生徒たちの中には,あまり自分の心情を表に出さない子がいます。

 

 これは弊塾に限ったことではなく,以前出講していた予備校でもそういう生徒はいました。

 

 熱心に授業を受けるでもなく,教室でボーッとしていて。

 

 いや,本当に虚な顔をして座っているので驚きました。

 

 こちらから声をかけても反応が鈍いし,きちんと話をしようにも数十人の受講生がいる中では限界がありました。

 

 そういう生徒は他にもいましたし。

 

 予習や復習をするでもなく,夏期講習も受けるだけ受けたけれど消化不良。

 

 そんな状態で模擬試験を受けたらボロボロの結果で。

 

 秋以降になって職員さんに連れられて講師室に相談にやってくる。

 

 でも,本人は別に何か相談したいことがあるわけではない・・・。

 

 成績が現役高校生の時より下がっているのに。

 

 

 

 

 自分の意思で予備校なり塾なりに来ているのではないのかもしれないな。

 

 親御さまから行けと言われて通っているのかな。

 

 だとしたら,とてももったいないな,悲しいな。

 

 私はちょっと悲しいです。

 

 

 

 

 本来は生徒からいろいろ言ってもらった方がありがたいです。

 

 生徒と予備校・塾側の信頼関係でできている関係ですから。

 

 「話が分かりにくいから,もっと分かりやすく説明してほしい」

 

 「本当は別の問題がしたかった・宿題が出ていて,そちらがしたかった」

 

 「自習に来たのに,いきなりプリントを配られて授業が始まった。頼むから自習をさせてほしい」

 

 

 

 

 ごめんなさい・・・。

 

 こちらも反省すべきことがたくさんあるようです。

 

 該当する弊塾の生徒には,個別にお詫びをしていこうと思います。

 

 そして,アカんことを謝った上で申し上げます。

 

 考えもなくこんな「愚かなこと」をしているわけではないのです。

 

 生徒たちにもっとしっかりと考えて勉強をしてほしいのです。

 

 言われたことを受動的にするのではなくて。

 

 しんどい時はしんどいと言えばいいし,わからないならはっきり言えばいいのです。

 

 そんなことでは絶対に怒りませんから。

 

 ・・・復習不足は叱りますけれどね。

 

 でも,勉強がわからないのは仕方がないのです。

 

 

 

 

 

 逆に吹きこぼれもなくしたいと思います。

 

 問題が簡単すぎるから,もっと難しい問題にしてほしいという人にもはっきり言ってほしいな。

 

 表情から読み取って,それ相応のことをするようにはしておりますが,なにぶん言葉にしてもらわないとわからないことも出てきます。

 

 言葉にしてもきちんと伝わらないこともあるわけですから,言葉を使わないとなるともっと伝わる確率は下がるわけです。

 

 うちのわんこはその場の雰囲気を素早く的確に読めますが,私にはそんな素晴らしい能力はありません・・・その場の空気を読もうと努力はしていますが,こちらの努力だけではどうしても成果にも限界があります。

 

 何か思うことがあるのなら,そっと話してみてください。

 

 

 

 

  

 中学受験の塾さま,学校,親御さまを批判するとかではありません。

 

 あくまで生徒と私たちの問題だと思います。

 

 私自身の子ども時代の反省も含めて言いたいと思います。

 

 あなたはなぜ勉強をするのですか。

 

 なぜ部活をしたり委員会,生徒会の仕事をしているのですか。

 

 どうしてゲームをしているのですか・・・これは現実逃避かも。

 

 将来何がしたいのか,どの大学に行きたいのか,わからないことが多いでしょうが,向上心をもって毎日過ごしてほしいと思います。

 

 どうも「中学受験に受かれば自由にしていいよ!」と言われて受験勉強を乗り越えた層が一定数います。

 

 そういう生徒の多くが伸び悩み,一部がいわゆる「深海魚」になります。

 

 中学校に入ってから全く勉強していなくて,親御さまが頭を抱えてお子さんを塾に連れてこられるケースがまま見受けられます。

 

 どうして自分だけ勉強をしろと言われなければいけないのか。

 

 周りの子だって,できるあの子だって裏では結構遊んでいるのに,どうして自分だけ遊んでいると叱られるのだろう。

 

 こういう言葉が出てくるのはとても残念です。

 

 

 

 

 今どうしたらいいのかわからない人へ。

 

 自分でしっかりと考えましょう。

 

 結果を急ぐ必要はありません。

 

 雲を掴むような話かもしれないので。

 

 もし何もわからないのなら,頭の中にその問題を寝かしておきましょう。

 

 時間が解決する,ということもありますから。

 

 

 

 

 

 人が集まるところでは,お互いに相互作用することで「化学反応」が起きます。

 

 別に物質同士だけの話ではなく,人間関係もいわゆる「化学」なのです。

 

 3人集まれば文殊の知恵,と言いますが,3人の知恵がそれぞれの能力の合計を超えることは普通にあります。

 

 多感で変化の激しい年齢を生きている皆さんです。

 

 毎日学校に通って,お友達と話して,勉強をして,部活をして,遊んでいるうちにだんだんいろいろと考えるようになるものです。

 

 あなたのお友達も同じ年齢か近い年齢で,将来のことを考えている子もどこかにいるはずです。

 

 学校でもいろいろと人生のプランを考える機会を提供してくれていると思います。

 

 「キャリア研修」とかね。

 

 

 

 

 何もわからなくても,とりあえず勉強はした方がいいですよ。

 

 どんなにつまらないと思っていても。

 

 ・・・まぁやってみたら面白いからさ,やってみようよ。

 

 

 

 

 今はつまらないと思っていても,勉強をすることで将来の選択肢が広がるのです。

 

 例えばの話をいくつかします。

 

 たくさん勉強をして東大に受かれば,一年半くらい進みたい道を考える猶予がもらえます。

 

 かなり勉強することになりますが,「進学振り分け」で自分が進みたい学科を選べます。

 

 何か強力な国家資格を持っていれば,できることが増えます。

 

 例えば医師免許を持ちながら漫画家をすることもできます。

 

 パイオニアは手塚治虫先生ですが,今もそういう方がたくさんいます。

 

 ゲーマーやYouTuberをしている人もいます。

 

 冒険家をしている人もいます。

 

 

 

 

 自分にしかできない仕事を持っていて,それがあるから食いっぱぐれない。

 

 これってなかなか大事なことですよ。

 

 

 

 

 ここまでで言いたかったことは,

 

 「人生の選択肢を増やす勉強をしよう」

 

 「将来何がしたいかわからない人が多いけれど,勉強はしておいた方がいい。勉強をすれば選択肢が増えて,いろいろな方向に進めるようになるから」

 

 そして文中では書いていなかったことですが,勉強ってできないでも恥ずかしがらずにやり続けていればできるようになるのです。

 

 そしてできるようになったらもっとやりたくなるのです。

 

 どんどん癖になっていきます。

 

 学問にはそれだけの面白さがあります。

 

 今は悩んでいるかもしれません。

 

 しんどさに押しつぶされそうになっているのかもしれません。

 

 でも,負けないで。

 

 立ち止まることがあってもいいから。

 

 そのうちに道が開けますから。

 

 

 

 

 あなたの人生のちょっとの間ですが,私はあなたと伴走していきます。

 

 若い人の応援をすることが趣味ですから。

 

 

 

 

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

ONゼミナール代表 長田 俊将

www.on-semi.jp