チップ Gratuity | ハム太郎のつぶやき

チップ Gratuity

何か月ぶりだろうか、レストランに食事に出かけた。出前やお持ち帰りでは食べられない、麺料理が食べたくなったから。

 

20-25年前ほど、レストランでウエイトレスをして生活費を稼いでいた時がある。その時の時給は2ドル13セント。おそらくそれは今も変わっていないと思う。初めてのウエイトレスの仕事は中華料理店。レストランが開く1時間前に出勤して、レモンを切ったりレストランを開ける準備。レストランが閉まった後も1時間ほど掃除などさせられていた。チップがもらえない間の時間も同じ2ドル13セントの時給しかもらえなかったから、腑に落ちない気持ちだった。チップがもらえると言っても、ランチの時間帯であれば、一人7-8ドルのランチなので、一人からもらえるのは1ドル程度。時々キッチンに苦情があるからという理由でチップを貰えない時もあった。私は何もしていないのにと不備に思っていた。

 

そういう経験があるから、レストランで食事する時はチップをなるべく多めに払うようにしている。今は州によっては、最低賃金をレストラン側が保証していて、差額分を支払うことになっているらしい。でも最低賃金で生活するのは大変である。学生の頃は一袋10セントのインスタントラーメンやポップコーンにお世話になったものだ。

 

チップと言えば、キリマンジャロ登頂後チップセレモニーがある。そこで一定の金額を一緒に登山してくれたポーターさんたちに渡すのだが、そのチップの金額で少し揉めたと言う記事を何回か見た。初アフリカという事で英語と日本語のサイトで色々情報収集をした。キリマンジャロ登頂のツアーはアメリカに事務所を置く会社から申請した。サービスがアメリカ人向けかと思ったからで、実際に食事の内容からしておそらくそうだったのだろうと思う。そのサイトには初めからチップの金額が記載してあり、一定の金額をあらかじめきれいなドル札で用意してくるよう注意書きがあったので、銀行に行ってある程度きれいなお札を封筒に入れて持って行った。

 

ちなみに、金額は

ポーターに1日6ドル

シェフに1日12ドル

アシスタントガイドに1日12ドル

ガイドに1日20ドル

私が参加したツアーは8日間で、参加者が16人だったので、一人当たりの金額が250ドル程度だった。

これらのチップはツアー経営者に渡すのではなく、直接ガイドさんたちに渡されるので、確実に彼らの給料の一部となる。あらかじめチップの金額を指定してきたのは、おそらくそれらも最初から彼らの賃金として計算されているのだろうと思う。そうなのであれば、ツアー代金に最初から含めてもらえばとも思えるが、そうすると確実にポーターさんたちに渡らなかったという歴史があるから、こういうチップ制度になったのかもしれない。

 

本来のチップの意味はよかったサービスに対して追加の支払いという概念があるので、規定された金額以外に本当にお世話になったアシスタントガイドの方とポーターの方数名に別途いくらか渡した。現金のほかに、ジャケット、靴、ポール、水ボトルなど渡せるものはすべて特にお世話になった特定の方々に渡してきた。他の参加者もそれぞれ同様にしていたようだ。彼らの仕事だと言えばそうなのかもしれないが、あんなに思い荷物を持って標高高い所を歩くのは至難。その至難の中でも笑顔でずっとサポートしてくれたガイドやポーターさん。あの時迷わずにきちんとお礼ができて良かったと思う。

 

チップ制度には良い点と改善できる点があり、どちらにしろ完璧ではない。確実に実際に働いているサーバーやガイドに渡されるので安心できるが、元々給料が低く設定されている事を知らずにチップをあまり渡さない人もいるので、働いている人にとっては困る。経営主がきちんと見合った給料を払っていればいいのだが、そういうことができていない所もあるので、やはりこのチップ制度を続けていくしかないのだろう。