5月23日(月)。
この日、文部科学省前に福島県から、お母さんお父さん達がかけつけました。
文部科学省前での「子供への20ミリシーベルト基準撤回抗議」の応援のためです。

要請行動の1時間も前から福島からバス2台でのりつけたお母さんお父さんたち70人が文部科学省前に集合。
その周囲には300人はゆうにを超える、応援する人々。
実は私も、その300人のうちのひとりでした。

東電福一原発事故のせいで、福島県の1年間の被曝許容量を20ミリシーベルトまで引き上げ、しかも正当な法的手続き無しに、という憤懣やるせない基準に対する撤回要請行動のため、福島県から70人のお父さんお母さん達が「子供達の健康を守りたい」という一心で東京までやってきたのです。
だったら、電車で1時間ほどで行けるのならせめて応援くらい行かなくちゃ!と思ったのです。

「一般市民の線量限度は1ミリシーベルト/年」というのがICRP(国際放射線防護委員会)勧告の基準。
その20倍である年間20ミリシーベルトという被曝許容量は、成人の放射能感受性の3~10倍である子供にとっては年間60~100ミリシーベルトの被爆に相当してもおかしくない線量。
それを正式な法的手続きもなく基準を勝手に上げられたのではたまったものではありません。
子供に対する配慮すらないのか!という憤りを感じて、せめて応援にと思って行ったわけですが、子供に対する施策=社会的弱者に対する施策というのは社会を写す鏡です。
この撤回抗議応援に参加した気持ち自体は、まず「福島の子供達の健康」に気持ちがフォーカスしたからですが、子供=社会的弱者をかえりみない施策を実行する社会は、いつ誰が社会的弱者になってもおかしくないという現実を考えるとき、見過ごしてはならないものがあるのです。
とはいえ、常日頃そのように思ってはいても、普段の生活の中では日常に流されてしまったりもするわけですが.....。
しかし、原発事故のようにいったん事故が起こると市境も県境も国境も関係なく汚染が拡散していき被害が広がる事態となれば、さすがに話は別です。
私の認識で言えば「日本中みんな被害者でもあり当事者でもある」です。
当然、一番過酷な状況に置かれている福島の子供達のことが心配で駆け付けたわけですが、その延長線上にそのほかの地域の子供達、ひいては大人や高齢者を含む我々自身が被害当事者としてつながっているのです。
で。
駆け付けるとそれらしき人の列が文科省エリアの前に並んでいたので後尾につくと、私のすぐ後ろがちょうど福島から小さな女の子を連れていらっしゃったお母さん。
お話をうかがってみると、あの元長崎大の山下教授が安全デマをさんざん流してくれたおかげで危険だとわかっていない人ばかりでとても困っている、テレビではちゃんとした情報が得られない、正確性のある適切な情報は(首都圏の我々同様)インターネットに頼るしかない旨を、涙をこらえながらお話してくださいました。
「こちらでも何かできる応援しますから、頑張ってくださいね」
とこっちも涙をこらえて、他の応援組の方と激励の言葉をかけさせていただいたのですが、八方ふさがりでとってもつらいのだろうなということが伝わってきて、「どうして、せめて子供だけでも何とかしてあげようとしないんだ!」と憤懣やるせない思いに。
撤回抗議には国会で撤回を迫っている福島みずほ議員、森ゆうこ議員、川内博史議員、川田龍平議員、そして俳優の山本太郎さんも応援に来てくれていました。
しかし、高木文科省大臣の直接対応を事前に請求していたにも関わらず、対応に出てきたのは決定権のない官僚たち。
抗議内容をまともに受けつけようという気がないのがはっきり感じ取れます。
福島議員・森議員・川内議員・川田議員全員がそれぞれに、必死に抗議の意見をぶつけます。
涙を必死にこらえ続けている森議員の表情から、福島の子供達に対する「何とかしたい!」という強い思いが読み取れます。
川内議員は「シーベルト」という単位の意味を自らも学んでおり、「シーベルトは実際に受ける影響=細胞が放射能の攻撃を実際に受けるんだ!」と必死に訴えます。





