『2006/11/24(金) タイムにハマる。』にて、完全に『未来戦隊タイムレンジャー』に洗脳されてしまった?気配の私。
引き続き第2話......どころか、ぶっ続けで第5話まで視てしまいました(汗)。
随所で“ヒーロー物らしくない”描写があり、こういった作品には付き物の大仰な名乗りボーズやアクション、テーマを声高に強調するような演出、というものが「あえて」排除されているのですが、それがかえって小気味良いのです。
シリーズということで『未来戦隊』とタイトルには付けられているものの(主人公5人中4人までが西暦3000年からやって来た未来人だから、と推測しておりますが)、少なくとも第5話までを視た限りでは「未来戦隊!」と名乗る場面は出てきません。
なぜなら、「タイムレンジャー」というのは西暦3000年の社会に存在している時間保護局というセクションで、歴史歪曲防止のために働く捜査官たちの「戦闘モードの名称」にしか過ぎない、からです。
日本でいえば、防衛庁に「時間保護局」なるセクションがあって、そこで働く捜査官が......みたいなものですね。
過去の戦隊シリーズ作品にも、地球守備隊という組織の職業軍人が地球守備隊内で戦隊を結成して...という「戦う」ことに説得力を持たせた『太陽戦隊サンバルカン』や『電撃戦隊チェンジマン』などの作品がありますが、それらとてお約束の「××戦隊!」という名乗りは出てきます。
しかし、『タイムレンジャー』では、戦う相手である異星人犯罪者に「警察だ!」と身分告知をするような形で「タイムレンジャー!」と叫ぶのみです。
お約束の変身&名乗りポーズなどが、実は楽しみのひとつでもあるのがこういったジャンルの作品なのですが、「わざと」それを用いないところが、現実味をかもし出している部分もあると言って良いかもしれません。
また、物語の舞台となる西暦2000年で主人公5人のうち唯一の“現代人”であるタイムレッド=浅見竜也(演:永井大)が、タイムグリーン=シオンが地球人ではなくハバード星人という異星人であることを知るくだりがあるのですが、
「へー宇宙人なんだー♪」
と無邪気にシオンを眺め回す竜也のセリフにカチンときて、ムッとして「ハバード星人だよ!」と訂正するタイムイエロー=ドモン。
第5話までのエピソードのあいだにこのやり取りは複数回繰り返されるわけですが、これが何を意味しているのか、最初の1回で私にはわかってしまいました。
劇中では、ドモンのセリフを受けて、タイムレンジャーの実質リーダーであるタイムピンク=ユウリとタイムブルー=アヤセも、敵方=ロンダーズファミリーが異星人犯罪者の集まりであることを竜也に伝えます。
つまり、ロンダーズファミリーの正体とは、
「地球という場所において、差別・排除されたために、犯罪に走らざるを得なかった異星人達」
ということです。
「宇宙人」を「外国人」、
「ハバード星人」を「中国人」「韓国人」もしくは「アメリカ人」など「異国・異文化人」に、
そう置き換えると、
「異国人・異文化人というレッテルを貼ってしまうことによる、無意識の差別・排除意識」
という現実がありありと浮かび上がってきます。
「○○国において、××人による外国人犯罪率がとても高い。だから××人はどうしようもないやつらだ」と断罪する意見を目にすることがありますが、「ある特定のコミュニティにおけるマイノリティの実状」という部分をつぶさに紐解いてみると、その断罪が如何に「現実に対する理解や認識不足から来ているものであるか」が容易に理解できます。
というのは、「どれだけ本人が元来真面目な気性であったとしても、環境がそれを受け入れてくれなければ、事と次第によっては、そのコミュニティで生き抜くために犯罪に手を染めざるを得ない」のであり、だからこそ外国人犯罪というのはそれぞれの国やコミュニティで多数起こるのです。
『タイムレンジャー』という作品ではその点が、何気ないやり取りの中に、実に巧妙に織り込まれているのです。
こういう描写は、受け手である視聴者の認識・理解力の高さも相当に求められるものですが、正直子供には難しすぎるだろうな~と感じました。
