共通テストが始まりました。

 

 天候が厳しい中,受験生の皆さんが安全に受験会場から帰られることを願っています。

 

 試験の結果は後で出ることで,いまはとにかく元気に試験を受けて,無事に帰れるならばそれで勝利です。

 

 自己採点・・・は,私自身は自分を奮い立たせるためにあえてしました。

 

 たまたま英語の点数が良かったので,最悪だった数学Ⅱの深傷を精神的に癒したかったkら。

 

 でも,いい結果にしろ悪い結果にしろ,やってしまったことです。

 

 いまはベストなコンディションで試験を受けてくることを考えてください。

 

 この時間帯では遅いかもですが,自己採点はあまりお勧めしません・・・。

 

 

 

 

 どんな出来かにせよ,とにかくベストな状況で明日の試験や,私大の入試に臨んでいただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 さて,今日お話ししたいと思っているのは,

 

 「生徒や子どもを叱ること」について。

 

 

 

 

 私たちが子どもの頃の話をかいつまんでお話しします。

 

・幼稚園児の頃から体罰が当たり前。マーチングの練習の時にスネアドラムのスティックで頭を叩かれることは普通。

 

・両親からも手足を縛られて押し入れに突っ込まれたことも多数。

 

・小学校では先生の手によって「私は忘れ物の天才です」と書いた張り紙をつけられて一日を過ごした児童がいた。

 

・国民的アニメでお馴染みだった先生のセリフ,「廊下で立っとれ」はまだ甘い罰。廊下で正座して食事をしたり,授業を聞いていたことも割と普通。

 

・支援学級の児童が教員に蹴っ飛ばされている光景は当たり前。

 

・横着している子には柔道有段者の先生が「一本背負い」。畳の上だったのでまだよかった・・・。

 

・廊下で何か考え事をして下を向いて歩いていた先生に,生徒がぶつかった・・・。このとき先生は謝るどころか,「なんだお前!」と言って生徒を張り倒した。

 

・平手打ち,グー,つねるなどの体罰は中学時代までしっかりあり。

 

 

 

 

 何か「おイタ」をすると先生や大人に言葉や体でわからされていた子ども時代でした。

 

 で,そのことを親に話そうものなら,

 

 「お前何やっとんじゃ」と家でも血の雨が降る始末。

 

 そして親は先生にお詫びの電話をするまでがテンプレ。

 

 「うちのバカがご迷惑をかけまして・・・」

 

 時には学校まで引っ立てられて,頭を丸められた挙句,先生と両親からあんなことこんなことをされるということも。

 

 そりゃグレる子も出てきますよ。

 

 理不尽だなぁと思うこともたくさんありました。

 

 

 

 

 でも,その中でやっていいことといけないことの境目を知っていくのです。

 

 怒られないで頭の中だけで何かをわかっているだけ,というのは危険だと思います。

 

 しかしコンプライアンスという言葉が出てきたり,体罰はダメという時代になり,言葉で叱るのにも神経を使うようになった時代。

 

 ちょっと叱り方を間違えると,親御さんが学校に怒鳴り込んでくるようになってしまいました。

 

 もちろん,その時に怒鳴られるのは子どもではなく「叱った先生」です。

 

 教育委員会や校長に話をする人も出てきます。

 

 議員さんや役所の偉い人の力を借りるなんてことも。

 

 そうなると現場の先生たちは萎縮してしまうのです。

 

 こんなのだったら生徒は叱らないでおこう。

 

 多少目の前で何かしていても,こっちが我慢していれば何も起こらないのだ・・・。

 

 そうなると,大人と子どもの関係がちょっと歪になるような・・・気がします。

 

 

 

 

 勘違いしないでくださいね。

 

 私は体罰をこれでもかというほど受けてきた年代の者で,

 

・廊下で給食を食べさせられた

 

・両親から殴る,蹴るのお叱りを受けたことは数多

 

・先生に服の襟のところを掴まれて,体を持ち上げられたこともある

 

・剣道をしていれば竹刀で叩かれることは当たり前。

 

・野球をしている時に粗相をすると,「ケツバット」。バットでお尻を叩かれました。

 

 

 

 

 理不尽な目にたくさんあってきました。

 

 体罰はしてはいけないと思っている立場です。

 

 少なくとも自分の気持ちをコントロールしているつもりです。

 

 それができなくなったらもうおしまいかな。

 

 

 

 

 その上で,生徒を叱ることについて。

 

 

 

 

 

 25年ほど前に,当時勤めていた塾で私は生徒に吊し上げにあったことがあります。

 

 クラスの女子生徒から「先生を変えてください」の大合唱。

 

