身体を健康に保ちたくば、次の決まりを守るが良い。
・食欲のない時は食うべからず。夕食は軽く。
・腹の中に入れるものは、全て良く噛むべし。
・食材には良く火を入れ、味付けはシンプルに。
・薬をやたらに飲む者は、悪しき忠告を受けた者だ。
・怒りに対して用心し、澱んだ空気は避けねばならぬ。
・食卓を離れるときは、姿勢を正せ。
・昼間に寝ては決してならぬ。
・葡萄酒は必ず水で割り、少量をたびたび飲むようにせよ。
・食事の時間に飲むな、空腹の時も飲んではならぬ。
・便所は早めにいくことだ、またあまり長くいてもいけない。
・運動するならほどほどに。
・仰向けに寝て、頭を下げて寝ないこと。
・夜には布団をきちんと掛けるべし。
・頭を休め、気分は陽気に保つべし。
これは、晩年のレオナルド・ダ・ヴィンチが書き残した健康法についてのメモである。
書かれたのは1515年、レオナルドが63歳の時、ローマにいた頃だ。
この頃レオナルドは病気になっており、その影響でこのようなメモを残したと思われている。
内容的には中世から続く健康法だが、ある意味現代でも使えそうなものでもある。
酒の飲み方が多いことと、頭を下げて寝ないことという言葉が何だか気になる。
当時アントニオ・ベアディスが「レオナルドの右手が麻痺している」と記録していることから察するに、レオナルドは脳卒中による右半身麻痺だったのではないか。レオナルドは体調不良のために、健康に気を遣うようになったのではないかと考えられている。
晩年のレオナルドは、ベジタリアンだったことも有名な話だ。