ONゼミナールのホームページを久しぶりに「中改訂」しました。ある予備校の先生ならわかっていただける表現です(笑)。「大改訂」だと,プリントを作り直しかぁ・・・という愚痴が聞こえてきたような。

 

 授業内容が変わるわけではないのですが,指導するスタンスを少し変更したのと,時間割がほぼ確定したのでそれらを踏まえて更新しています。一番大きな変更点は,「生徒がやるべきこと」「塾でやること」の線引きをしたことです。

 

 勉強をするのは生徒です。塾で教えてもらって勉強をする・・・,のも良いのですが,塾の授業を聞いても基本事項が覚えられないとか,問題が解けないと言われるのはおかしいという考えで書いています。いまここでは,結構誤解を招きやすい書き方をしていますので,少しだけ詳しく書かせていただきます。ホームページをお読みいただければお分かりいただけるように書いてあります。

 

 生徒を突き放して,さぁ自分で勉強をしなさいということではありません。覚えるべきことを授業や資料で示し,理解を助ける解説もきちんと行います。そして授業で扱った知識を用いて問題を解きます。これからは,覚えることをもっとはっきり示すようにします。そして提示したことを生徒に覚えてもらいます。塾は生徒が覚えたかどうかを色々な方法でチェックします。今でもやっているのですが。

 

 肝心なことを覚えないで,その場しのぎの解法で問題を解いたふりをして,後から行き詰まってしまう子が結構います。こちらも教えっぱなしでいるつもりはないのですが,覚えてそれを使うステップ踏めない子がかなりいました。自己流でも解ければ良いじゃん,教科書通りに覚えなくても良いじゃないか,という考え方で失敗した生徒がいます。このような悲しい例を今後出さないために,心の中で血の涙を流しながら「覚えてきたか」と生徒に問い詰めます。

 

 必要ならばテストをします。できるまで繰り返します。覚えないと先に進めません。進んでもすぎに失速して元に戻る羽目になります。自分で覚えることを厭う生徒は,どの塾の門を叩いても夢は叶わないでしょう。覚えるのは生徒の仕事です。あくまであなたが道具の種類を覚え,使えるようにならないといけません。

 

 とびきりできる子は,陰ではどれだけ苦労しているか知りませんが,他の子が震え上がるような努力を「当たり前のように・息を吸うかの如く」やり遂げてしまいます。そこはすごいと思いますが,私の塾では生徒に勉強にのめり込めるようになって欲しいと思っています。そのためには勉強が苦であってはいけません。ある程度わかれば勉強は苦しくないし,好奇心を大いに満たしてくれるものになると思います。

 

 生徒が自分で歩けるようになるところまではしっかりとサポートしたいと思います。自分の足でということがポイントです。自分で学べるように生徒に必要に応じてアドバイスをします。生徒が自力で学べるようになれば,あとは放っておいても勉強してくれます。SNSなどには目もくれないで勉強してくれるでしょう(期待)。そしてどんどん問題を解いて,知識を増やしてレベルアップしていきます。

 

 東大に上位合格するクラスの子は,そのくらいまでは行きます。逆にそこまで行かないと,東大に入ってから相当苦労します。かなり授業や実習が厳しいですし,「進学振り分け」という「第二の入試」がありますので。東大に入った子は,入学後にも相当な勉強を強いられます。勉強嫌いの子が無理して入ると,めちゃくちゃ苦労します。勉強が好きな子であれば,どこまでも自分の可能性を追求できる稀有な場であると思いますが。

 

 医学部の勉強も相当ハードです。いまや手取り足取りの指導で好評な予備校はたくさんありますが,その延長で大学に入るとこれまた大変な目に遭うようです。

 

 どのみち大学を目指すのなら勉強は必要です。入試で合格点を取らないといけないからです。合格点を取るためには,高校までの学習指導要領にあることを覚えないといけません。塾の授業では覚えることはできません。あくまでも覚えるのは生徒自身です。覚えたことを実際に使えるように練習するのも生徒自身です。ここを間違えると,ONゼミナールに限らず,塾を上手に活用することはできません。

 

 ただ,自分だけで勉強していると,どこを覚えたら良いかわかりにくいことがあります。実際にどうやって使うのかわからないこともあります。その辺りで困っている生徒への協力がしたいと思います。大事なことを覚えるためのきっかけを,授業で差しあげられたらと思います。一生懸命に頑張っている子の期待を裏切らない指導体制をつくります。

 

 塾に来ているから成績が上がるのではありません。成績を上げるために塾に行かせている,というお考えはわかりますが,塾で提供できるのは必要な知識を示すこと,覚えやすいように解説をすること,実際の使い方を見せてあげること,更なるレベルアップのために問題を提供すること,その他生徒が悩んでいることの解決策を一緒に考えてあげることです。

 

 塾に行っていれば必ず成績が上がる,という考えではまず成果は出ませんのでお気をつけいただきたいと思います。しっかりと机に座って勉強して,必要なことを覚えないといけません。覚えたことを問題を解きながら身につけないといけません。これは塾でお手伝いできますが,最終的には生徒が自分でやることです。このことをよくよくご理解いただきたいと思います。

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 ご意見・ご感想などいただけると幸いです。

 

ONゼミナール代表 長田 俊将