朝食食べる?食べない?~「統計」から考えてみる | Drummer Atsushi

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ドラムを叩くことを通じて、ワンネス(この宇宙世界に存在している全ては1つ)を目指します
―僕の叩くドラムは銀河の響き―

いつまで経っても結論がなかなか出ない命題(?)

それは、「朝食を食べないと、活力が出ない」です。

 

最初に、ここで言いたいのは、何が「正解」であるかを導き出すことではありません。

 

僕自身の結論は、活力の有無に関わらず、

食べたいときは食べればよいし、

食べたくないときは、食べなければよいのです。

ただ、それだけです。

 

問題は、自説に拘り続けて、他人にそれを強要することから始まります。

 

では、ちょっと考えてみましょう。

 

ある人がこう発言しています。

 

「習慣的に朝食を抜く学生は朝食を摂っている学生に比べて学力が劣っているとの統計も出ています。」

 

恐らく、この発言の内容は「事実」でしょう。

 

でも、ここで思考を止めてしまうのではなく、さらにちょっと考えてみます。

 

なんか「統計」というと、客観的な説得力を持った言葉に聞こえますが、

現実はどうなんでしょう?

 

ここでの疑問点は、学生の朝食についての統計をどのように取ったかです。

 

単純に、ある地域もしくは学校の学生にアンケートを取って、

毎日きちんと朝食を取る学生と朝食を抜く学生とに分けて、

それぞれの学力を判定したのではないでしょうか。

 

問題はここからです。

 

「朝食を抜く学生」が平素どんな生活状態なのか、

そこまで調査をしたかということです。

 

これに対して、「毎日きちんと朝食を取る学生」は、

おそらく規則正しい生活をしている学生がかなり多いであろうと推測されます。

 

要するに、両者を比較して学力の差異の統計を取るのであれば、

大前提として、両者の生活状態が同じでなくてはなりません。

 

片や、不規則な生活リズムで、宵っ張りの朝寝坊で、

夜食を食べる習慣がある「朝食を抜く学生」と、

早寝早起きが習慣で、朝は余裕をもって朝食を取る「毎日きちんと朝食を取る学生」とで、

学力判定を行えば、そこにどんな有意な差が生じるか、想像に難くないのではないでしょうか。

 

こうした統計結果を以て、「朝食抜き=学力が劣る」と短絡的に結論付けるのはいかがなものでしょう。

 

一口に「統計」といっても、その取り方において、自説に有利なように誘導することは、

いくらでも可能なのだということを知っておくだけでも、

多元的に物事の見方を変えることができると思います。