オリンピックは本来「開催都市」の問題のはずですが、日本政府の入れ込みようが尋常ではなく、この流れからすると「税金徴収」にされてしまうのではなかろうか、という可能性を危惧しています。東日本大震災に対しても、ちゃっかり「復興特別所得税」を取ってますからね。(この復興特別所得税は平成25(西暦2013)年1月1日から平成49(西暦2037)年12月31日まで所得税と併せて徴収されています)

 

 

国債や都債を発行して充当するならまだしも、「五輪特別税」などをもしも課された場合、都民もしくは国民の可処分所得はさらに減少します。

可処分所得が減少するということは、景気がさらに悪くなることにつながります。

 

前回の東京五輪1964の後はもとより各国の五輪も開催後は不況に見舞われてることが多く......

 

 

それでなくても長くデフレが続いている日本に、その不況を持ちこたえられる力がどこまで残っているのか。個人的には非常に疑わしいです。

 

 

.....とまあ、詳細はやや後付けなところもあるものの、誘致決定が報じられた初期にそのことを聞いた私が最初に思ったのは一言で言えば「近年は赤字大会がいくつも続いてるし、経済的打撃大きそうなのに何故やりたいの?」でした。

それ以降、何かで「東京五輪2020」の文字を見かけるたびに脳裏をよぎるのは同じその一言。今に至るまで数えきれないくらい脳裏をよぎっていったフレーズでした。

 

というわけで、私にとっての東京五輪2020に対する懸念は当初から一貫して経済問題がメインです。それは今でも変わりません。Covid-19(新型コロナウイルス感染症)という要素がそこに追加された形で「開催強行には賛同できない」思いがより一層強くなりましたが、Covid-19がなかったところで「最初から賛同してない。むしろ反対」には変わりありません。

 

自分自身も競技スポーツに関わっていた経験がある身からすれば、選手たちの「大会に出たい」という思いは最大限尊重したいものの、それを手放しで尊重するにはオリンピックという大会はあまりに巨大になりすぎ、都市経済や国家経済に大きな打撃まで与えるようになってしまっています。しかも、国家の要人でもなんでもない、本来いちNPOでしかないIOC役員たちの私腹を過剰に肥やし、開催都市(おそらく国家含む)での大規模な汚職や搾取を生み出している......となれば、その面は正直「手放しで容認できない」悩ましい所です。

 

「人の移動が感染症の流行を拡大させる」には過去の歴史から自明の理となっているので、Covid-19のスーパースプレッダーに東京五輪2020がなるであろうことは容易に想像がつくこととして、それとは別に大会後のさらなる不況がいかなる状況になるのか......

 

実は連日脳裏にその「さらなる不況」という言葉が何度となくよぎっているようなこの8〜9年間です。

さてどうなることやら。