必死の思いで福島から駆け付けたお父さんお母さんすらも建物の中に入れず、途中で小雨が降ってくる中続く抗議。

子供を思うあまりに「人殺しー!」と叫ぶ人もいました。
癌や白血病などの疾病リスクが高まったり、それ以外にもあらゆる病気のリスクが高まる可能性が被曝によってもたらされるのですから、そう叫びたい気持ちになるのも無理はありません。

13時から15時半までのあいだやり取りが繰り返され、
1) いますぐ20ミリシーベルトを撤回してほしい。
2) 1ミリシーベルトを目指すという文科省の方針を、文書で、福島県に通知してほしい。
3) 自治体が行っている被ばく低減のための措置に関して、国として責任をもって経済的支援も含み後押ししてほしい
が改めて要請されました。
対応の矢面に立っていた渡辺氏が退席した後、参議院会館の講堂で院内集会が行われました。
数百人入る講堂が超満員。
入りきれない人のために福島議員が急遽会議室をひとつ手配してくださったので、参議院会館まで行き私も参加しました。
議員会館まで移動する際に、大阪から来ていたフランス語通訳者のかたや、ウォールストリートジャーナルのライターのかた、日本在住フランス人のかたお話させていただき、「人道的な対応とは言えない」との思いが私の中では強まりました。
子供を思う気持ちは、福島のお父さんお母さんだけではありません。
福島ほどの高濃度ではないにしろ、汚染が他人事ではない、応援に駆け付けた東京や首都近県のお父さんお母さんだって同じです。
そういう思いをみなさんが確認し合い、頑張っていこうと確認し合った集会となりました。
この時点では福島県民は国内では事実上WBC(ホールボディカウンター)測定を任意で自由に受けさせてもらえる状態ではなかった為に、子供達の尿を検査してもらうためにわざわざ海外まで送ったそうです。
そこまでしなければ子供や自分の身に何が起こっているかを調べることさえできないなんて、文明国であれば考えられないことです。
「もしも日本が文明国であるならば.......」ですが......。
チェルノブイリ原発事故が起こったすぐ翌日に1000台のバスで20km圏内の住民を全員避難させた旧ソ連政府より対応がすべて劣っているなんて......というのが、正直感じるところです。
旧ソ連政府に対しては何となく「人道的ではない」イメージがあったのですが、それよりもひどかったのかと311以降ずっと失望だけが日本政府に対して湧き上がってきます。
「駄目だ駄目だと思っていたけど、ここまで(酷いレベル)だったとは......」
という気分です。
はぁ.........○| ̄|_ガックリ
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20ミリシーベルト、「撤回を」=子ども被ばく量、文科省前で訴え
[時事通信社 2011年5月23日21時6分]
小中学校などの屋外活動を制限する放射線量上限を年間20ミリシーベルトとした国の暫定方針は高過ぎるとして、福島県の住民が23日午後、文部科学省正面玄関前に集まり、暫定値の撤回を求めた。
要請したのは市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」。主催者側によると、参議院議員会館内で開かれた集会と合わせ、子供を持つ父母ら500人以上が参加した。
要請行動では、福島瑞穂社民党党主や民主党の衆院議員らも参加。福島氏らは大臣ら政務三役との対話を繰り返し求めたが、国会への出席などを理由にいずれも姿を現すことはなかった。
父母らは子どもの安全を繰り返し訴え、上限値の撤回を求める1万5000人以上の署名を提出。土壌の除染や汚染された土壌を国が引き取ることのほか、疎開が必要な場合、その費用の負担などを文書で要請した。
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201105230110.html
※WEB魚拓版
http://megalodon.jp/2011-0906-1355-17/www.asahi.com/national/jiji/JJT201105230110.html
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■国際環境NGOグリーンピースブログより
「20ミリシーベルトの撤回を!福島の方々とともに」
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/20/blog/34903/
※旧ログ「Qingxiangの日々的話話は」コチラ↓(過去ログ1512件!)
http://plaza.rakuten.co.jp/dawuyan/
この日、文部科学省前に福島県から、お母さんお父さん達がかけつけました。
文部科学省前での「子供への20ミリシーベルト基準撤回抗議」の応援のためです。

