500年前のアイディア、パラシュートの実証実験。 | レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの活躍を紹介していきます。

チャールズ・ニコル著の「レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯~飛翔する精神の軌跡」から、レオナルドのパラシュート(アトランティコ手稿の中、1485年頃に描かれたスケッチとメモ)について引用。

「コーティングをほどこした亜麻布で作った幅12ブラッチョ(約7.2m)、長さ12ブラッチョの傘を持っていれば、人間はいかなる高所から飛び降りてもけがをすることはない。」つまり、レオナルドはいまや有人飛行の可能性を真剣に検討しているのだ。そうでなければどうしてパラシュートについて考える必要があろうか。
レオナルドが考案したピラミッド型のパラシュートは最近まで紙の上の構想にとどまっていたが、2000年6月26日、英国人スカイダイバーのエイドリアン・ニコラスが南アフリカのクルーガー国立公園で、このパラシュートを使って上空約3000mから試験下降を行った。~ニコラスは約2000mの高さを5分かけてゆっくりと下降した。彼は地表に近い最後の部分では傘を切り離し、ふつうのパラシュートを用いて着地した。(この傘は重さが約90kgもあり、下降者の頭上に落ちてくる危険があったため)

こちらがその実証実験の映像。考案者のレオナルドも凄いが、実際に高度3000mから飛んでみたエイドリアン氏に拍手を送りたい。




それからこちらはマドリッド手稿に描かれたスケッチ(今で言うハンググライダー)を再現した映像。確かBBC制作のDVDに収録されていたと思う。



こちらがそのスケッチである。

$レオナルド・ダ・ヴィンチのノート-マドリッド手稿I.f64r

鏡文字で書かれた説明書きにはこう書かれている。

これは上の装置と同じ性質をもった装置である。乗る人は両足をmに胸部をabに置く。もし線hに沿って流れる風がたまたま下のほうに流れ込み、ちょうどねじでナットを持ち上げるようにhを必要以上に持ち上げる場合には、網Sを下に引く。同様にさまざまな必要に応じて他の網を引くがよい。また降りようとするには網Sを引けば、地上に向かうだろう。