 どうしてクビにならなかったのかは謎😂。

 

 思い上がった発言をすると,成績を一番上げていた講師だから・・・かもしれません。

 

 誰が生徒の成績をどれくらい上げていて,時給がいくらかという情報が講師全員に全て公開されているという,かなり特殊な職場にいました。

 

 私にとってはいい仕事場でした。

 

 ですが,塾には大変迷惑をかけていて,上の方からは毎週のように叱られていました。

 

 「塾なんていくらでも代わりがあるのですよ!これで生徒が辞めたらどうやって責任を取るの?」

 

 「生徒を叱るのは絶対にダメです」

 

 「ましてや体罰はもっとダメです」

 

 生徒と真面目に喧嘩していました・・・私。

 

 生徒に過重な負担をかけて,自分もそれなりに背負い込んで。

 

 いざ成果が上がらなかったら,すぐに非難の集中砲火ですよ。

 

 

 

 

 確かこの時は受け持つクラスが変わりました。

 

 

 

 

 もう一度大変なことをしでかしています。

 

 上に書いたことから数年後の,また別の塾でのこと。

 

 ちょっと講師を舐めている「やんちゃ」な生徒数人が,経営者に向かって

 

 「この先生を代えてください!」

 

 「こんな先生のところで勉強するのは嫌です」

 

 「なんなら先生をクビにしてください」

 

 この経営者は私をクビにする代わりに,この生徒たち全員を退塾させてしまいました・・・。

 

 この一件で私は凹みました。

 

 経営者の方は,「くだらんことで凹んでいないで。そんなことをしている暇はないでしょう」

 

 と言ってくださいました。

 

 この時は医学部の再受験のために勉強していた頃でした。

 

 塾の掛け持ちをしながら受験勉強をしていた頃。

 

 その事情をわかっていて,我慢して私を使ってくださったのです。

 

 このかたの心の内は私には見えません。

 

 ですが,本当に申し訳ないことをしたと思っています。

 

 今は私も経営者ですから。

 

 

 

 

 どうしてこんなことになってしまったのか。しかも二回も。

 

 いや,ここで書いたこと以外にたくさんの「コト」をしでかしております。

 

 生徒からは嫌われることが結構多かったな。

 

 とにかく生徒の成績を上げることが第一。

 

 席に座ってきちんと勉強してほしい。

 

 その気持ちで仕事をしていました。

 

 それは今も同じ。

 

 とにかく成績を上げて,なるべく「いい大学」に行ってもらって,人生の選択肢を広げてもらいたい。

 

 そういう塾にすれば,どんどん勉強したい子が来てくれる。

 

 それが勘違いだと知るのは経営を引き継いで随分経ってからです。

 

 

 

 

 

 アルバイト講師としても・・・。

 

 生徒の成績を上げれば時給は上がる・・・あるいはボーナスがもらえる。

 

 下世話な動機はありましたが,そんなことよりも,後から生徒が幸せになってくれればと思って仕事をしていました。

 

 綺麗事を言っているけれど,本当かな?

 

 

 

 

 

 大学生のアルバイト講師だった頃の私。

 

 私は当時真面目の権化でした。

 

 マニュアルから決して逸脱しない。

 

 ・・・の割には「体罰」とされることを結構していました🙇‍♂️。

 

 マニュアルの枠の中で,できる最大限のことをしていました。

 

 時には物が飛ぶ教室,私は生徒をとにかく叱り,時には怒鳴り,ときには・・・。

 

 私も生徒に劣らずまだまだ子どもだったのです。

 

 そして,上の人から叱られるのが本当に嫌で,成果が上がらないからと首を切られるのが嫌で,それで一生懸命仕事をしていました。

 

 褒められて,ありがとうと言われて,それでいい気分になっていたのです。

 

 子どもからしたら,こんな講師どうかなぁ。

 

 子どもの前では鬼の顔,上の人がいる時はころっと態度が変わる。

 

 声のトーンが変わったり。

 

 態度が変わるのも当たり前。

 

 考える間もなく,これはアカン講師の一例です。

 

 生徒に嫌われるのは当たり前でしょう。

 

 

 

 

 中には生徒と仲良くして,さほど成績は上がらないけれど,和気藹々やっていたクラスもありました。

 

 上からは相当睨まれていましたし,講師同士の飲み会(そんな行事が当たり前のようにあった!)の席ではそういう先生のことが酒の肴になることもありました。

 

 あの先生,生徒にめちゃくちゃ甘いよねぇ・・・って。

 

 あんなのじゃダメだよって。

 

 

 

 

