なかなか「頑張れ」という言葉がかけにくい時代になったように思います。
大人に言われたことを素直にやろうとする子が多く,それができないと罪悪感から心と体の調子を乱す子もいたり。
すでに頑張っている子にこれ以上頑張れなんて,鬼畜の言葉にしか思えない・・・。
鬼ー畜家ー畜・・・じゃなくて,ピーチクパーチク囀るのはこのあたりにしましょうか。
また言葉遊びをしているよ,このアラフィフ・・・🤣。
今の生徒たちは真面目な子が多く,十分頑張っているのです。
それ以上頑張れということがなかなかできません。
・・・中にはもっとしっかりせぇと言いたくなる子もいますけれど。
そういう子は毎日でも自習に来い!と声をかけています。
私の目の前で勉強してもらい,本物の受験生にしてやるから安心しろ,と。
どうしてもわからないことや何回やってもできないことがあると,解答を「坊主丸写し」して済ませてしまう子が出てきます。
わからないのだから,一旦丸写しするしかない・・・というのが生徒の理屈。
それでも,丸暗記のままだともし忘れたらその時に目も当てられなくなる・・・。
その前段階の勉強が不十分だと,それ以降の勉強がちゃんと入っていかないので,数学が積み重ねの教科であることを実感できます。
一つ一つしっかりやっていかないと,一つでも中途半端なところがあると,それ以降学ぶ時に大きなハンデを抱えることになりかねません。
何かできない問題があった時,何ができなかったのかをしっかりと見て,どうすればできるようになるのかを考えることが大事。
それでも,どうすればいいかわからないことがあるものです。
自分が生徒だった頃のことを思い出せば,それも当然のことです。
元々文系にいて,文理分けの時も文系に行く気満々で。
つい一時間前までは文系に行くぞと思っていたのに,担任の先生の鶴の一声で理系に行くことになってしまっちゃったの・・・。
家族や友人たちに心配されました。
「数学や物理,化学どどれかで赤点を取っているのに,どうするの??」
そりゃそう思われますよ。
数学の最低点は「5点」・・・100点満点ですからね!平均は20点台😂。
化学の最低点は「13点」・・・平均点は忘れました!!
物理の最低点は「8点」・・・このときも平均点は20点台。確か運動方程式のところだったかなぁ。
こんなのが「理系に行け!」と言われて,一時間くらいの逡巡こそありましたが,結局は「落とされてしまい」,理系に行くことになってしまった・・・。
そりゃ途方にも暮れますよ。
数学の勉強法なんてわからないし。
中学校の頃になまじできるようになって,ある程度自信を持っていたのです。
しかし,高校に入ったばかりの一学期の期末テストでまさかの「5点」をやらかしました。
二次関数や文字式のところが範囲でした。
指数法則の問題一問だけ正解。
あとは全部「❌」
先生曰く,「採点がえらく捗って楽だったわぁー」・・・すみません🙇♂️。
出来の悪い生徒で・・・。
しかし,それまでの15年間生きてきて,そんな点数を見たの初めてなのです。
90点台当たり前,100点もあり。
450人いる学年で一桁をキープしていた者が進学校に入ると,こういうことも普通にあります。
その時にがっくりくるようでは厳しいです。
自分の勉強法を見直しましょう。
自分で答案を見てどう思うのか。
何ができていて何ができていないと思ったのか。
自分だけではわからないことも多いので,先生に相談しに行きましょう。
先生の目で答案を見ていただくのです。
何ができていないのか,何をすればいいのか,きっと素人が取ろうとする手段より確実な勉強法をアドバイスしてくれるものです。
そして計画的に勉強を進めていきます。
何回も書いていることで,耳がダンボになっている頃かと思いますが,解答をしっかりと理解することが大事。
どうしてこんな解答を書いているのか。
どんな知識が必要なのか。
どうしてこんな知識がいるのか,どこに覚えたことが生きているのか。
公式の意味をしっかりと理解することも大事だし,公式の証明を覚えておくことも大事。
なんとなく暗記していて,ちょこちょこ細かいところを間違えて覚えているともう悲惨。
せっかくプランを立てて勉強したのに,勉強する気持ちが雲散霧消してしまうわ。
本当にこうなったら悲しいです。
今は教える立場になったので,本当にそう思えます。
落ち着いてください。
なんとかする方法はきっとあります。
小学校や中学校の内容に戻ることも必要かもしれませんが,「急がば回れ」というじゃないですか!
