さて,とある中学校・・・とは言っても学校名がモロバレなのですが・・・。
私はこの教育方針も正解の一つだと思っています。
親御様それぞれご意見はあると思いますが,私は個人的にはこれでいいのかなと。
だからと言って,その方針に意を唱える方を受け入れないということはありません。
そのお子さんに相応しいやり方を考えていこうと思います。
そもそも「あの学校」以外の生徒もいますから。
さて,難しい試験との戦い方です。
まずは「敵を知る」ことから始めましょう。
問題を分析するのみです。
例えば,一年生二学期期末テストの「理科②」の試験範囲は,「地震」です。
かなりマニアックなことを聞いてきます。
ですが,今年と昨年の二回を見比べると,同じことを聞いているのがわかります。
昨年の方がさらに深いところまで聞いていたので,厳しい問題でしたが。
昨年の問題を解いていれば今年の一年生は苦労しなかったかも。
過去問って意外と大事なのです。
・・・にしても,今の二年生は過去にないほどの厳しい教育内容だと思いますが。
あの内容についていける学力になった方は,名大以上に入れる基礎力がついていると思います。
もちろんあの上で入試問題を解く経験を積んでいかなければいけませんが。
英語の授業は五年生,つまり高校二年生の秋頃には英検の準一級を取ることができます。
強いて言えば,あといくつか単語帳を覚えた方がいいかもしれません。
英語って結局は語彙力がものを言います。
どれだけ単語を知っているか,使えるようにしているかが大きいです。
数学は教科書や青チャートレベルの問題があらかた解けるようになります。
あとは章末や巻末にある入試問題をやるだけかな。
あとはひたすら「一対一の対応の演習」や,「新数学スタンダード演習」などをやるといいでしょう。
上にあげた問題集二つは,案外どの塾のテキストの復習にも使えます。
これらが簡単すぎるという方は「やさしい理系数学」「ハイレベル理系数学」「新数学演習」「考え抜く数学」などをやるのがいいかなと思います。
「やさしい理系数学」は,私が高校時代に河合塾で教えていただいたことがある先生が書かれた本です。
当時でかなりの大ベテランの先生でした。
質問に伺うと,いつも石鹸の匂いがしていたことを覚えています。
本屋さんの書棚にある「やさしい」の名につられて問題集を開いてみると・・・秒で本棚に戻しているあなたの姿が目に浮かびます。
そう,全然やさしくなんかありません・・・,むしろかなりハイレベルな問題集です。
構成は問題とその解答・・・これが圧巻でして,別解が雨あられと出てきます。
「新数学演習」と「考え抜く数学」は,数学の月刊誌「大学への数学」の別冊です。
「新数学演習」は有名な問題を集めた本で,難しめの問題もかなり入っています。
「考え抜く数学」は,受験生にはオーバーワークかもしれません。
早い時期に高校の範囲を勉強し終えた人か,大人の学び直しにいいかもしれません。
さらにハードな「考え抜く数学理系編」「もっと考え抜く数学」もあります。
ヒイヒイ言いながら問題を解くのが快感な方はそちらもどうぞ。
やって損はないと思います。
あとは駿台文庫で出ている「ハイレベル数学の完全攻略」という問題集というか参考書。
一つの問題の解説中に何問もの補足問題がつけられています。
駿台の数学の講義そのものと言っていい内容です。
季節講習で大人気の「数学特講」の内容を参考書にした感じです。
いつまでも簡単な問題ばかりやっていても,絶対に点数は上がらないのです。
弱いモンスターばかりを倒していてもなかなかラスボスを倒せないのと同じです。
逆に,レベル1でラストダンジョン近くに放り込まれて,強いモンスターに揉まれた方が早くクリアできるものです。
できない生徒はいつまでも青チャートの各単元の最初の数問かしかしません。
その数問を解くのに何時間もかけてしまいます。
ひどいのになると,そこで立ち止まってしまい,一日中同じページを見ているハメになることも。
こんなことをしているからいつまで経っても課題が終わらないのだよ!!!
