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コアドラのプロレス研究室

プロレスレビュー、泥陀羅、ライブ雑感記など書いてます。
WWE/TNA/ROH/PWG/CHIKARA/CZW/DGUSA/AAW/AIW/EVOLVE/ドラゲー/新日/全日/DDT/大日/ K-DOJO/Wrestle-1/CMLL/AAA/IWRG/DTU



キャンディス・リレイ vs.ジョニー・ガルガーノ トーナメント2回戦
速攻ベースの攻防。ガルガーノは紳士的な葛藤をちらつかせましたが、打撃は叩き込めないと表現している割に、他の攻撃はためらいなく出すので、やや違和感。しかし、それを逆手にとって、性差や力量差はありますが、一進一退を実現しています。10分そこらと短い試合ですが、両者の良さは出ている。よいオープニング。


TJパーキンス vs.リコシェ トーナメント2回戦
緩い空気を出しながらも、いざ攻防が始まると、軽妙なやり取り。TJPがかつてのサムライ・デル・ソルのような立ち回りで、手数を重ねながら、要所でジャベやサブミッションが光る。
リコシェも打撃で乗せながら数を重ねていきました。ベナドリラーは短時間決着の時には便利ですね。良質な試合。


トレヴァー・リー vs.マイケル・エルガン トーナメント2回戦
エルガン手動でハイペースな試合運び。決して特異なペース配分ではないですが、リーの力量を信用しているところもありますね。
エルガンは一撃の重さに余韻を聞かせるような試合運びにシフトチェンジすると、リーが呼応するように数を重ねだし、長短を調整しています。
技のスケールを大きくしながらも、決着を予感させない展開が続くかと思いきや、丸め込みで唐突に切り上げるのは何ともトーナメント仕様らしい。良い試合。


ケニー・オメガ vs.マット・サイダル トーナメント2回戦
攻防に軽さを出しながらも、オメガは数を絞って、パワーを強調し、サイダルが被虐で見せる。
攻防時代はありきたりなもので構成し、PWGの世界観に寄せたユーモアを織り交ぜていきます。これまでの空気をゆるく引きずり、丸め込みを随所に挟んだのはいい判断でした。
フィニッシュはあっさりとしていますが、およそ無難な内容。

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試合結果
キャンディス・リレイ vs.○ジョニー・ガルガーノ トーナメント2回戦
TJパーキンス vs.○リコシェ トーナメント2回戦
○トレヴァー・リー vs.マイケル・エルガン トーナメント2回戦
○ケニー・オメガ vs.マット・サイダル トーナメント2回戦
ドリュー・グラック(ch) vs. ビフ・ビューシック CZW王座戦 (CZW:To Infinity 2014/04/27)
堅いレスリング。安易に流れる様な攻防を作らず、サブミッションはしっかりと締め、打撃は余韻をきかせ、感情を生々しく表現していきます。
生々しいダメージと感情の表現でディティールを詰めていきます。王小津的な展開を地で行きながらも、苛烈さを付け加え試合を彩ります。
グラックは王者として強さを示し、ビフは挑戦者として、耐えて見せる。正攻法を外して、カウンターを入れて見せたり幅の広さを出すことも忘れていない。
テクニシャン同士となると演武的な要素も出てきてしまうことは往々にしてありますが、リアリティを追い求め、威風堂々とプロレスを体現して見せました。素晴らしい名勝負。


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試合結果
○ドリュー・グラック(ch) vs. ビフ・ビューシック CZW王座戦


マット・サイダル vs.クリス・ヒーロー トーナメント1回戦
ゆったりとしたレスリング。チェーンレスリング的な趣の中に体格差を緩やかに反映させています。ヒーロー主導で打撃も徐々に解禁。このあたりから体格差を生かした見せ方も増やしていきます。
打撃の比率は多めではありますが、ただ打ち合うのではなく、ユニークなカウンターや技の居間に挟むので淡泊な展開にはなっていません。
剛柔をうまく織り交ぜ、豊かな展開を生み出しましたが、実験的な内容も多く、深みは出せず。良質な試合どまり。


ザック・セイバー・ジュニア vs.アダム・コール トーナメント1回戦
セイバーのヨーロピアンレスリング教室。
前日の6メン同様、コールの適応も素晴らしいですが、より密なやり取りを求められるうえで、適切な対応を続けています。
技を掛け合う原点へと立ち返った試合運びで、セイバーのことを歓迎していますが、わかりやすくファンへ示す気概も忘れていません。また、セイバー自身も卓越したテクニックの中に、PWGという空間に適したユーモアを加えるのを忘れていない。
独特のテクニックから腕攻めを提示したセイバーに対し、コールはいつものヒールとしての立ち回りに戻って鉄柱攻撃。試合進行のプロセスを全てセイバーに合わせるのではなく、自分らしさも織り交ぜます。
コールは普段行わない立ち回りを見せたことでセイバーと積み上げの方法論でずれが生じたのだけがもったいなかった。
終盤の攻防の重ね方と落とし方は素晴らしい。テクニカルバウトとして理想的な決着でした。好勝負。