本当に必要なら前の段階に戻って勉強をしていきます。
これは「アルバイトの先生」が教えている塾ではなかなかできないことではないかと思います。
ずっとできていた経験しかできていないアルバイトの先生には,公式をきちんと覚えきっていなくてびくびくテスト問題を解いていた者の気持ちはわかりません。
公式を覚えましょう。
意味を理解して,証明を理解して,使い方を覚えてください。
実際に使えることが確認できるまで繰り返しましょう。
長い時間がかかるかもしれません。
私だってそうでしたから。
でも,諦めないことが大事。
きちんとわかるまで繰り返してください。
解けるようになるまで,何周でもしてください。
それができないと,数学で「一皮剥ける」ことは無理。
理屈の勉強で大事なのは,うんうん唸ってどれだけ理解できなくても,問題が解けなくても,諦めないでやっていることの意味を考えることです。
ひょっとして長い時間かかってちょっとずつしか進まないかもしれません。
一時間で式一行進めるのが精一杯なことも,大学に入ってからはまぁまぁありました。
それでも負けないこと,投げ出さないこと,逃げ出さないこと,信じ抜くこと。
ダメになりそうな時,それが一番大事なのです。
その姿勢を貫いて勉強していれば,タイミングに個人差はありますが,一気に視界が広がる瞬間が必ずきます。
その経験をたくさんしている子が「できる子」の正体です。
中学生で英検の一級を持っていたり,高校一年生でオリンピックでいいところまで行ったりする子は,早い段階からそういう勉強方法を続けてこられた人。
いやいやではなく,やっているうちに楽しくなった人なのでしょう。
勉強でも「ドーパミン」がドバドバ出ることがあります。
「報酬系」のホルモンですが,これがあると「もっと勉強したい」となります。
どんどん見えなかったことが見えてくるので,もっと見えるようになりたくなるのです。
生徒たちはこういう経験を重ねてモチベーションを保っているのだと思います。
諦めないでやり続けた人しか勝たんと思います。
十回以上できないことがあっても,十二回目くらいでできるようになるかもしれません。
差がつく内容というのは往々にしてそういうことだったりします。
途中で諦めてしまうと,あとからもう一度諦めた問題を見た時に,「あれ?簡単に解けるじゃん」ってなってしまい,めちゃめちゃ悔しい思いをすることもありjます。
あの時諦めていなかったら,今頃はこんな問題は解けるようになっているだろう。
・・・仮定法の世界の話になってしまいます。
実際は到底諦めないで勉強することなどできなかったわけで,中途半端な成績をとってきたわけで・・・中には自分がいる学校で「深海魚」になっているかもね。
解けないことがあったり,知らないことが多いと,勉強に対して弱気になってしまいます。
そうなっては勿体無いのです。
「自分,どうせ名大に行くのは無理だから・・・」
「私,〇〇高なので,A大学を目指すのは到底無理だし・・・」
こういう言葉を聞くと個人的なわがままかもしれませんが,悲しくなります。
勉強を通して「目が覚めた!」という経験を一つでも積み重ねていってほしい。
そうすれば勉強は「癖になります」から。
そこまでくるとあなたの能力は天井知らずになります。
学校で学んだ範囲にとらわれないでどんどん学び続けることができるようにもなります。
そうなったら,もうこっちのものです。
いきたい学校を選べます。
進みたい進度を選べます。
人生の可能性が広がります。
ぜひ「頑張って」みてください。
そうしないと,「勉強嫌い」で一生終わるかも。
そうなったら本当に悲しい。
だって勉強という行為はとても刺激的で,至福の時を送れますから。
もうちょっと向き合っている勉強を真正面から見つめてください。
そして後悔のないように頑張ってください。
応援しています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ONゼミナール代表 長田 俊将
www.on-semi.jp