おはようございます。今日も塾に行きます。日曜日ですが,家に閉じ籠るのも何だかなと思いまして・・・。仕事もありますので津に行きます。

 

 さて,今回のお話は

 

 生徒が日本語を使えなくなっている。

 

 という問題について。

 

 高田の生徒はまだいいとして,他の学校の生徒たちが心配です。理由を以下に示します。

 

・穴埋め形式の教材に慣れ切っていること。

 

・試験も穴埋め形式だったり結果があっていれば正解となる内容であること。

 

・授業でやったことをそっくり丸写しすれば回答できるような問題の増加。

 

・ノートの書き方の指導があまりなされていない(これは推測に過ぎません。間違っていたら非礼をお詫びします)。

 

 宿題でたくさんの文章や論述解答を書かされるのならそのうち慣れてきます。そうではなくて計算結果だけを書けばいいとか,穴埋めのプリントばかりやらされていてばかりとか,さらには問題のネタバレがあってその通りの解答を書けばいいとか。自分で解答の文章を考えなくてもいいという状況になっているのではないでしょうか。

 

 ONゼミナールの授業の進め方を考えなくてはならないと思っています。ノートの書き方を教えたり,論述問題の書き方の練習をしたり,まとまった量の文章を読む時間を作ったり(化学や物理,数学で長い問題文を読む機会が増えています)。

 

 実は先日の化学基礎の授業であえてリード分の長い問題を出しました。あと小問に細かい問題が入っていて,その指示通りに答えないといけないのですが,指示を見落としやすいタイプの問題。みんなまんまと引っかかっていて,私は非常に楽し・・・ではなく,先が思いやられます。本当に心配です。

 

 リード文が長い問題は共通テストでも出され始めています。二次試験では当たり前に出てきます。解答することも細かい指示が出されていて,その通りに解答しないと点がもらえません。たとえ問われた内容についてきちんとわかっていたとしても。

 

 さらに言いますが,1点差でも50点差でも不合格には変わりありません。点数の差をどうのこうの言っても何の意味のありません。もう一度言います。不合格は不合格で,その大学に入りたいなら再チャレンジをしないといけません。国公立なら浪人ですね。

 

 去年の鈴鹿の6年生もそこで失敗しています。塾でかなり書かせる読ませる問題を出していたのですが,一人は共通テスト以後のことを考えていないのでそもそも色々と理由をつけてやってこない,あとのこりは読解力自体がないため手も足も出せていませんでした。全然答案が出てきません。出てきても見られたものではないという・・・。字が汚い答案でも文章として意味が成り立っていればいいのです。しかし単なる数式の羅列で,あちこちに飛んでいては・・・どこにどれだけ点数をあげればいいか困ってしまいます。

 

 採点者を困らせる答案に点数が与えられることはないと思った方がいいでしょう。まぁ限りなく0点に近い点数になると思った方が安全。

 

 公立の生徒もまともに文章が書けません。数学の答案も式の羅列ばかりでイコールや不等号で式の関係が描かれていないのは当たり前。いきなり結論を持ち出して証明をしようとしていたり。家庭を使って論証しながら結論に書いてあることが正しいかどうかを証明するのに。解答さえ書けばいいという気持ちでいる・・・とまでは言えませんが,見る人によっては解答さえ書ければいいという勉強をしているのではないか,と言われるかもしれません。

 

 私で言いますと,論理関係無茶苦茶でも毎日ブログの更新ができればそれで満足・・・みたいな(怒)。いや決してそんな気持ちでブログを書いていません。少なくてもそんな考えで書いてはいないことをお断りしたいと思います。ただ,そう見えるという方がいらっしゃるかもしれません。私とて文才がありませんので,皆様にご迷惑をかけてしまっているかもしれません。そのあたりには自覚的である必要があります。

 

 さて,問題文が読めない子どもたち,論述回答が書けない子どもたち問題です。

 

 これは高田の生徒がメインだったらあまり起こりえない事象なのです。他の学校と高田の教育内容はかなり違います。ちょっとのレベルの違いと思ったら,実は出口(卒業時)の学力はかなり違うということが普通にあります。

 

