予備校の授業が始まっています。

 

 毎日違う教室,違う講師の先生の講義があって。

 

 予備校講師のキャラクターに驚いている人が多いのかも。

 

 ・・・いや,キャラクターでぐいぐい押してくるタイプは減りました。

 

 授業のスタイル,解説の切り口で勝負する講師が増えているように思います。

 

 ・・・ただ・・・。

 

 

 

 

 

 あまり踏み込みすぎると,生徒の何割かが頭の中にでかい「?」マークを結晶化します。

 

 あれ?

 

 なんだか高校で教わったのと違うぞ?

 

 ちょっとまって??

 

 ええええっ??

 

 ここで微積分使うの??

 

 三角関数なんて覚えていない・・・まして対数関数なんて・・・でも当たり前に使っているよこの人何なの???

 

 黒板に「格助」と書いているけれど,「かくすけ」という登場人物がいるのか。

 

 え?ちょっと待って,平安時代の宮廷の物語で登場人物は帝や皇族,公家ばかりなのに??

 

 かくすけさん,あんた誰????

 

 どうして周期表は20で終わりじゃないの?118個あるなんて聞いていないって!

 

 

 

 

 はぁはぁ・・・私が知る例の一部をお話ししてみました。

 

 予備校講師の皆さん,あぁこういうことはよくあるなぁとお思いでしょう。

 

 今の時期はみんな教室でおとなしく授業を受けています。

 

 でもそろそろ疲れが見えてくる頃かも。

 

 それでも教室にはやって来てくれます。

 

 講師の発言までメモを取る生徒。

 

 板書したことだけを書いている生徒。

 

 板書したことを全くメモしない生徒。

 

 どこか遠いところを見つけている,だけど教室に座っている生徒。

 

 色々いますが,彼ら全員の役に立とうと,予備校講師たちは全力を尽くして開講間もないこの時期の講義に臨むのです。

 

 講師室にくる生徒はエキセントリックな質問ばかりしてきます。

 

 どうしてかわかりませんが,高校時代にきちんと勉強をしていなかったのでしょう。

 

 体系だった習い方をしていなくて,場当たり的に暗記をして凌いでいたり。

 

 三角比の定義を知らないなんて当たり前。

 

 ネイピア数の定義などもっと知らないし。

 

 オイラーの公式?数学にぼくの公式なんてあるんだ・・・。

 

 じゃあこの公式どいつんだ??

 

 オラんだ。

 

 失礼しました!

 

 この人の座布団全部持っていって!!!

 

 ・・・最近笑点視ていないなぁ。

 

 毎週どこかに出かけているので。

 

 

 

 

 

 ちなみに,私も生徒のことを笑えません。

 

 何せ四半世紀以上前の自分の姿・・・いやそれよりもっと優秀な若い人たち。

 

 ただ気掛かりなのは,一部の生徒が自発的に勉強しないこと。

 

 誰かに何かを言われないと何もしない。

 

 自主自律の精神がどうのこうのという以前の問題で。

 

 まぁでも,学校であれをしなさい,これをしなさいと言われ続けてきて,いまさら自分でやることを考えろと言われても困るよね。

 

 しかし,教室の半分くらいはキラキラした目で授業を聞いてくれる子たち。

 

 そのエネルギーが教室に少しでも広がりますように,と願いながら講義をします。

 

 あぁ懐かしい。

 

 彼らがいるからまだまだ日本は捨てたもんではない,と心から思えますよ。

 

 

 

 

 

 最後に脱線。

 

 でも,怖いのは全く疑問を顔に出さない,質問にも来ない生徒。

 

 秋の終わり頃になって,クラス担任の方に連れられて講師室にやってくることがあります。

 

 大抵進学校の出身者で,学校の課題はこなしてきた・・・ただし,丸写しに近い。

 

 授業はずっと受けていた・・・が,ノートをほとんど取っていないし,予復習をしていない。

 

 模擬試験の成績が高校生だった頃より下がっている・・・。

 

 こういうケースは毎年必ず出て来ます。

 

 

 

 

 

 今年捲土重来を期して予備校生活を決めた方が,来春に勝利の栄冠を手にできることを心から願っています。

 

 今日もお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

ONゼミナール代表 長田 俊将

www.on-semi.jp