私は小学校四年生くらいまで,ミミズがうねうねしているような字を書いていました。

 

 ・・・こんなことを書くと,ミミズが怒るわなぁ・・・ミミズさんごめんなさい🙇‍♂️。

 

 一体なんなのでしょう。

 

 形を認識する能力がなかった。

 

 その形通りに手を動かせなかった(手を思い通りに動かせるか)。

 

 周りの字と調和するように書けなかった(バランス能力)。

 

 自分の頭と手の間でやり取りができていない(字を書きながら考える)。

 

 まぁいろいろとありますが,字を書くということは実は簡単なことではないと思います。

 

 

 ・・・偉そうに言っていますが,私の字もこんなもんです・・・

 

 

 

 

 生徒の皆さんに字を書いてもらうと,その子の学力がわかります。

 

 これはうちの生徒によく話すことです。

 

 字を見たらその子の学力が大体わかるよ,と。

 

 

 

 

 できる子の字は,どこか違います。

 

 一つ一つの字が丁寧で綺麗である「とは」限らない。

 

 それでも,どこかに成績が振るわない子との違いがある・・・。

 

 今回はその辺りのお話をさせていただこうと思います。

 

 

 

 

 頭がいい人は字が綺麗,そうでない人は汚い,というお話にはなりません。

 

 字が汚くても頭のキレがすごい人はいます。

 

 綺麗な字を書く人でも,まともに問題が解けない子もいます。

 

 ですから,「字が汚い」と言われても落ち込まないでください。

 

 字の上手さと学力とはあまり関係ありませんから。

 

 上手か下手かではないのですよ。

 

 ・・・ここまで書いておいて何ですが,私が関わってきた東大や京大に入った生徒のほとんどは字が綺麗です。

 

 

 

 

 字を書く速さ,解答スペースと字の大きさのバランス,横書き・縦書き問わずまっすぐになっているかどうか。

 

 そして筆圧。

 

 芯を折る頻度。

 

 あとは,これを言っては身も蓋もありませんが,字を書くのに慣れているかどうか。

 

 書いている内容があちらへふらふら,こちらへふらふらしていないかどうか。

 

 そして,書いている人間の頭の内容が字に現れてくる不思議。

 

 だから添削はやめられない。

 

 

 

 

 何を書くかが決まるまでの間は逡巡があって,その間はちっとも進まないことはあります。

 

 しかし,頭の中で書く内容がまとまったらあとはもう早いこと早いこと。

 

 迷いなく解答や文章を書いていきます。

 

 図を書くときの線も迷いがなく真っ直ぐ。

 

 定規なんかいらない。

 

 フリーハンドで十分。

 

 字を見ると,書いている内容に自信があるかどうかもわかるものです。

 

 

 

 

 便箋に手紙を書くときも。

 

 慣れるまでは文章が便箋のど真ん中に入らないものです。

 

 私の場合はどうしても右側に偏ることが多かったです。

 

 今はそういうこともなくなりました。

 

 

 

 

 さてこのブログは塾のブログなので,勉強に関する話がしたいわけです。

 

 皆さんは字を書いていますか。

 

 問題を解くとき,講義を聞いているとき,人と話をしているときにメモを取るとき。

 

 勉強をしっかりしている人は,当然アウトプットを頻繁にするわけで。

 

 答案を何回も何回も書いています。

 

 そうすると慣れてくるもので,文章や数式,化学式やグラフのレイアウトが自然と整ってくるものです。

 

 内容にポイントがきちんと詰め込まれてもいます。

 

 そして,しっかり勉強している子のノートやら答案は非常に見やすいのです。

 

 学校に提出する課題を見ていてもそう。

 

 できる子の課題ノートの見やすさよ。

 

 そうでない子と見比べてみてください。

 

 機会があったら。

 

 本当に違うなぁ,と私個人では思っています。

 

 

 

 

 

 何度も申し上げますが,字が上手かどうかではないのです。

 

 説明するのが難しいのですが,字の大きさが一定かどうか,書きたい分量とのバランスが取れているか。

 

 頭の中にある思考を余すことなく紙に真っ直ぐ書けているかどうか。

 

 間違いがないかどうか,きちんと確かめるように書いているかどうか。

 

 自分が考えている内容に自信を持って書いているかどうか。

 

 自分の考え方に自信が持てるくらいに何度も考えているかどうか。

 

 

 

 

 

 ノートやら答案は生徒がどれだけ勉強してきたかを教えてくれます。

 

 試験前に問題集を一回だけする子と何回もやり直す子のノートは明らかに違います。

 

 字を見たらその子の勉強歴が割と見えてきます。

 

 ですから,入塾を検討してくれて体験授業を受けてくれる生徒の字を結構しっかり見ています。

 

 下手くそだからということだけでどうもこうもしませんが。

 

 

 

 

 

 私は字を褒めていただくことが多くなりました。

 

 実はこれ,「恋」の力なのです😂。

 

 小学校四年生くらいの頃のクラスメイトの女子に,毛筆がものすごく上手な子がいまして。

 

 その子は硬筆も綺麗な字を書いていました。

 

 ・・・そして何より私の好みどストライク😂。

 

 

 

 

 当時は悪筆だった私。

 

 その子の字を真似し始めました。

 

 これってストーカーに似ているのかも・・・しれません💦。

 

 真似をして真似をして,何回も書いて書いて。

 

 その子の字にだいぶ近づきました。

 

 その頃から,担任の先生から字を褒めていただけるようになりました。

 

 

 

 

 その後も字が綺麗な先生を見つけては,その方の字を真似して真似して・・・。

 

 四十年経って今の字になりました。

 

 ・・・病気で入院したりしてしばらく字を書いていないと,途端に書けなくなります。

 

 図やグラフ,文章のバランスが一時的に「ぶっ壊れ」ます。

 

 ・・・少し訓練をするうちに治ってくるものですが。

 

 

 

 

 

 ここからは完全に私の想像です。

 

 きちんと考えているかどうかが字を見ればわかる・・・。

 

 しっかり考えている子は字が下手でも止め・はね・はらいがしっかりしていて,字の線自体が真っ直ぐになっている。

 

 ぐにゃぐにゃしている字を書いている子は,思考もぐにゃぐにゃしていて落ち着かない。

 

 筆圧が薄い子は,普段の勉強ができていなくて答案の内容に自信がない。

 

 字が崩れがちな子は自ら進んで勉強をしているわけではなく,割と嫌々やっているのかもしれませんね。

 

 勉強を嫌々やる・・・気持ちもわからないでもないのですが,もうちょっと積極的に勉強してもいいんじゃないかな。

 

 

 

 

 

 青い看板の予備学校で教えていただいた英語の先生から,こんなことを言われたことがあります。

 

 「字が綺麗な人は心が綺麗なんだよ」

 

 ・・・これはどうなのかなぁ・・・割と真っ黒なところがある「かも」しれない私です😂。

 

 

 

 

 

 ここまでお読みいただき,ありがとうございました。

 

 

 

 

 

ONゼミナール代表 長田 俊将

www.on-semi.jp