頭の中で思っている通りに動ける人はかなり少ないと思います。
どうしても欲望や周りの誘惑に惑わされてしまい,思い通りに動けないことが多いものです。
人間はそこまで強いものではありません。
そういったものと戦おうとしても,良いように丸め込まれてしまい,相手をとっちめることなどできません。
「なぁなぁ」にして,こちらがコテンパンにされることもないのですが。
だってやっつけてしまったら,「お客様」がいなくなってしまうわけで。
ウイルスや細菌の「処世術」に近いものがあるように思います。
周りからの誘惑って。
だから,何ともならない人はそれらからの暴露を避けなければいけません。
言い換えると,スマホなり,ゲームなりから一定期間離れてしまう。
使う時間を決めて,それ以外は触らない。
その間に何かハマれるものを探す・・・。
これって簡単なことではないのですよね。
結局元の鞘に収まってしまうケースが多く,根本的な改善策にならないような気がします。
いっそ上手に使う方法を考えた方が得なのかもしれません。
これだけ情報機器が生活に浸透してしまっている状況では,完全に使うなというのは無理な相談。
生活に便利じゃないですか。
天気予報が見られたり,鉄道の運行状況が見られたり,株価が見られたり,ニュースが見られたり。
新聞だって雑誌だってタブレットの上なら快適に見られます。
何なら切符やホテル,タクシーの手配もできます。
これなしでどう生きるというのか。
そんなことをしている大人が子どもたちに「スマホやタブレットは一日一時間までな」と言っても,全く説得力を感じません。
情報端末を使うな,使うと脳が破壊されると言われても,あんたらも使っているじゃん。
しかも「青天井」で。
そう言い返すと大人はこう言います。
「あなたのことが心配なのだ」
でも,おいて脳の機能が先に衰えるのはおそらく言っている大人本人だという・・・。
私たちの頃で言いますと,ファミリーコンピューター。
ドラゴンクエストが誕生した時期に小学生でした。
やらないはずがないのです。
そりゃもう,ハマりました。
ドラクエⅢまではクリアしました。
確か中学一年生くらいだったかなぁ。
あれ?中学受験は??
終わった後ですよ!!ドラクエⅢをやったのは。
うちは親から何かを制限されることはありませんでした。
勉強が嫌ならしなければ良い。
大学にも行かなくても良い。
大学に行くなんて思っていなかった節もあります。
中学一年生ごろまでかなぁ。
それがどうして勉強するようになったのか??
私の場合であり,サンプル数「1」です。
あくまで個人レポートの域を出ませんが,私の場合のお話をしようと思います。
・私の場合,中学受験では本腰を入れて勉強できませんでした。
中学受験のための塾に通っていましたが,先生だって私一人に構っていることはできません。
他の子達もいるわけで。
中学受験算数は他の子も苦労しますが,それ以前に周りには公立小学校から中学校に進もうとしている子が多く,小学校の算数自体で苦労している子が多かったのです。
そんな中で中学受験をしようとしている私一人に先生がつきっきりになれるはずがありません。
しかも始めたのが小学校六年生の12月。
「何考えてるの??」
今なら私だってこんなことしませんし,我が子にもさせません。
やるなら小学校のもっと低学年からじっくりやらないと。
この頃の私の勉強スタイルは,パソコンの出す問題に答えて,解説を聞くスタイルでした。
はっきり言いますと,全然わからん・・・。
それでも,私の頭が悪いからわからないのだと思っていて,何とか頭を治さなければと思っていました。
それでも治らぬ,私の頭。
いや,「この時よりさらに」壊れなかっただけ良かったのかも。
・勉強しなくてもある程度の順位を取っていました。
中学校時代,クラスの上位一割くらいの成績を取るのは簡単でした。
ゆとり教育が始まってしばらく経っている頃で,勉強する内容がかなり削減されていました。
英語の勉強は毎日していて,本文を暗誦できる程度にはしていましたが,理科はどうしてもダメで💦。
どうしてこんなのが理科を教えているのか,興味があるでしょう?
