※参考:
『2011/05/23(月) 映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』 <前篇>』
http://ameblo.jp/dawuyan/entry-11012783889.html
2011/05/23(月) 映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』 <2>
http://ameblo.jp/dawuyan/entry-11015482908.html
<<2>より承前>
鎌仲監督は、トムの母親ローラに新婚生活を始めた最初の家を案内してもらいました。
住む人も亡くなった家は、外壁の色も変り果て、屋内も廃墟のようになっていました。
昔を思い出しながら涙するローラ。
ローラは言います。
「毎日の生活に追われていると過去を振り返る余裕がなくなる。
現在や将来は考えはしても忙しさにかまけて、忙しさや家族の世話に追われてしまう。
だから病気が核施設のせいだなんて長い間疑いもしなかった」と。
確かに人は現在や将来は考えはしても、忙しさにかまけて過去を振り返ることをしなくなる。
多くの人が「歴史に学ぶ」ことができないままになってしまうのは、それも一因なのかしら?とローラのセリフを聞いて私は感じました。
1984年トムは自分自身や地域の健康被害や家畜の奇形はハンフォードのせいではないかと政府に向かって疑問を投げかけました。
それ以来精神的にも経済的にも様々な困難を抱えなければなりませんでした。
トム「愛国心はあるのかと近所中からののしられた。政府に逆らうなんてと銀行の融資を止められた。まるで村八分だった。
真実を知れば日本中が大騒ぎになるよ。輸出が止まれば倒産。
日本が買わなきゃこの辺りは大恐慌だ。放射性物質の故意の放出を政府が発表したのは一年後だ。西側で史上最大の放出だった。
それをハンフォードと政府が故意に隠蔽した。時と共に事件の深刻さがさらに分かっていった。大量の放射性物質が降り注ぎ、故意や事故や日々の操業で地域の住民に被害をもたらした。
ずっと否定し続けた政府がやっと事実を認めはじめて被害の原因は政府にあるから補償が欲しければ訴えろという。受けて立って14年になる」
トムのセリフを聞いて「嗚呼、日本は汚染されたものを輸入させられているのか」、と正直背筋が寒くなりました。
アメリカ政府は汚染の事実を認めても健康との因果関係は否定しています。
車を運転しながら話すトム。
「(核施設と風下農場を隔てている)鉄条網のこっちは危険であっちは安全だって言うんだ」
鎌仲監督と肥田先生は政府が主張するこの理論に大笑いしています。
極小の微粒子状態である放射性物質が鉄条網でさえぎれるわけもなく、国境すら関係ないのですから、「鉄条網で区切ったから安全云々」は大笑いするほどナンセンスな理屈ですから当然のこと。
肥田先生曰く、日本の原爆の時と同じだと。爆心地から2キロ以内は危険、その外は安全だから2キロ圏外は原爆症としか思えない症状が出ても認定はされない、というものです。
「それが政治なんだ」と肥田先生。
広島に原爆が投下されたあの日から、人生すべての時間を費やして常に被曝者支援に力を尽くし、日米両方の政治という壁にぶつかり続けてきたからこその言葉なのでしょう。
さらさらの砂でできたハンフォードの砂漠は絶えず水を供給する大規模な灌漑によって緑の牧草地帯となりました。大量の水と電力の莫大な費用を農民はまかなっていかねばなりません。
ここでの農業はいかにこの水をコントロールするかにかかっています。
政府と戦うトムの弟テリーは、1800エーカーの広大な農地を経営する優秀な農夫です。
大きな畑は一面ジャガイモ畑。
テリーによれば、フライドポテト向きのジャガイモなのだとか。
フライドポテト...........そう、あのファーストフードのフライドポテト。
大人のみならず子供も口にする、あのフライドポテトが、核施設の放射性物質で汚染された農場で生産されている。しかもトムは「日本が買わなきゃこの辺りは大恐慌」と言っていました。ということはこの汚染ジャガイモは日本へ.........?
(((((( ;゚Д゚))))))
ハンフォードのことが気になるかと尋ねる鎌仲監督にテリーは「別に気にすることじゃない。人が何と言おうと気にならないよ。兄が何を言おうがかまわない。米国は自由な国だから経済的にはまったく影響しない」と答えます。
テリーの妻も甲状腺ガンで手術を受け、いまだに薬物治療を受けており、家族の健康は問題だと捉えているにも関わらず、「ハンフォードのことは心理的にも影響はまったくない」と答えるのです。
考え方捉え方は人それぞれですから、彼の気持ちや意見はそれはそれでいいのですが、聞いている私には胸が痛む言葉でした。
テリーの作る牧草のおよそ半分が日本に輸出されています。
また、この地域では年間に1600万トン以上のジャガイモが生産されています。そのほとんどすべてが近所にある加工場で加工され、様々なファーストフード会社に買われていきます。
ここの農民たちは自分達は世界を養っていると、自負しています。
世界を養う。
「世界」を。
(((((( ;゚Д゚))))))
有名すぎるファーストフード店でハンバーガーとフライドポテトを食べるテリーと友人のゲリー。
フライドポテトのジャガイモと、ハンバーガーのパティの肉を絶賛するテリーとゲイリー。
しかし、放射性物質が降り注いだ農場からできた食物なのだと思うと、素直に同意できない自分がいます。
うーん.....今からでも、ああいうファーストフードチェーンで外食するの少し控えようかなぁ......。
何か怖くなってきたし...........
