今回の代講講師の特徴はほぼ座学。
ドラムという楽器の特殊性、それは、指先等の小さい筋肉と、手首から上、そして背中にまで及ぶ大きな筋肉とをそれぞれ動員して叩く動作をする。
これは、ピアノ、ギター、ベース、バイオリン、サックス等の楽器で使う筋肉の大半が、デリケートな動きを担う小さい筋肉であるのとでは大きな違いがある。
従って、ドラムは筋肉を使うことにおいて、脳が処理する情報が他の楽器よりもずっと多いという特徴がある。よって、ドラムを一打するときに脳が出す指令は多岐に渡る。
さて、話題は具体的なことになって、僕が不得手とするフィルイン。何度練習しても、大抵同じ箇所で躓く。
講師曰く、譜面ばかり見て練習してるから、いつまで経っても叩けないのだと。
ドラム譜はピアノ等の楽譜と異なって、音階もなければ、情感も伝わってこない。ただ、貴方にヒントを提示しているだけなのだ。
ドラム譜を見ながら叩くというのは、視覚を通して脳に譜面の情報が入り、それを脳が処理して手足に指令を出しているのだから、遅れやズレが生じるのは当たり前。
これを演奏とは言わない。これでは音楽的表現などできるわけがない。
早速、実践が始まった。先ずは、口ドラムで講師の云うフィルインのフレーズを1小節ずつ何度もそらで真似をする。何とか辛うじて真似ができたら、次はその口ドラムのとおりに叩き出す。
フィルインが叩けなかったら、まずスティックを置きなさい。そしてよく反芻してみること。闇雲に譜面とにらめっこしながら1時間フィルインを練習しても、おそらくスムーズには叩けないだろう。
それより、まずはそのフィルインをしっかり(口ドラムで)頭に叩き込むこと。1小節なら10分もあれば覚えられるであろう。
そして、音楽の流れとともに「空間認識」をすることだ。
因みに、我が音楽教室でのドラム発表会は「暗譜」していることが、暗黙の了解となっています。