第5話までぶっ通しで視たあとに、ネットでタイムレンジャーについていろいろと検索してみたのですが、実際「ストーリーが難しすぎるために子供が理解できず、視聴率がふるわずに『タイムレンジャー』で戦隊シリーズ打ち切りか?!」と危ぶまれた危機もあったとかなかったとか。
同じ「大人向け要素あり」でも、主人公5人中4人までが恋愛ドロドロ模様で、「戦うトレンディドラマ」とか「トレンディ戦隊」と大人の間でクチコミになり、対前作比で視聴率を盛り返した『鳥人戦隊ジェットマン』とは対照的ですね。
『鳥人戦隊ジェットマン』も、タイムレンジャーとは違った意味で、戦隊の王道をわざと破る試みがなされた作品らしく(注:放送当時もごく一部のエピソードしか視たことがなく、『ジェットマン』の頃から特撮ジャンルに縁遠くなっていったのです)、最終回のラストパートでも「現実というものの矛盾」がブラックコンドル=結城凱の死、という形で描き出されています。
(参考:結城凱役の若松俊秀氏オフィシャルサイト内「EPISODE ONE」
http://homepage3.nifty.com/guy-w/episode.html )
『タイムレンジャー』は、「特定のコミュニティにおけるマイノリティの問題」など、実に現実社会を上手く反映させて造られていると思うのですが、シリーズ全編を通してのテーマは恐らく、
「未来は変えられなくても、自分の明日くらいは変えられるのではないのか。“明日という一日”を変えるために、オレは戦う」
という竜也の気持ちに集約されているのではないだろうか。と数話視た限りでは感じた次第です。
で。
数話で何とか視るのを、「頑張ってやめた」ものの.............
うがーーーーーーー次が視たいぃーーーーーー!!!
お願い誰か、私を止めてっっっ!!!!!(大汗)
前ブログでの最終更新日 2006年12月26日 12時32分12秒
引き続き第2話......どころか、ぶっ続けで第5話まで視てしまいました(汗)。
随所で“ヒーロー物らしくない”描写があり、こういった作品には付き物の大仰な名乗りボーズやアクション、テーマを声高に強調するような演出、というものが「あえて」排除されているのですが、それがかえって小気味良いのです。
シリーズということで『未来戦隊』とタイトルには付けられているものの(主人公5人中4人までが西暦3000年からやって来た未来人だから、と推測しておりますが)、少なくとも第5話までを視た限りでは「未来戦隊!」と名乗る場面は出てきません。
なぜなら、「タイムレンジャー」というのは西暦3000年の社会に存在している時間保護局というセクションで、歴史歪曲防止のために働く捜査官たちの「戦闘モードの名称」にしか過ぎない、からです。
日本でいえば、防衛庁に「時間保護局」なるセクションがあって、そこで働く捜査官が......みたいなものですね。
過去の戦隊シリーズ作品にも、地球守備隊という組織の職業軍人が地球守備隊内で戦隊を結成して...という「戦う」ことに説得力を持たせた『太陽戦隊サンバルカン』や『電撃戦隊チェンジマン』などの作品がありますが、それらとてお約束の「××戦隊!」という名乗りは出てきます。
しかし、『タイムレンジャー』では、戦う相手である異星人犯罪者に「警察だ!」と身分告知をするような形で「タイムレンジャー!」と叫ぶのみです。
お約束の変身&名乗りポーズなどが、実は楽しみのひとつでもあるのがこういったジャンルの作品なのですが、「わざと」それを用いないところが、現実味をかもし出している部分もあると言って良いかもしれません。
また、物語の舞台となる西暦2000年で主人公5人のうち唯一の“現代人”であるタイムレッド=浅見竜也(演:永井大)が、タイムグリーン=シオンが地球人ではなくハバード星人という異星人であることを知るくだりがあるのですが、
「へー宇宙人なんだー♪」
と無邪気にシオンを眺め回す竜也のセリフにカチンときて、ムッとして「ハバード星人だよ!」と訂正するタイムイエロー=ドモン。
