身体の使い方 | Drummer Atsushi

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ドラムを叩くことを通じて、ワンネス(この宇宙世界に存在している全ては1つ)を目指します
―僕の叩くドラムは銀河の響き―

人間年齢を重ねてくると、身体のあちこちにガタが来て、若い頃のように自由自在に身体を動かせなくなる方が多いようです。

 

もっとも、新時代に入り、「老化」という現象自体、従来常識と思われたことが実はそうではなかったということが次第に開示されるようになってきていると肌で感じており、日々、斬新で有益な情報に触れる必要性を痛感しています。

 

僕自身は青年時代から20年以上一貫して筋トレに励んできた結果、それなりに得たモノも多かったのですが、基本は欧米由来の運動ですので、弊害も結構あり、膝や腰を痛めてしまったこともありました。若い頃に、パワーリフティングに傾倒してしまった弊害が後年出てきたとも言えます。

 

このほかに、様々なスポーツを思い浮かべてみると、特に球技などは身体を左右均等に使うモノは非常に少なく、これも身体の歪みを生じさせる原因になっているのではないかとも思うようになりました。

それでは、端からそうした球技をやらなければ弊害も生じることもないのですが、「日常の動作」自体に問題があるとなると、無関心ではいられません。

 

その日常の動作の基本になるのが、「歩く」ことなのですが、我々は小学校の頃から歩くときは元気良く両腕を振って歩くように教えられてきました。つまり欧米式ですね。

 

ところが、甲野善紀氏の指導方法は全く異なっていました。同氏は「日常生活」で疲れない身体の使い方をいろいろと紹介されておりますが、昔の日本人は歩く際に腕を振らなかったそうで、その中で、飛脚や忍者といった特殊な職業人は1日に100キロや200キロもの道のりを走れたそうで、これが「ナンバ歩き」又は「ナンバ走り」です。

 

また、昭和初期には女性の運搬屋で「女丁持」とか「女仲仕」とかいった職業の方がおりまして、一人で数俵を背中に担いでいました。

1俵60kgとすると少なくとも120kg ~180kgを担いでいることになります。

現代人では一般男性でも担げない重さではないでしょうか。

 

このように、歩くにせよ、担ぐにせよ、昔の日本人は身体の使い方をよく弁えていたようです。

現代でも、伝統芸能である能や日本舞踊などでは、歩く際に両手を振りながら膝をピンと伸ばして歩くような動作はまず見かけません。

 

ただ、この「ナンバ歩き」ですが、幼少の頃から西洋式の歩行にすっかり馴染んでしまっている現代人にはなかなか難しく、一朝一夕に習慣化するのは困難な面もあります。

しかし、特に高齢者には苦手な階段の上り下りの際に、この「ナンバ歩き」を取り入れると、自ら試してみた結果、実感として思いのほか楽になりました。

 

身体に本当にガタが来る前に、科学的にああだの、エビデンスがどうだのと理屈を付けてやらないより、「先ず隗より始めよ」で、出来るところから直ちに行動に移して自身の身体で体験してみて、自分に合うと思えば続ければよく、合わないと思えば、また違った方法を模索すればよいのです。

 

以前に紹介した相撲トレの「腰割り」、「四股踏み」、「テッポウ」も続けていくうちに、なるほどこういうことだったのかと、実体験でその良さを理解することが出来ました。

因みに、「上虚下実」な身体が出来てくると、頭でかっちな理屈っぽさも解消に向かうかもしれませんね。