要請行動の1時間も前から福島からバス2台でのりつけたお母さんお父さんたち70人が文部科学省前に集合。
その周囲には300人はゆうにを超える、応援する人々。
実は私も、その300人のうちのひとりでした。

東電福一原発事故のせいで、福島県の1年間の被曝許容量を20ミリシーベルトまで引き上げ、しかも正当な法的手続き無しに、という憤懣やるせない基準に対する撤回要請行動のため、福島県から70人のお父さんお母さん達が「子供達の健康を守りたい」という一心で東京までやってきたのです。
だったら、電車で1時間ほどで行けるのならせめて応援くらい行かなくちゃ!と思ったのです。

「一般市民の線量限度は1ミリシーベルト/年」というのがICRP(国際放射線防護委員会)勧告の基準。
その20倍である年間20ミリシーベルトという被曝許容量は、成人の放射能感受性の3~10倍である子供にとっては年間60~100ミリシーベルトの被爆に相当してもおかしくない線量。
それを正式な法的手続きもなく基準を勝手に上げられたのではたまったものではありません。
子供に対する配慮すらないのか!という憤りを感じて、せめて応援にと思って行ったわけですが、子供に対する施策=社会的弱者に対する施策というのは社会を写す鏡です。
この撤回抗議応援に参加した気持ち自体は、まず「福島の子供達の健康」に気持ちがフォーカスしたからですが、子供=社会的弱者をかえりみない施策を実行する社会は、いつ誰が社会的弱者になってもおかしくないという現実を考えるとき、見過ごしてはならないものがあるのです。
とはいえ、常日頃そのように思ってはいても、普段の生活の中では日常に流されてしまったりもするわけですが.....。
しかし、原発事故のようにいったん事故が起こると市境も県境も国境も関係なく汚染が拡散していき被害が広がる事態となれば、さすがに話は別です。
私の認識で言えば「日本中みんな被害者でもあり当事者でもある」です。
当然、一番過酷な状況に置かれている福島の子供達のことが心配で駆け付けたわけですが、その延長線上にそのほかの地域の子供達、ひいては大人や高齢者を含む我々自身が被害当事者としてつながっているのです。
で。
駆け付けるとそれらしき人の列が文科省エリアの前に並んでいたので後尾につくと、私のすぐ後ろがちょうど福島から小さな女の子を連れていらっしゃったお母さん。
お話をうかがってみると、あの元長崎大の山下教授が安全デマをさんざん流してくれたおかげで危険だとわかっていない人ばかりでとても困っている、テレビではちゃんとした情報が得られない、正確性のある適切な情報は(首都圏の我々同様)インターネットに頼るしかない旨を、涙をこらえながらお話してくださいました。
「こちらでも何かできる応援しますから、頑張ってくださいね」
とこっちも涙をこらえて、他の応援組の方と激励の言葉をかけさせていただいたのですが、八方ふさがりでとってもつらいのだろうなということが伝わってきて、「どうして、せめて子供だけでも何とかしてあげようとしないんだ!」と憤懣やるせない思いに。
撤回抗議には国会で撤回を迫っている福島みずほ議員、森ゆうこ議員、川内博史議員、川田龍平議員、そして俳優の山本太郎さんも応援に来てくれていました。
しかし、高木文科省大臣の直接対応を事前に請求していたにも関わらず、対応に出てきたのは決定権のない官僚たち。
抗議内容をまともに受けつけようという気がないのがはっきり感じ取れます。
福島議員・森議員・川内議員・川田議員全員がそれぞれに、必死に抗議の意見をぶつけます。
涙を必死にこらえ続けている森議員の表情から、福島の子供達に対する「何とかしたい!」という強い思いが読み取れます。
川内議員は「シーベルト」という単位の意味を自らも学んでおり、「シーベルトは実際に受ける影響=細胞が放射能の攻撃を実際に受けるんだ!」と必死に訴えます。