第5話までのエピソードのあいだにこのやり取りは複数回繰り返されるわけですが、これが何を意味しているのか、最初の1回で私にはわかってしまいました。
劇中では、ドモンのセリフを受けて、タイムレンジャーの実質リーダーであるタイムピンク=ユウリとタイムブルー=アヤセも、敵方=ロンダーズファミリーが異星人犯罪者の集まりであることを竜也に伝えます。
つまり、ロンダーズファミリーの正体とは、
「地球という場所において、差別・排除されたために、犯罪に走らざるを得なかった異星人達」
ということです。
「宇宙人」を「外国人」、
「ハバード星人」を「中国人」「韓国人」もしくは「アメリカ人」など「異国・異文化人」に、
そう置き換えると、
「異国人・異文化人というレッテルを貼ってしまうことによる、無意識の差別・排除意識」
という現実がありありと浮かび上がってきます。
「○○国において、××人による外国人犯罪率がとても高い。だから××人はどうしようもないやつらだ」と断罪する意見を目にすることがありますが、「ある特定のコミュニティにおけるマイノリティの実状」という部分をつぶさに紐解いてみると、その断罪が如何に「現実に対する理解や認識不足から来ているものであるか」が容易に理解できます。
というのは、「どれだけ本人が元来真面目な気性であったとしても、環境がそれを受け入れてくれなければ、事と次第によっては、そのコミュニティで生き抜くために犯罪に手を染めざるを得ない」のであり、だからこそ外国人犯罪というのはそれぞれの国やコミュニティで多数起こるのです。
『タイムレンジャー』という作品ではその点が、何気ないやり取りの中に、実に巧妙に織り込まれているのです。
こういう描写は、受け手である視聴者の認識・理解力の高さも相当に求められるものですが、正直子供には難しすぎるだろうな~と感じました。
第5話までぶっ通しで視たあとに、ネットでタイムレンジャーについていろいろと検索してみたのですが、実際「ストーリーが難しすぎるために子供が理解できず、視聴率がふるわずに『タイムレンジャー』で戦隊シリーズ打ち切りか?!」と危ぶまれた危機もあったとかなかったとか。
同じ「大人向け要素あり」でも、主人公5人中4人までが恋愛ドロドロ模様で、「戦うトレンディドラマ」とか「トレンディ戦隊」と大人の間でクチコミになり、対前作比で視聴率を盛り返した『鳥人戦隊ジェットマン』とは対照的ですね。
『鳥人戦隊ジェットマン』も、タイムレンジャーとは違った意味で、戦隊の王道をわざと破る試みがなされた作品らしく(注:放送当時もごく一部のエピソードしか視たことがなく、『ジェットマン』の頃から特撮ジャンルに縁遠くなっていったのです)、最終回のラストパートでも「現実というものの矛盾」がブラックコンドル=結城凱の死、という形で描き出されています。
(参考:結城凱役の若松俊秀氏オフィシャルサイト内「EPISODE ONE」
http://homepage3.nifty.com/guy-w/episode.html )
『タイムレンジャー』は、「特定のコミュニティにおけるマイノリティの問題」など、実に現実社会を上手く反映させて造られていると思うのですが、シリーズ全編を通してのテーマは恐らく、
「未来は変えられなくても、自分の明日くらいは変えられるのではないのか。“明日という一日”を変えるために、オレは戦う」
という竜也の気持ちに集約されているのではないだろうか。と数話視た限りでは感じた次第です。
で。
数話で何とか視るのを、「頑張ってやめた」ものの.............
うがーーーーーーー次が視たいぃーーーーーー!!!
お願い誰か、私を止めてっっっ!!!!!(大汗)
前ブログでの最終更新日 2006年12月26日 12時32分12秒
未来戦隊タイムレンジャー(2) [DVD]
posted with amazlet at 14.05.28
東映ビデオ (2004-03-21)
売り上げランキング: 91,187
売り上げランキング: 91,187