確かに基礎は大事です。
教科書に勝つものはないです。
しかし,いつまでも足踏みをしていたってできるようにならないのだからしょうがないです。
実際に教科書で得た知識を使って,どうやって戦うのか,実際に難しい問題にも当たって対策を考えなければいけません。
ある程度長い時間が必要です。
数時間を捧げる覚悟でやってもいいでしょう。
図を書いてみたり,文章の意味を読み解いてみたり,具体例を考えてみたり。
公式を導いてみるのもいいですね。
そういうことをしながら,表面をなぞるような勉強だけではなくて,もっと深いところに潜り込むことが必要です。
あるいは高い丘のてっぺんまで重い荷物を担いで登っていくことも必要です。
途中で休憩してもいいから,その日のうちにある程度高いところまで登ることです。
そうすると,それまで全然見えなかった勉強している内容の全容が見えてくるものなのです。
なるべくキリがいいところまで進みましょうね。
かなり負担がでかいと思いますが,その分効果が出ますから。
辛いということは,そのレベルのことをしないと上にいけないということです。
「うちはそんなにいい大学に行けなくても・・・」とおっしゃるお母様。
このステップから逃げていると,「そんなにいい大学でなくても」入れなくなります。
いわゆる「Fランク大学」の推薦入試でしか大学に入れなくなる・・・かもしれません。
実際にそういう危険を孕んでいるお子さんはいます。
しかもかなりの人数・・・。
そういう生徒は浪人しても学力はほとんどつきません。
長い時間勉強をする根性がつきますが,それだけです。
根性がついただけ,大学に入ってから伸びる可能性が出てくるので,その点はいいと思いますけれどね。
私はそのクチだったような気がします。
ちなみに浪人中の夏休みの講習で,化学の計算問題を解く授業に二週間ほど捧げました。
愚直にモル濃度の計算をしたり,酸化還元滴定の反応式を書く練習をしたり,気体の状態方程式を使う練習をしたり。
講習の授業で先生が示してくれた方法論を,復習のときにひたすら使ってみること。
それこそできるまでずっと繰り返しです。
できるまで帰れません,ご飯にも行けません,お手洗いは・・・生理現象なので行きましょう。
実際に試験で出てきそうな問題にぶつかってみて,何が問われているのかを知ることが大事です。
地震の問題なら,地球の構造を知っておくこと。
プレートテクトニクス,プルームテクトニクス,大陸移動説,リソスフェア,モホロビチッチ不連続面,アセノスフェア,メソスフェア,地殻,上部マントル,下部マントル,外核,内核,ユーラシアプレート,北米プレート,太平洋プレート,フィリピン海プレート,ホットスポット,海溝と海嶺,トランスフォーム断層,プレート型地震,プレート内地震,正断層,逆断層,横ずれ断層,あぁもうたくさんだというくらいの用語が出てきていました。
あの・・・,これって本来は中学校で学ぶ内容ではありません。
私は高校一年生の時の地学の授業で習いました。
私の母校では地学の先生(東大卒)がお一人いらっしゃいまして,その方のご指導を一年間受けていました。
これは高校生としてはなかなかレアな体験だと思います。
そんな内容を中学二年生のうちに勉強できるのだと,プラスに捉えてみてはいかがでしょうか。
そんな無茶を言わんといてって??
