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映画ライターもどきの本音ブログ

映画ライターをしている20代後半の男です。好き勝手感想を書くために始めました。


【公開】
2019年(アメリカ映画)

【原題】
Toy Story

【監督】
ジョッシュ・クーリー

【キャスト】

トム・ハンクス、ティム・アレン、パトリシア・アークエット、ジョーン・キューザックボニー・ハント、ローリー・メトカーフ、アニー・ポッツ、ジョディ・ベンソン、ドン・リックルズ、ジェフ・ガーリン、エステル・ハリス、ブレイク・クラーク、ロリ・アラン、バド・ラッキー、キーガン=マイケル・キー、ジョーダン・ピール


【あらすじ】

おもちゃにとって大切なことは子供のそばにいること”―― 新たな持ち主ボニーを見守るウッディ、バズら仲間たちの前に現れたのは、彼女の一番のお気に入りで手作りおもちゃのフォーキー。しかし、彼は自分をゴミだと思い込み逃げ出してしまう。ボニーのためにフォーキーを探す冒険に出たウッディは、一度も愛されたことのないおもちゃや、かつての仲間ボーとの運命的な出会いを果たす。そしてたどり着いたのは見たことのない新しい世界だった。最後にウッディが選んだ“驚くべき決断”とは…?








78点

トイストーリーは私もご多分に漏れず3で完結したと思っていた派です。



ただ思えば終わったのはアンディとウッディの物語であって、おもちゃにとっての幸せとは何かを問うという命題に関する物語はまだ終わっていなかった。


さすがピクサー。


本質的な部分を褒める前にCGアニメとしてのクオリティの話をしておくと、ちょっとリアルさが異常なレベルまで来ていたと思う。プラスチック、陶器、ファーの材質の違いまでちょっとアップになっただけでわかるし、アスファルトの表現や雨の細かさ、子供のフワフワ感まで完璧に表現されていた。ホラー演出にも磨きがかかっていて所々マジでビクッとなる(笑)。

ダックス&バニーのキャラの絶妙さも見事。オモロ可愛いなあ。吹き替え版も見たけどチョコレート・プラネット普通に上手いな。

もはや当たり前になっているけどピクサーの映画は基本的にクオリティがめちゃ高い。


だからこそ高度なレベルでの批判にもさらされるんだと思うが。


トータルでは3で終わってくれていた方がシリーズとしては綺麗という意見だけど、この映画は映画で重要なことは説いていると思う。

ただこれを「本当のトイストーリー」とか言われると辛いし、ムッと来る部分もあるんだけどね。何が本当かは個人個人が決めればいい。


おもちゃの役割とは何か、おもちゃにとっての幸せとは何か、それを問い続けてきたトイストーリーシリーズ。2ではおもちゃの役割は子供に遊んでもらうことだという主張を頑なにしすぎて博物館で皆に貴重な品としてみてもらうという別種で尊いことを全否定していて少しバランスを欠いていたけど、3では嫌味ない形で子供から子供へおもちゃが思い出ごと受け継がれるという号泣必至のラストを迎えていた。


今回はその先を描く物語。言ってしまえば親離れの話ではないか。


もともと子育て世代の多かったピクサースタジオは親が子育てに戸惑うことをモチーフにした話が多かった。とくにモンスター・インクとファインディング・ニモ。


ウッディはアンディの元を離れ、一度子育てを終えたかのような存在の老兵。ボニーにも気に入って貰えていない(ただこの設定が3の感動のラストは何だったんだってなってしまうんだけど)。


自分がおもちゃとして受け入れられなくなったから彼はまるで新しくできた後継者のようなフォーキーを必死に守って自分はまだ役に立てると言い聞かせているようで切なかった。


ウッディが今は居場所のない西部劇の保安官のおもちゃと言う立場なのも象徴的だったと思う。


でもゴミになるはずの先割れスプーンでも子供を勇気づけるおもちゃになれるっていう可能性の提示によって、ウッディが一人の持ち物になるのではなく子供たちみんなのおもちゃになることを決断するという今までと逆のラストはなかなか良かったんじゃないか。わざわざ9年ぶりに続編作るならこれくらい新しいことはやらなきゃね。


カブーンが持ち主に雑に捨てられたという今までのシリーズならヴィラン化しそうなキャラなのに、自力でそのトラウマを乗り越えて活躍するのも新しかった。


ディズニーの多様性重視の側面が出ており、少し戸惑ったけど、ウッディのここまでの苦難を思うとそれもわからなくはない。愛するボーとも一緒に慣れて、おめでとうお疲れさまとは言ってあげたい。あと、ボーの予想外のタフな成長ぶりも最近のディズニーっぽいな。





でもモヤモヤするのはウッディとおなじ年月を同じ場所で過ごしていたおもちゃ仲間たちとウッディの差異は何なのかってのが見えにくい点ですよ。なんでウッディだけが一歩先を進んだ視点を手に入れられるのか。主人公だからという理由しか見えない。というより他のおもちゃたちが単純に描かれ過ぎではないか。彼らだって葛藤したっておかしくないのに。冒険をより多くしたって言う違いはあるけどにしてもちょっと単純化しすぎ。


ただウッディがおもちゃとしての「内なる声」を文字通りギャビーギャビーに受け継いで役目を終えたっていう演出はさすがうまいと思ったけども。



他にも今までのキャラ達の活躍が少ないとか、人間側に起きる不可解な現象の数々がもはやホラーでバレないのが不思議とか、フォーキーがあそこまで重要視される理由が不可解とか、ウッディがボニーにあまり気にいってもらってないことの理由付けがないとか不満点はあります。




それにボニー側に何かを決断して成長する場面がないのは問題だと思う。幼稚園に馴染めたって言う以外の成長がない。アンディのように成長してほしかった。


とはいえラストのみんなとの別れのシーンは最高に泣けた。セリフ無しで皆に悟らせる演出が上手すぎる。表情演出までめちゃくちゃ進化してるな。

バズとの抱き合いで涙腺決壊したから結局俺の負けか(笑)。


そして今までは青空で終わっていたシリーズが夜の月を映して、時代の変化、心境の変化を表すという幕引き。


新たな方向性を見せて終わったけれども、今後は続けるのだろうか。正直このまま終わってしまうと寂しい。


そしてアンディといつか再開してほしいな。