必死の思いで福島から駆け付けたお父さんお母さんすらも建物の中に入れず、途中で小雨が降ってくる中続く抗議。

子供を思うあまりに「人殺しー!」と叫ぶ人もいました。
癌や白血病などの疾病リスクが高まったり、それ以外にもあらゆる病気のリスクが高まる可能性が被曝によってもたらされるのですから、そう叫びたい気持ちになるのも無理はありません。

13時から15時半までのあいだやり取りが繰り返され、
1) いますぐ20ミリシーベルトを撤回してほしい。
2) 1ミリシーベルトを目指すという文科省の方針を、文書で、福島県に通知してほしい。
3) 自治体が行っている被ばく低減のための措置に関して、国として責任をもって経済的支援も含み後押ししてほしい
が改めて要請されました。
対応の矢面に立っていた渡辺氏が退席した後、参議院会館の講堂で院内集会が行われました。
数百人入る講堂が超満員。
入りきれない人のために福島議員が急遽会議室をひとつ手配してくださったので、参議院会館まで行き私も参加しました。
議員会館まで移動する際に、大阪から来ていたフランス語通訳者のかたや、ウォールストリートジャーナルのライターのかた、日本在住フランス人のかたお話させていただき、「人道的な対応とは言えない」との思いが私の中では強まりました。
子供を思う気持ちは、福島のお父さんお母さんだけではありません。
福島ほどの高濃度ではないにしろ、汚染が他人事ではない、応援に駆け付けた東京や首都近県のお父さんお母さんだって同じです。
そういう思いをみなさんが確認し合い、頑張っていこうと確認し合った集会となりました。
この時点では福島県民は国内では事実上WBC(ホールボディカウンター)測定を任意で自由に受けさせてもらえる状態ではなかった為に、子供達の尿を検査してもらうためにわざわざ海外まで送ったそうです。
そこまでしなければ子供や自分の身に何が起こっているかを調べることさえできないなんて、文明国であれば考えられないことです。
「もしも日本が文明国であるならば.......」ですが......。
チェルノブイリ原発事故が起こったすぐ翌日に1000台のバスで20km圏内の住民を全員避難させた旧ソ連政府より対応がすべて劣っているなんて......というのが、正直感じるところです。
旧ソ連政府に対しては何となく「人道的ではない」イメージがあったのですが、それよりもひどかったのかと311以降ずっと失望だけが日本政府に対して湧き上がってきます。
「駄目だ駄目だと思っていたけど、ここまで(酷いレベル)だったとは......」
という気分です。
はぁ.........○| ̄|_ガックリ
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20ミリシーベルト、「撤回を」=子ども被ばく量、文科省前で訴え
[時事通信社 2011年5月23日21時6分]
小中学校などの屋外活動を制限する放射線量上限を年間20ミリシーベルトとした国の暫定方針は高過ぎるとして、福島県の住民が23日午後、文部科学省正面玄関前に集まり、暫定値の撤回を求めた。
要請したのは市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」。主催者側によると、参議院議員会館内で開かれた集会と合わせ、子供を持つ父母ら500人以上が参加した。
要請行動では、福島瑞穂社民党党主や民主党の衆院議員らも参加。福島氏らは大臣ら政務三役との対話を繰り返し求めたが、国会への出席などを理由にいずれも姿を現すことはなかった。
父母らは子どもの安全を繰り返し訴え、上限値の撤回を求める1万5000人以上の署名を提出。土壌の除染や汚染された土壌を国が引き取ることのほか、疎開が必要な場合、その費用の負担などを文書で要請した。
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201105230110.html
※WEB魚拓版
http://megalodon.jp/2011-0906-1355-17/www.asahi.com/national/jiji/JJT201105230110.html
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■国際環境NGOグリーンピースブログより
「20ミリシーベルトの撤回を!福島の方々とともに」
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/20/blog/34903/
※旧ログ「Qingxiangの日々的話話は」コチラ↓(過去ログ1512件!)
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