日本が2勝1敗で迎えたアメリカ戦、ここでインフルエンザにかかって欠場していた小野寺佳歩がセカンドで復帰する。日本代表・北海道銀行フォルティウスの布陣は
リード 吉田知那美
セカンド 小野寺佳歩
サード 船山弓枝
フォース 小笠原歩
ドイツで行われた五輪最終予選では、リードは苫米地美智子が務めていたが、本番では吉田の調子がいいということで最初からこの布陣でいく可能性があったので、現時点での最強布陣といえた。相手はここまで全敗しているアメリカ、弾みをつけるには格好の相手といえた。
だが、日本は6-8で敗れた。小野寺の調子は戻らず、ハウスに入れようとしたストーンをガードに引っかけてしまい、そこをアメリカに付け込まれて痛い敗戦となった。小野寺の試合勘を取り戻すための試合とおもえば仕方のないところだったかもしれない。
私がこの試合で印象に残ったのは、いや試合の後に忘れられないシーンがあった。
小野寺佳歩が、
涙を流した。
悔しくて歯がゆくて仕方なかったのだろう。
「すみません、すみません……」
あふれ出る涙を手のひらで隠し、記者やリポーターが待ち受けるプレスの通路で泣きじゃくっていた。小笠原が「今日はすみません」と言って小野寺を庇うように肩を抱いて連れ去っていた。仲間を思う気持ち、責めるのではなくそっとそばにいてやるスキップの気持ちの温かさがそこにはあった。ソチ五輪の最終予選で本番出場を決めた後、小野寺は涙も見せずにあっけらかんと
「涙はオリンピックで流します」
と笑顔で言ってみせた。それが、病欠を余儀なくされた後の悔し涙を流すなんて予想もしなかった。悔し涙なんてみたくない。今年の4月からフォルティウスは新メンバーを迎えて平昌五輪を目指して他の日本の有力チームよりも早く始動したが、そのメンバーの中に小野寺は含まれている。7種競技で培ったスイープ力と切り替えが早い精神力はやはり必要とされている。今度の五輪では小野寺に勝ってうれし涙を流してほしいと願っている。