 そう言いながらみんな現実と戦っていました。

 

 怒鳴りたい時に怒鳴らないで,生徒をうまくやる気にさせたり。

 

 硬軟織り交ぜて生徒とうまく付き合ったり。

 

 時には生徒たちに差し入れをする先生もいました。

 

 先生同士の繋がりが強く,仲が悪い先生同士もいましたが,うまく回っていたなと思っています。

 

 上の方がしっかりしていたからです。

 

 

 

 

 生徒を叱る。

 

 その目的はなんでしょう。

 

 勉強をしない生徒を叱る。

 

 ものを壊した生徒を叱る。

 

 インフルになっているのに塾に来たから叱る。

 

 宿題をしていないから叱る(学校の宿題です。うちでは塾から宿題を出すことは原則ないです)。

 

 補習をすっぽかしたから叱る。

 

 

 

 

 生徒の親御様の姿を思い浮かべて叱っていたことを告白しておきます。

 

 私はその程度人間です。

 

 

 

 

 生徒のことは全く考えていなかったのか。

 

 ここからは弁解になります・・・。

 

 塾は,生徒が「来てよかった」と言ってくれてなんぼだと思っています。

 

 成績を上げて「いい大学」に入るのは「必要条件」。

 

 やって当たり前なのです。

 

 生徒がきっちりと試験本番で良い結果を出せるように,講師は最大限努力する。

 

 そうすれば当然生徒たちは成果を上げて帰ってきてくれます。

 

 上がり幅には個人差はありますが,みんなそれ相応の結果を出してくれます。

 

 それでよしと思ってしまっています。

 

 

 

 

 授業中にスマホゲームをしている生徒を叱りつけることもありました。

 

 授業をしていたのは,私は授業を委託していた他の先生。

 

 あとからお叱りを受けました。

 

 「長田先生が怖いから塾を辞めたいと言っている。生徒が辞めたらどうしてくれるのですか」

 

 「私の授業なので,先生は口を出さないでください」

 

 

 

 

 同じようなことが別の時にもありました。

 

 授業のノルマを終えた子は教室に残って自習をしてもらうのはかまいません。

 

 何か食事をするのも,時間帯によっては可としています。

 

 本を読むことくらいはまぁ良いでしょう。

 

 そこでまた前後の生徒同士でゲームをしていた,YouTubeの動画を見ていたというのを見てしまうと・・・。

 

 先生も叱れないのです。

 

 生徒が辞めちゃうから,と。

 

 それでも注意をすると,生徒は私の授業の日に決まって「腹痛を起こして」休んでしまう。

 

 

 

 

 成績を上げれば良いというわけではない。

 

 もちろん成績を上げるのは必要なことだけれど,それだけで塾はやっていけない。

 

 叱る一辺倒ではいけない。

 

 そんな簡単なことに気がついたのは,ごく最近のことでした。

 

 仲がいいなら一緒に授業を受けて貰えばいい。

 

 多少遊んでいるのは多めに見る。

 

 うるさいのが嫌な子は,別の静かな日に授業を設定する。

 

 

 

 

 津駅のそばにあった飲食店さんに,真面目な店長さんがいました。

 

 その店長さんは粗相ばかりの学生を叱っていました。

 

 もちろん店長さんはその子のことを思って叱っていたのでしょう。

 

 その子は態度が悪いので,店長さんが心配に思うのもわかります。

 

 ・・・おや?見てきたようなことを言って・・・。

 

 実はこのアルバイト,うちの塾の卒塾生です😂。

 

 何をしているんだか。

 

 

 

 

 責任感を持って仕事をするのではなく,単にお金を稼ぐために仕事をする。

 

 これまで勉強で褒められてばっかりだった子達です。

 

 親や学校の先生以外から叱られたことなどほとんどないでしょう。

 

 親御さんでさえ体罰が使えないご時世です。

 

 アルバイトを叱るなんてとんでもない,という時代がきたことに驚きを感じます。

 

 叱ったら,それで心に傷がついたと言って,アルバイトを辞めてしまうのです。

 

 辞められたら,人手不足の今日,どうやって飲食店を運営していったらいいのやら。

 

 

 

 

 子どもたちを叱るのは大変です。

 

 できるなら叱りたくないです。

 

 面倒臭いというのもありますけれど。

 

 辞められたら売り上げが下がるというのはもっとありますけれど😂。

 

 

 

 

 でも,子どもの幸せを願ってできることを考えていきませんか。

 

 

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 ふぃ・・・日付が変わる前に更新できた・・・。

 

 

 

 

ONゼミナール代表 長田 俊将

www.on-semi.jp