(((((( ;゚Д゚))))))
<さらに続く>
※旧ログ「Qingxiangの日々的話話は」コチラ↓(過去ログ1512件!)
http://plaza.rakuten.co.jp/dawuyan/
『2011/05/23(月) 映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』 <前篇>』
http://ameblo.jp/dawuyan/entry-11012783889.html
2011/05/23(月) 映画『ヒバクシャ 世界の終わりに』 <2>
http://ameblo.jp/dawuyan/entry-11015482908.html
<<2>より承前>
鎌仲監督は、トムの母親ローラに新婚生活を始めた最初の家を案内してもらいました。
住む人も亡くなった家は、外壁の色も変り果て、屋内も廃墟のようになっていました。
昔を思い出しながら涙するローラ。
ローラは言います。
「毎日の生活に追われていると過去を振り返る余裕がなくなる。
現在や将来は考えはしても忙しさにかまけて、忙しさや家族の世話に追われてしまう。
だから病気が核施設のせいだなんて長い間疑いもしなかった」と。
確かに人は現在や将来は考えはしても、忙しさにかまけて過去を振り返ることをしなくなる。
多くの人が「歴史に学ぶ」ことができないままになってしまうのは、それも一因なのかしら?とローラのセリフを聞いて私は感じました。
1984年トムは自分自身や地域の健康被害や家畜の奇形はハンフォードのせいではないかと政府に向かって疑問を投げかけました。
それ以来精神的にも経済的にも様々な困難を抱えなければなりませんでした。
トム「愛国心はあるのかと近所中からののしられた。政府に逆らうなんてと銀行の融資を止められた。まるで村八分だった。
真実を知れば日本中が大騒ぎになるよ。輸出が止まれば倒産。
日本が買わなきゃこの辺りは大恐慌だ。放射性物質の故意の放出を政府が発表したのは一年後だ。西側で史上最大の放出だった。
それをハンフォードと政府が故意に隠蔽した。時と共に事件の深刻さがさらに分かっていった。大量の放射性物質が降り注ぎ、故意や事故や日々の操業で地域の住民に被害をもたらした。
ずっと否定し続けた政府がやっと事実を認めはじめて被害の原因は政府にあるから補償が欲しければ訴えろという。受けて立って14年になる」
トムのセリフを聞いて「嗚呼、日本は汚染されたものを輸入させられているのか」、と正直背筋が寒くなりました。
アメリカ政府は汚染の事実を認めても健康との因果関係は否定しています。
車を運転しながら話すトム。
「(核施設と風下農場を隔てている)鉄条網のこっちは危険であっちは安全だって言うんだ」
鎌仲監督と肥田先生は政府が主張するこの理論に大笑いしています。
極小の微粒子状態である放射性物質が鉄条網でさえぎれるわけもなく、国境すら関係ないのですから、「鉄条網で区切ったから安全云々」は大笑いするほどナンセンスな理屈ですから当然のこと。
肥田先生曰く、日本の原爆の時と同じだと。爆心地から2キロ以内は危険、その外は安全だから2キロ圏外は原爆症としか思えない症状が出ても認定はされない、というものです。
「それが政治なんだ」と肥田先生。
広島に原爆が投下されたあの日から、人生すべての時間を費やして常に被曝者支援に力を尽くし、日米両方の政治という壁にぶつかり続けてきたからこその言葉なのでしょう。
さらさらの砂でできたハンフォードの砂漠は絶えず水を供給する大規模な灌漑によって緑の牧草地帯となりました。大量の水と電力の莫大な費用を農民はまかなっていかねばなりません。
ここでの農業はいかにこの水をコントロールするかにかかっています。
政府と戦うトムの弟テリーは、1800エーカーの広大な農地を経営する優秀な農夫です。
大きな畑は一面ジャガイモ畑。
テリーによれば、フライドポテト向きのジャガイモなのだとか。
フライドポテト...........そう、あのファーストフードのフライドポテト。
大人のみならず子供も口にする、あのフライドポテトが、核施設の放射性物質で汚染された農場で生産されている。しかもトムは「日本が買わなきゃこの辺りは大恐慌」と言っていました。ということはこの汚染ジャガイモは日本へ.........?
(((((( ;゚Д゚))))))
ハンフォードのことが気になるかと尋ねる鎌仲監督にテリーは「別に気にすることじゃない。人が何と言おうと気にならないよ。兄が何を言おうがかまわない。米国は自由な国だから経済的にはまったく影響しない」と答えます。
テリーの妻も甲状腺ガンで手術を受け、いまだに薬物治療を受けており、家族の健康は問題だと捉えているにも関わらず、「ハンフォードのことは心理的にも影響はまったくない」と答えるのです。
考え方捉え方は人それぞれですから、彼の気持ちや意見はそれはそれでいいのですが、聞いている私には胸が痛む言葉でした。
テリーの作る牧草のおよそ半分が日本に輸出されています。
また、この地域では年間に1600万トン以上のジャガイモが生産されています。そのほとんどすべてが近所にある加工場で加工され、様々なファーストフード会社に買われていきます。
ここの農民たちは自分達は世界を養っていると、自負しています。
世界を養う。
「世界」を。
(((((( ;゚Д゚))))))
有名すぎるファーストフード店でハンバーガーとフライドポテトを食べるテリーと友人のゲリー。
フライドポテトのジャガイモと、ハンバーガーのパティの肉を絶賛するテリーとゲイリー。
しかし、放射性物質が降り注いだ農場からできた食物なのだと思うと、素直に同意できない自分がいます。
うーん.....今からでも、ああいうファーストフードチェーンで外食するの少し控えようかなぁ......。
何か怖くなってきたし...........
(((((( ;゚Д゚))))))
<さらに続く>
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http://plaza.rakuten.co.jp/dawuyan/
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