師走に入り、311から9ヶ月が経過しようとしているこの日、気になるメッセージが届きました。
送り主は東南アジアでお仕事をしている若い日本人女性。日頃の私の「放射能リスクに関するつぶやき」を読んでくれている方です。
そこには「1年ぶりに日本に一時帰国したら、友達が全員疲れきっていて、怒りっぽくなっていた。Qingxiangさんのつぶやきから(その現象に)思い当たることがあって、とても怖かった」という旨のことが書かれていました。
放射線被曝のリスクというと、子供の甲状腺癌・白血病など一部の疾病だけリスクが高まると日本の大半の国民の間では認識されているようですが、ほとんど全員が多かれ少なかれ(もちろん私自身も対象に入っていると思っています。)被害を受けるのは、実は「脳の中枢神経」なのです。
特にわかりやすい症状としては、危機感の減退=過剰に楽観的になる、怒りっぽくなる、忘れっぽくなる、などですが……。
チェルノブイリ事故で収束作業にあたった作業員の場合は、強度の被曝で脳がスッカスカになってしまい話す文章の脈絡が皆無になったり(本人は正確に話しているつもり)、自分の顔に向けて指を近づけているのに顔の外へ指が行ってしまう、などある種の機能障害に陥ったりしているケースが過去のNHKドキュメンタリーなどでも紹介されていました。

私も、いただいたメッセージの「疲れ切っていて、怒りっぽくなっていた。しかも「全員」が」という点は不振に思い、しかも住んでいる場所が東京なので「被曝で脳の中枢神経がやられている可能性は否定できない」と思わざるを得ませんでした。
東京では都内東北部を始めとしてホットスポットやマイクロスポット状態になっている箇所が多数見つかっていますし、風向き的にも割と容易に爆心地からの気流が来る可能性がある地域ですから、私としては否定しがたいわけです。土壌汚染で見れば「チェルノブイリの避難対象地域」と同じとしか思えない数値を出している所も都内や首都圏には複数ポイントあるわけですし、東京都下全域の下水処理場の汚泥からの放射線量はとっくに原発1機分とも言われているわけですから……。

放射線被曝について「これでもか」というほど再三調べていくうちに、単に「白血病や癌のリスクが高まる」だけでなく、「被曝は老化作用を引き起こすようなもの(フリーラジカルが関係している)で、身体全体の抵抗力が落ちていく過程を引き起こしていく。要するに「後天性免疫不全症候群=エイズ」にかかるのと同じようなものだ」ということがわかってきたので、なおさら「被曝を軽く見てはいけない」と思うようになったのです。

脳は感覚や運動機能を司る重要な器官で、脳細胞は他の器官の細胞と違い修復機能がありません。
さらに「脳は微量の放射線でも影響を受けやすい」のです。
ここまでわかってしまうと、「被曝なんてたいしたことないわよ~(^▽^)ノシ」などととても言えたものではありません。

脳が被害を受ければ、疲れやすくなる・怒りっぽくなる・危機感の減退=過剰な楽観視・感覚が狂う・運動機能に影響が出る、などそれこそさまざまな症状が出てくる可能性が考えられます。
核汚染研究の中でも特に研究論文が多いチェルノブイリ事故に関しては、「被曝で脳が影響を受けたと判断されるケースでは、危機感の減退=過剰な楽観視と怒りっぽさが特徴的に多かった」とのこと。
この「危機感の減退=過剰な楽観視」というのが特に気になって仕方ありません。
「食べて応援」という感情を揺さぶられる悪しきプロパガンダに騙され乗っかってしまい、311以降も何も気にせずに何でも食べてきてしまった人に見られる「想像を絶する楽観性」は、「たぶんもう侵されてしまったのだろう」と判断せざるを得ず、知人友人の大半...いや殆どがそういう状態なのが、どうにもつらくやるせない事実となって襲いかかってきます。

そして、自分もいつそういう状態になるやもしれないかと思うと、日々恐怖感がわき上がってきます。
この恐怖感と向き合えなくなった時に、「どうでもいいや」と投げやりになるか「危機感の減退=過剰に楽観視、に仲間入りしてしまうか」のどちらかになってしまうのかもしれません。
いろんな意味で死の恐怖と向き合った経験や、何よりも制御しがたい自分の内面との戦いの経験が人生の大半を占めていたおかげで、外的な事象に立ち向かわなければならない今回の核汚染事故と日本政府による人災に対してはパニックを起こさずに済んでいますが……。
そういう苦にまみれた経験がなければ、たぶん私ももっとパニックに陥ったり、「嗚呼もう目を背けたいから見ないふりするわ!」とヤケクソになっていたかもしれません。

ともかく。

この「東京の友達が全員疲れ切っていて、怒りっぽくなっていた」というメッセージは、私にとってはとても重要な報告でした。
やっぱり油断してはいけないのだ、と改めて思い知らせてくれたからです。
これ以上被害が広がるのは微塵も望んでいませんから、その方のお友達にもこれ以上被害が及びませんようにと祈るばかりです。



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