 高田はとにかく難しい教材を多く与えて考えさせますし,論述解答を自分で書かせます。証明問題も解答用紙が白紙の状態で,一から証明の文章を書いていかなければいけません。計算問題も式変形を最低限採点者が理解できるように書かなければいけません。答えだけでいいという問題も解答時間の兼ね合いから半分くらいは出ますが,残りは少ない時間でわかりやすい論述解答を書かないといけません。普段から完成ノートの解答をきちんと書いて練習をしないと到底できません。

 

 今は高得点を取るのなら完成ノートだけでは足りなくて,チャート式もやらないといけません。今の生徒たちも大変です。昔も大変でしたけれどね。

 

 高田は先生により多少の違いがありますが,採点が厳しい傾向にあります。お情けで△が○になることはないと思った方がいいでしょう。某校とは違います。途中の論述に大きなミスがあっても解答があっていればほぼ満点という緩い採点をする学校があるのです。

 

 今年二月に行われた東京大学の二次試験の物理の問題は,過去稀に見る難易度の問題のオンパレードで,かなり生徒は苦労したと思います・・・噂では試験終了時に試験し積んで生徒がすすり泣きを始めるとか,問題用紙をビリビリに破る生徒が続出したとか,嘔吐する生徒が出たとか聞いています。以前京都大学の理系の入試でも似たようなことがありました。

 

 果たして今回の物理の点数はどうなるか,気になっていたのですが,合格した人の得点開示を見ると50点台や60点満点の人が意外といたのです。これは甘々な採点をしていたからそうなったのでしょう。これは仕方がありません・・・あまりに難しくてほとんどの受験生は満足に解けなかったのでしょう。試験後の採点前の会議で採点基準を大幅に見直したのだと思われます。大まかな配点は用意されてはいるのですが,その通りに採点したら0点が続出してしまい,試験にならないという場合に配点を大幅にいじることがあるそうです。今回の東大ではそれがあったのでしょう。これも憶測ですが,化学と物理の得点の差を見ているとそうと考えるのが一番真実に近いと思います。

 

 こういう採点はほぼ例外的なもので,大抵は記述内容を厳しくチェックされます。かなり細かい減点がなされて,解答の数値が合っていてもかなり点数が引かれていたというケースもたくさんあります。

 

 高田然り,国公立の入試の採点然り。穴埋めや答えだけで丸がもらえる緩い採点とは違います。論述がいい加減でも回答があっていれば満点を出す某校とは違います。高田以外の人を敵にまわしそうですが,その意図はありません。警鐘を鳴らしたいと思って書いていますのでご理解いただければ幸いです。

 

 

 

 

 何が言いたいんだっけ。

 

 そうそう,文章をきちんと読んで何が問われているか把握すること。問われていることに答えるために情報を集めて,それをまとめて解答にすること。この力が求められています。問題解決能力と,解決策を誰にでもわかるように示す能力と言ったらいいでしょうか。

 

 ただ答えを出すだけの勉強ではなかなかその域まではいきません。どうでしょう今の駄洒落は。

 

 共通テストである程度の点数が取れれば地元大学の医学部の地域枠推薦が受験できて,案外受かってしまいます。それは本当におめでたいと思いますし,地域枠推薦を取るのがいかに大変かもわかっているつもりです。しかし,論述問題を解かないで大学に入ってしまうことがいかに危険かわかっておいてほしいのです。本が読めないまま大学に入ることがいかに大変なことか。

 

 今はオンラインで授業が聞けるようになっていて,「耳学問」できるのですが,それにも限界があります。やはり最終的には自分で本を読んで情報を拾って活用できるようにすることが必要です。文章を読んでいるうちに意識が飛んでしまって・・・とか,頭が文章を読むのを嫌がっているとか言わないで,読み書きをしっかり訓練しましょう。

 

 塾では読み書き計算をきちんとやっていこうと思います。もちろん大学入試に受かるのが第一義なのですが,問題解決能力を磨き上げることができる授業がしたいと思います。文章を正確に読むこと,情報をきちんと拾うこと,まとめ上げてそれを自分なりの解答にすることが本当に大事です。

 

 

 

 なかなかに大変ですが,私も今何とかうまく文章を作れるように努力はしています。一緒に前を向いて歩いていきましょう!

 

 今日はこの辺で擱筆します。

 

 お読みいただきありがとうございました!

 

 

 

 

ONゼミナール代表 長田 俊将

www.on-semi.jp