精選版 日本国語大辞典「ビジネス」の解説によると、
〘名〙 (business) 仕事。職業。事務。また、事業。商売。特に、情熱とか人情とかを切り捨て、金もうけの手段としてだけにする仕事・事業をいうこともある。
ということです。
若い頃から心の奥底に抱いていた「ビジネス」という言葉に対しする違和感。なんかとても「ドライで冷たい」雰囲気を感じる言葉で昭和の時代から好きではありませんでした。
上記解説の「特に、情熱とか人情とかを切り捨て、金もうけの手段としてだけにする仕事・事業をいうこともある。」正にこの感覚です。
でも、昭和時代の大辞典には確かこのような解説は載っていなかったように記憶しているのですが、記憶違いだったのでしょうか?
「ビジネス」という言葉自体が外来語であり、日本古来の「はたらく」という意味合いとは大きくズレていると感じていました。そこに欧米由来の「ドライ」な感覚を敏感に嗅ぎ取っていました。
ただ、ここで誤解しないでいただきたいのは、なにも「金もうけ」がいけないことだと言っているのではないのです。
また、清貧に甘んじるのが良いというのでもありません。
そうではなく、現代日本で、「仕事は…」と始まるとその大半が「ビジネス」についての話題で、「ものつくりの職人さんが…」などと後に続くことは稀有であります。
しかし世の中のあらゆる事象はすべてバランスが必要で、現代日本は仕事があまりにも「ビジネス」に偏り過ぎているきらいがあると感じているのです。
「ビジネス」と相性が良い言葉が「競争」ですが、この二つの言葉に、これまでの「地の時代」の匂いを感じます。
世は「風の時代」に突入して早2年になろうとしています。水面下では、従来の「ビジネス」から傍を楽にする「はたらく」社会への移行が始まっているのではとそんな予感がします。
そう、僕が好きな言葉、それは「はたらく」です。