もう少しお待ちください。
まぁ,たまーに勉強をするとそれでかなりのことが頭に入ってきていました。
どうしてこうなるのかなぁ・・・と考えてみられると良いかも。
・塾に通うようになったのは中学三年生の頃でした。
このくらいの頃からまとまった時間の授業を受けるようになり,そのたびにある程度の量の問題演習を「やらされる」ようになりました。
しかもある一定以上のペースでやらないと置いていかれますし,能力別クラスで一番上のクラスにいたので下のクラスに移される可能性があります。
最初は塾に入るのにちょっとだけ頑張りましたが,それ以降はそんなに頑張ったような記憶はありません。
・高校に入ってからは理系教科では「深海魚」でした。
授業がわからなくなり,問題演習ができなくなりました。
問題を解こうとしても,教科書の例題と演習問題の難易度の差があまりに大きく,手も足も出ませんでした。
考えても何もできないので,次第に考えるのを諦めてしまいました。
英語と国語,地理はある程度勉強していましたが・・・。
・高校卒業後,青い看板の予備学校で強制的に夏期講習の復習をやり込みました。
このままではいけない,と分厚いテキストを数冊復習をしました。
夏期講習のテキストの例題を完全に解けるようになるまで覚え,練習問題にもチャレンジしました。
これを数学と物理,化学でやりました。
これが功を奏したようです。
このとき,授業を聞く ▶︎ 興味を持つ ▶︎ もっと知りたい
の流れを作り,ひたすらにわかるまで勉強していました。
仕組みがわかれば楽しいものです。
ゲームをするのも楽しいけれど,勉強も悪くないなぁと思い始めました。
これが大学に入ってからも役に立ちました。
訳わからない数式の羅列の意味を解読するのにどれだけ役に立ったかわかりません。
一晩中悩み続けてわからんわからん・・・と唸っていても,寮に帰る頃,夜が白んでくる頃に何かが頭に閃いたり,考えていたもののことが急にわかったりする経験を何度もしました。
不思議な現象に思えますが,これは勉強を耐えてやっていた人間なら誰でも経験することだと今は思います。
さて,ここから肝心な話をしようと思います。
親御様がどれだけ勉強しなさいと言われても,お子さんはなかなか動かないでしょう。
大人が遊んでいる横で子どもは勉強していなさい,などというのはあまりにも理不尽です。
理不尽と子どもは考えてしまうのです。
大人はどういう意図で子どもに接していようと,子どもが理不尽だと思ったらそれまでなのです。
やらされている,という感覚を持つようなやり方は避けたいものです。
子どもの好奇心や意欲を舐めてはいらっしゃいませんか。
想像力を甘くみていらっしゃいませんか。
面白いと思ったら子どもはどこまでも考えるものです。
入り口からわけがわからないと思ったらもうダメですが,そこのところをきちんと教えてあげれば子どもはどんどん勉強します。
問題を与えられれば,どれだけでも考えていられます。
入口の知識さえきちんとあれば。
それを使えば解ける,という知識を揃えてさえいれば。
最初の知識をきちんと入れておき,問題をやってもらいましょう。
一からわからない問題を上げてしまったら子どもは萎縮しますから,解ける問題が多い状態から始めるのが良いと思います。
生徒の皆さんへ。
学校の授業もバカになりません。
学校の授業でやる問題はその場で解けるようになりたいものです・・・高校レベルになると難しいですが。
ノートは頑張って取れるようにしましょう。
わからないなりになるべく知識を入れようとしてみてください。
それでもわからなければ,先生に質問しましょう。
塾の先生に聞いてみましょう。
聞くは一時の恥・・・恥なんかではないと思いますが。
意地でも根本的なことを理解しましょう。
その状態でまず問題を解き始めるのです。
基本的な公式を覚えた状態で。
基本用語を覚えている状態で。
なんなら最初は教科書や参考書,ノートを横に置いた状態で始めても構いません。
いずれは見ないで解けるようになってほしいのですが,こと難しい内容になるとそれは厳しすぎます。
無理のないレベルから始めましょう。
だんだんレベルを上げていきましょう。
知識を増やしていき,知っていることに応じたレベルの問題にチャレンジすれば良いのです。
誰にでも好奇心はあります。
問題は好奇心を刺激します。
何のことやら一からわからない問題は別として。
とにかくできるところから始めましょう。
そしてやれるだけやってしまいましょう。
一度くらい徹夜をしても良いと思います。
それくらいやり続けられることがあると思います。
ただし,あなたが知っていることならば,です。
マイペースで問題に没入できるようになれば,スマホやらタブレットやらゲームやらに使う時間は一気に減るでしょう。
親御様が「もう勉強なんかやめて寝なさい」と言うくらいになるかも知れません。
それでもやっている本人は苦ではないはずです。
むしろ楽しくて仕方がないのです。
何で周りは「大変だねぇ。よく頑張れるねぇ」と言うのだろうと思うでしょう。
できるところから始める。
どんどんレベルを上げていく。
スピードはその間についてきます。
没入する相手ができます。
ひたすらハマっていけば良いと思います。
受験勉強という狭い範囲ではありますが,意外と色々なことが見えてくる・・・かも知れません。
もはや「頑張れ」という言葉はそぐわない状態になっているでしょう。
マイペースで進めようね。
この言葉で十分です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ONゼミナール代表 長田 俊将
www.on-semi.jp