昨日から“突然”に、「現行の500ルピー札及び1,000ルピー札が本日(11月9日)午前0時より使用できなくなりました、という事態に相成ったインド。

無効開始になるわずか4時間前に急にモディ首相が声明を発表したとのこと。

新札の500ルピー札及び2,000ルピー札がのちほど発行になるのだそうです。

 

偽札の流通や、ブラックマネーの改善が見られないことが今回の強攻策の要因らしいのですが、銀行に強い影響力を持つグループ企業や大きな会社には事前情報が入ってきているだろうから(ヒゲ氏予測)、中小や個人で多くブラックマネーを取り扱っているところが打撃を受けると思います。

無効対象となるお札は、銀行で身分証明をおこなったのちに交換してもらう手続きを取るわけで、この際にブラックマネーだと交換しに行きずらい.....という論歩なわけで。

日本がむかし新円切替でタンス預金も何もかも紙くずになったのを思い出すような一件です。

 

わが家の場合は、所持金は銀行口座に入っているホワイトマネーだけですし、お財布の中を確認してもわずか220ルピーくらいの持ち金。日々わずかな予算でつつましく暮らしてるのが良かったんだか悪かったんだか...ですが、そもそも500ルピーや1,000ルピー札はインドの日常生活で日々の小さな買い物をするには「お釣りがないよ」と割と迷惑がられる存在。

この「暮らし方」次第で、今回の新札切替騒動にどれだけ巻き込まれるのか......かもしれませんが。

 

しかし、わが家はともかくとして、大変だなぁと思うのは、「本来持ち出し禁止のはずのインドルピーをなぜか持っている在外インド人やインド滞在経験者」及び「目下インドに旅行に来ている外国人観光客」ではないのかな、と話すヒゲ氏と私。

インド人街ができているインド国外の地域では、本来国外持ち出し禁止のインドルピーに両替対応している都市もあったりするわけで、しかも彼らは商売でやってますからなおさら阿鼻叫喚の様相ではないか.......?と想像するわけです。

現在インドに観光に来ている外国人観光客や短期ビジネスミーティングなどで来印している人たちも、これほど突然の事態では驚くやら困るやらで相当な不便を強いられるはずです。

 

かつての中国のように「ローカル用人民元と外国人用外貨元の二重貨幣構造」があるわけでもないのに、観光施設などでインド人の何十倍の拝観料を外国人が徴収されたりする「二重価格」が大手を振って歩いているのがそれでなくても外国人からすれば不満の一端なわけですが、今回の新札切替である面からの不満がなおさら鬱積してしまいませんかねぇ......?と内心でちょっと思ったりするのであります。

インドにとっては、インテリ層の在外インド人や外国人観光客は国の歳入面で大事な存在だと思うのですが、その層への打撃のほうが「国内でブラックマネーに手を染めてる層」より大きいかもしれないので、この新札切替案もとい「14億一斉ババ抜き」大作戦?は果たして吉と出るのか凶と出るのか、今後の様子見次第かも.....と思っております。

 

この新札切替案は、モディ首相に提案・示唆した関係者が他におりまして、その人の写真を見た私の勝手な個人的思い込みプロファイリングで考察する限り、インド国外の事情には詳しくない印象を受けます。

彼のモディ氏へのこの提案、明暗やいかに????かな???