ステファン・ベロフ ~栄光を掴めなかった天才~ | dawnblue003のブログ

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クルマとバイクが好きなオッサンです。

所有車両
1、ダイハツ ハイゼットトラック(軽トラック)(平成16)
2、カワサキ・ZZ-R1100(平成3)
3、ヤマハ・シグナスXSR(平成25)
4、ヤマハ・メイトV50(平成01?)

1984年にF1デビューした ドイツ人レーサー「ステファン・ベロフ」をご存知だろうか?

 

ティレルからF1にデビュー、当時、ターボエンジンへと次々代わる中、最後の自然吸気エンジン使用車となったティレルで

第三戦ベルギーGPで6位(当時は6位までが入賞とされていた)

続くサンマリノGPでは5位に入賞した。

 

第6戦のモナコでは、三位表彰台を獲得

 

このモナコGPは、色々と後々まで語り草となるレースである。

 

豪雨に見舞われ

 

レース序盤、プロストからトップを奪った、マンセル、ボーリバージュでガードレールと仲良しに

 

 

トンネル出口のシケイン(今のように大きく曲がるシケインではなく、車線変更をするだけの超高速シケイン)

でチャンピオンのケケを追いかけるセナがミス、

縁石に乗り上げ、ステアリングのセンターがズレ、ハンドリングに不調を来たす。

 

そんな中、最後尾からスタートのステファン・ベロフが序々に順位を上げて

 

フェラーリのアルヌーをもパスして

 

雨はどんどん、酷くなり、寸分違わぬドライビングでコンピューターと評される

偉大なチャンピオン、ニキ・ラウダでさえ、スピンアウト

 

ホテル・ド・パリ前に路上駐車

(まあ、偉大なチャンピオンだけあって、オーラ漂う駐車です)

ニキのスピンなんて、そうそう見られるものじゃない

 

 

プロスト1位、セナ2位、ベロフ3位と成りましたが、

プロストとセナのタイム差は大きく

 

しかし、雨はさらに強くなり

晴れのタイムのなんと40秒落ちにまでダウン

(20秒落ちで豪雨と呼べます)

 

チャンピンを争うプロストは、ノーポイントが一番やっちゃいけないこと

なので、ペースを落とし、完走を最優先にします。

トップを走るプロストに対し、後方の周回遅れが迫っているとの

ブルーフラッグを提示されるほど。

 

それに対し、ルーキーだったセナは、怖いもの無しで、ガンガン追い上げ

 

ステーションヘアピン(ロウズヘアピン)では、ワンショットで写るほどに近づいて

 

31周には、7秒差である。(上の画像と下のタイム差、タイム差表示は一周前のことだと思われる)

現在のようにリアルタイムではなく、スタートフィニッシュラインでの測定が表示されている。

一周で3~4秒か、それ以上でタイム差を縮めていた

 

で、その周か、次の周に、突然の赤旗(降雨によりレース、打ち切り)

 

プロストは赤旗を見て、コースサイドにクルマを停め、セナはそこを走り過ぎて行く。

赤旗の場合、提示された前の周のスタート/フィニッシュラインの通過順位になるため、ここでの前後は順位には影響しない。

(もちろん、プロストはスタート/フィニッシュラインを通過してからマシンを停めている。

 

 

で・・・1987年からのフジテレビのF1放送からのF1ファンの多くはセナさん好きなので、

このときに赤旗が無ければセナの初優勝との話が一般的だと思う。

 

シケインでの縁石乗り上げにより、ハンドリングは悪化、燃料漏れで背中に軽度の炎症を起こし、76周まで走りきれなかっただろうとパドックで囁かれている、さらに、三位のステファン・ベロフはセナよりもさらに速いペースで追い上げており

そのままで行けば、プロストも、セナも、追い抜かれ、ベロフが初優勝ではないか?とも言われる

 

 

 

当時、トールマンのセナのメカを勤めていた津川さんのコメントによれば、

フロントのプルロッドのリンクがあと、壊れる寸前、あと一周か二周くらいで・・

とのこと(ピットに帰ってきたマシンを見ているからね)

 

セナのファン方々には悪いですが、あれ以上の周回となったら、セナは入賞も出来なかったとのこと・・・

 

 

が、それは、「たら」、「れば」なのである。

 

結局、周回数が規定以下であるため、ポイントは半分の4.5ポイント(プロスト)

3ポイント(セナ)、2ポイント(ベロフ)となった。

 

フランス人のプロストを勝たせるため、突然の赤旗とか、色々と、見方によって、話が代わる。

 

で、これだけで話は終わらない。

 

この年、ラウダが0.5ポイント差で二位のプロストを退け、3度目のチャンピンになるんだよ。

 

規定周回数まで走っていれば、2位で6ポイント(ベロフ:優勝、セナ:リタイヤ、プロスト2位)でプロストは6ポイントを得て合計で1.5ポイント多くなりチャンピオンになれたかも知れない?

 

豪雨により優勝は得たがチャンピオンは失ったという見方もある。

 

 

まだこれに続きがあり、

ベロフのティレルの燃料タンク(唯一の自然吸気エンジン)は少量の水を吸気に混ぜて圧縮比を上げ、さらに冷却も行うウォーターインジェクションシステムを採用しており、その水タンクの中に禁止されている炭化水素が検出され、違反と裁定、1984年のティレルのポイントは全て剥奪されている。

セナが、リタイヤしなくても、プロストは二位になるの

 

ベロフの自然吸気ながら、ターボ車相手によく戦い、ドライビングは光るものが見え、将来のチャンピオンと期待されていたが、

翌年スパ1000km耐久レース中、クラッシュにより事故死している。

 

ミハエル・シューマッハがドイツ人初のチャンピオンに成ったが、ベロフが存命であれば、と・・・

 

そういう残念なこと、いっぱいあるのが、モーターレーシングなんだよね。

 

あと・・・ラウダにしてやられた、プロスト(0.5ポイント差で、チャンピオンを取りそこなう)

もちろん、若くて速かったプロストのほうが優勝回数が多いし、ポールポジションもたくさん取った

 

なんか後のセナ・プロ対決は、この年のニキとアランの再現を見ているようだった。

 

 

 

ちゃんちゃん。