人体解剖と展覧会 | レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの活躍を紹介していきます。

人体の不思議展について紹介している「図説」人体博物館という本(監修=養老孟司)の中で、荒俣宏さんが書いたテクストにレンブラントの「トュルプ博士の解剖学講義」が出ている。この絵はニコラス・テュルプ博士が腕の筋肉組織を医学の専門家に説明している場面を描いたもの。死体は絞首刑になった犯罪者のもので、見学者の一部は絵に描いてもらう代金を支払った医者たちである。(1632年作、オランダ:デン・ハーグ、マウリッツハイス美術館所蔵)

レオナルド・ダ・ヴィンチのノート-トュルプ博士の解剖学講義_レンブラント

人体の不思議展のプラスティネーション技法を開発した「グンター・フォン・ハーゲンス博士」は、この絵のテュルプ博士がかぶっている帽子を真似て、同じ様な帽子をかぶっていると、以前何かの記事で読んだことがある。

ハーゲンス博士は人体の不思議展の展示物の他にも、イギリスのチャンネル4で"Anatomy for Beginners"という人体解剖をライブ放映する番組を行ったりと、いろいろと物議をかもし出している人物だ。
私も実際に展覧会会場にも行ったことがあるが、本物の人体サンプルを目の当たりにする感覚というか、プラスティネーション化することで人体がおもちゃっぽくなってしまうというか、人権的にも確かに議論が起こるのは分からないでもない。

ところで人体博物館というと最も印象深いのが、フィレンツェにあるラ・スペコラ(LA SPECOLA)。フィレンツェ大学動物学科付属の博物館で、ピッティ宮の近くにある。動物の剥製や骨格の展示にあわせ、多くの精巧すぎる蝋細工の人体解剖模型がある。中でも有名なのがガエターノ・ズンボ作「キリストの頭部(17世紀)」と、クレメンテ・スシーニ作「解体されたヴィーナス(18世紀)」だろう。毛細血管まで精巧に作りこまれたこの蝋人形は、グロさを越えてどこかアートな魅力を備えているのである。

グーグルにもかなり画像がありますな~。やっぱり怖い。
レオナルド・ダ・ヴィンチは夜通し人体解剖をしたというが、良く平気だったなぁと思う。
確かにレオナルドの言うとおり、実際に解剖を行うよりも描かれた解剖図を見るほうが良さそうだ。