さて,今回も「進学校とそれ以外の学校」の格差をなくすためのお話をさせていただきたいと思います。
毎回申し上げていますが,これは学力試験で点数がついてしまうためにするお話です。
たかが高校までのお勉強の話です。
できたからといって偉いわけでもないですし,できないからといって卑屈になる必要もない。
それでも「地理的事情」で不利な受験を強いられている人がどうやって都会の優秀な受験生と学力で渡り合うのか。
そこを考えていこうと思います。
今回は周りの人と比べるということではありません。
あれ?相対評価であるはずの入試の話をするのに,どうして人と比べないのか??
実はですね,「競走をはじめから降りているある程度優秀な生徒たち」がいるからなのです。
その子達を軽々追い抜いてしまう方法をお話ししようということです。
皆さんは参考書を使って勉強をしていますか。
教科書を使っていますか。
先生のプリントだけで勉強していませんか。
・・・プリントは先生方の熱意の結晶であり,大切にされるべきですが,教科書をガン無視して勉強するのはあまり感心しません。
定理の証明からきちんとされるような先生の場合は,教科書に準じる扱いをするべきでしょう。
黒板を写す労を軽減してくれる教材があると,生徒の皆さんは先生の講義に集中できます・・・あ!そこの君!!居眠りしちゃダメだよ!!
予備校講師の方の中には学校の教科書のことを否定的に話す人がいます。
それでも,教科書も年々良くなってきており,教科書を悪くいう先生は減ってきているように思います・・・あくまで私の感想です😂。
どれだけネガティブな表現をされようが,教科書は優れた教材の一つであり,大学の教員が入試問題をつくる時に必ず参考にしています。
特に枠外に書いてあるとか,発展事項に書かれているとかでなくても,その単元の根本的なポイントがあれば入試問題のテーマとして狙われます。
極端な例ばかりですが,「三角比の定義」「加法定理の証明」「平均値の定理の証明」「正弦定理や余弦定理の証明」など。
日本の学校で教育を受けていれば,漏れなく教科書は持っているはず。
捨ててさえいなければ。
教科書を読まない生徒が多くて愕然としたことは一回や二回ではありません。
じゃあ五回くらいとか言われそうですが,そんなのは誤解です。
百回から先は覚えていない!というレベルです・・・。
参考書でも良いのですが,あなたが教科書や参考書に書かれている内容の中で,あなたがわかっていることとわかっていないことを仕訳することはできますか。
大抵の教科書では,各ポイントについての例題が載っていて,その例題の解説が書かれています。
それらの例題が解けますか。
もちろん解答を見ずに自力で。
何も覚えていない人は論外です。
大学入試は一夜漬けで通用するような試験ではないのです。
定期テストも範囲が広くなってくると,ちょっとやそっと頑張っただけでは点数は伸びなくなります。
いわんや模擬試験をや。
できないところに「正」の字を「一画ずつ」書いていきましょう。
これは何回も書いていることですが,大事なことなので強調します。
「正」の字がだんだん増えていって,自分は本当に勉強に向いていないのではないだろうかと思うことも出てきます。
それくらい,繰り返し勉強してください。
それでもできないことが残ると思います。
そこから逃げないこと。
できないことをできるようにするのが勉強です。
できることを確認しても,それは自分が安心するための行為です・・・それ自体も大事なことですけれど。
それよりもできないことを集中的に攻略する方が大事です。
都会の進学校の生徒たちの半数以上は教科書をろくに読みません。
予備校の講義を聞いて感動はしますが,それ以上のリアクションはなし。
さらに行動することもなし。
講義を聞いたからといって安心してしまうのです。
それでは伸びないのに・・・。
せっかく素晴らしい講義を聞ける環境にあるのに,しかもその先生に直接質問できる環境にいるのに,大半の生徒たちはその大チャンスを無駄にしています。
そして,身近にある教材に転がっているチャンスにも気づきません。
案外教科書内容が疎かにされていて,そのせいで実力がつかないこともよくあります。
あれ?かなり勉強したはずなのに,この内容がどうしても理解できない・・・。
いつも暗記になってしまう・・・覚え方を間違えてしまうのだよな・・・と思うことがあれば,その範囲の教科書や参考書を見てください。
きっとあなたが知らないことが書かれています。
そして膝を打つことでしょう。
あるいは,それまで知らなかったことが恥ずかしくなるでしょう。
全然恥ずかしいことではないのですけれどね。
恥ずかしいのは,知らないことに気づいていてしかもそれが必要な知識なのにわかろうとしないこと。
知らないという現実から目を逸らしていること。
やったらできると言って,やらないで目を逸らし続けること。
これは自分は苦手だからやらない,と言って逃げ続けることこそが恥ずかしいこと。
どこにいてもそういう受験生が多すぎるように思います。
・・・ちょっと物言いが厳しくなりましたが,わかって欲しいという思いだけで書いています。
他意はありませんので何卒ご寛恕のほど。
逆にいうと,どれだけ自分が勉強を進めてこられたかがわかります。
あぁ,前はわかっていなかったけれど,今はこれができるんだな。
十何回も繰り返し勉強して苦労したけれど,ちゃんと乗り切ったぞ。
ある程度の量をこなしているうちに勉強の質が急に上がる時がきます。
その時にあなたの実力は大幅にアップします。
大抵の入試問題は解けるようになります。
たとえ塾や予備校のない地域であっても,教科書や参考書を使ってそれくらいの勉強はできます。
実は勉強は自分でするものです。
塾を経営しているものがいうことではありませんが,これは本当です。
じゃあ私は何をしているのか。
頑張る若い人を応援して,目標に向かってひた走るその姿を見て目を細めているだけ。
そう言われても全く構いません。
事実ですから。
それが幸せなので。
何もしないで大丈夫なのか??
もちろん,何もしないで何かをなすことはできないので,それなりのことはしています。
縁がある生徒たちに,きっかけをあげることを大事にしています。
あなたがどこに住んでいようが,勉強はできます。
身の回りにあるツールを使ってあらゆる困難を乗り切っていきましょう。
お読みいただきありがとうございました。
ONゼミナール代表 長田 俊将
www.on-semi.jp