そりゃそうですね。
でもね,実際にその学年のカリキュラムでやることになっているわけでしょ。
絶対に試験でやるハメになりますから,勉強した方がいいに決まっています。
その時にどうやって勉強をするのか,それをお話しするための今日の投稿なのです。
大丈夫,きっと高い視点に立てるようになります。
そうなれば,以前はあれほど難しく思えた内容が,まるで簡単なレベルに変貌することもあります。
そうなるためにあえて高いレベルのことを勉強するのですよ。
勉強している時は重い荷物をいくつも背負って坂を登っているのですから,そりゃきついに決まっています。
でもそうしないと,人間の能力は伸びません。
進歩がありません。
本当はもっと伸びる要素があるのに,それを体感することなく教育課程を終えることになります。
本当にもったいないと思います。
実際に試験で出てくることを知りましょう。
それが教科書のどこのあたりに載っているかを知りましょう。
教科書のどのあたりの内容を説明したものなのか,メモしたノートに書いておくこと。
教科書に載っていないことを黒板に書いて,それを平然と試験に出すから生徒はえらい目にあります。
教科書に載っていないものが急に出てきた場合は,いくつか対応策があります。
・図書館に行って,司書の方に「こんなことを調べたいのですが」と言って,適切な本を探して頂く。そしてその本を読んで大事なことが何かを把握する。
・もちろんそれがいつもできるのであれば苦労はありません。てんで内容がわからないこともありますから,口頭説明で済ませてしまった先生のところにその本を持って質問に行きましょう。何がポイントなのかを聞いてきましょう。
・その上で具体的な問題を解きましょう。どこに類題があるのかは,先生に聞けば教えてもらえると思います。高校生向けの問題集であることが多いのですが,そこは開き直って勉強しましょう。
流石に中学生ですから,それほど深く突っ込んでくることはありません。
とはいえ,十分深い内容が聞かれていましたけれどね。
不謹慎なお話になるかもしれませんが,今の二年生は地震のところの復習がきちんとできていれば,令和六年能登半島地震の仕組みが自力で説明できます。
学校の先生方は生徒の学力を上げようと必死に頑張っておられます。
なるべく落ちこぼれを出さないようにしていると思います。
それでもついていけない子はいるのですが,それはそれで別にフォローを考えている・・・と思いたいですね。
まぁ塾でなら十分援助はできると思います。
それでもめげてしまう子は残念ながら公立中学校に転校します。
勉強内容との相性もありますから仕方がありません。
高校に入ってからもう一度難しい内容と出会うわけですから,その時は逃げないようにね。
そこで逃げたら大学入試で大きなハンデを背負うことになるかもしれませんから。
そして,新しいことを学びとる力は「生きる力」につながります。
とことん考え抜いて,オリジナリティを追求できるレベルまで持っていければ,それで「お金が取れるレベル」になるかもしれません。
そうやって「お金が取れるレベル」のことをいくつか持っていないと,これからの世界では生きていけないと思っています。
別に学校の勉強でなくてもいいのですよ。
例えば大工仕事,左官仕事,土木工事,重機の操作,トレーラーの運転(けん引免許が必要)など。
腕一本で食っていける人はたくさんいます。
あと私の頭の中で思い浮かぶ範囲で何ですが,料理人もいいですね。
美味しいものって,どんなに死にそうな顔をしている人も笑顔に変える力を持っています。
そういう料理人のところにはお客さんが次から次へと行きますよ。
少々高いお金をとっても,その人の料理を食べたい人がいるので,その人のお店は流行ります。
お店を大きくしよう,多店舗展開をしようと思うとまた難しいことが出てきますが・・・。
あえて難しいものにぶつかっていくことが,内容をモノにするための最短距離だと思います。
とにかくどんどん先に進めてしまいましょう。
どうしてもわからないことがあれば,そこで止まるのではなくて,大人に聞きましょう。
よくできるお友達に聞いてもいいでしょう。
そうしてどうすればいいのか,一緒に作戦を練りましょう。
こういう質問は教える者にとってもいい質問なのです。
勉強している者にとっても,さらにきちんと勉強するために,勉強した内容の精度を上げるために必要なことなのです。
学んだことをきちんとノートなどに残しましょう。
参考になる本を見つけておいて,その本の関係する部分をコピーするか,あるいは本ごと買ってしまいましょう。
私は案外丸ごと買ってしまう方です・・・本代がかかって仕方がないです💦。
あと,お友達と一緒に乗り越えましょう。
足を引っ張り合う関係のお友達もいますが,そういうことは一旦距離をとります。
勉強できる子と一緒に自習しましょう。
家で勉強できないならば,塾で勉強することです。
学校の宿題を家でできないのなら,塾でやればいいのです。
先生が目の前にいれば,まさかふざけた行動は取れないでしょう。
とくにONゼミナールで舐めたことをした日には・・・わかっていますね・・・🤩。
・・・おー怖い。
自分だけで抱え込まないこと。
助けを借りることも大事です。
何でも自分一人でできると思ったら実は大間違いで,時には誰かの助けを借りないといけません。
難しい問題の解き方を聞く時だって,先生の話を聞くという形で大人の援助を受けているわけですからね。
伊達に長く生きているわけではありませんので・・・。
困った時に助けを借りることができるのも「能力」のうちですよ。
周りの人をうまく巻き込むことができる人は,将来大きなことをしでかすこともできます。
まぁぼちぼちやっていきましょ。
お読みいただきありがとうございました。
ONゼミナール代表 長田 俊将
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