ケニー・オメガ vs.ACH トーナメント1回戦
陽気な二人がコメディタッチでプロレスを繰り広げます。エンターテイナーとしての立ち振る舞いで、PWGの空間にアジャストしていきます。
いざ動き始めるとユニークな攻防。身体能力の高さをいかんなく発揮していますが、ムーブはムーブで、しっかり見せてほしいところです。形式ばったモノであっても二人の動きそのもので差別化は可能でしょう。
コメディに寄ってしまうとダメージや感情の表現が軽くなってしまうので、シリアスさの同居も忘れてはいけません。オメガはDDTでその辺の感覚を培っているので、うまくコントロールできています。問題はACH。両方をコントロールするのはまだできていないようで、どちらかに振り切るような試合運びにしてあげないといけないようです。動きの良さを見せるだけに留まっています。
終盤はオースチンネタをてっぺんにしつつ、ロックvsオースチンのパロディへ。レスポンスの良さも手伝って、盛り上がりだけはどの団体をも凌ぐものとなっています。演武的な素養をここにきて混ぜてしまったので、前半のうちに昇華しておいて、終盤は独自の攻防を紡いだ方が変に長くならずに済んだか。好勝負には届かず良質な試合どまり。



ヤング・バックス(ニック&マット・ジャクソン) vs.フランキー・カザリアン&クリストファー・ダニエルズ
秩序も何もない導入から、乱戦状態へ。本筋からも外れてしまっているので、基本的にはやりたい放題になっています。
ダニエルズ、カザリアンともにコンディションがいいですね。全盛期ほどのキレはないにしろ、動きの良さは健在です。手数を使った展開にしっかり適応したうえで、新たな展開を提供してくれています。
常に4人が動き続ける展開で、立体的な攻防。スーパーキックスポットが日に日に過剰になっていきますが、パターン化されてばかりでなく、新たな展開を生み出し続けているし、フィニッシュは驚きでした。好勝負。


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試合結果
○マット・サイダル vs.クリス・ヒーロー トーナメント1回戦
○ザック・セイバー・ジュニア vs.アダム・コール トーナメント1回戦
○ケニー・オメガ vs.ACH トーナメント1回戦
○ヤング・バックス(ニック&マット・ジャクソン) vs.フランキー・カザリアン&クリストファー・ダニエルズ
ルーク・ハーパー(ch) vs.ドルフ・ジグラー IC王座ラダーマッチ
導入からラダーをリングに入れて早々に昇りだす導入から。ダメージの積み上げが早いですね。ジグラーは受けをメインとして試合を作れるというのと、ハーパーが決して機敏に登れないという身体的なイメージのために、早い段階から苛烈に受けさせています。
完全に一方的とは言いませんが、ハーパーも受けるべきところで受けないといけません。トペでラダーに突っ込んで自爆したくらいしかまともなダメージの積み上げができていない。8:2くらいの攻守比をこの試合形式でやるとリアリティが薄れてしまいます。
ジグラーが受けるだけ受け、流血までおこしたのにたいして、バランスの悪さが気になりますね。自爆、カウンターを軸とした構築で、6.5:3,5くらいにできると良かったか。歪さが気にならなければ好勝負とできる熱量はあったものの、良質な試合どまり。


ジョン・シナ vs. セス・ローリンズ(w/ジェイミー・ノーブル&ジョーイ・マーキュリー) テーブルマッチ ※シナが負けるとWWE世界ヘビー級王座への挑戦権を失う
打撃ベースで、ノーブルたちの積極介入を使い試合を構成。
反則裁定がないので、セスのピンチにはリングの中に入ってでも止めることが出来る筋書きです。
くどいくらいの介入が続きますが、シナの追い込まれた立場や、位置づけを考えると不思議とバランスは取れていますね。表向きのセコンドは二人ですが、まだ介入者はいるだろうというフリも事前に出しているので、排除は早々に行ってしまっても良かった気がします。
レフェリーがいなければテーブル葬も認められないという筋書きは面白いですがそれを生かすにはどちらも一回ずつテーブル葬をされないと生きないし、同体で再スタートの件もあった以上、内容過剰になってしまっています。
レインズの復帰のために組まれたような試合になってしまいましたね。良い試合どまり。


ディーン・アンブローズ vs.ブレイ・ワイアット TLCマッチ
アンブローズの魅せ方が素晴らしく、感情的な動きを意識的に見せています。ストリートファイトに近いテイストで試合を構築しながら、ワイアットは奇襲されたことで即座にヘタレに回る。
WWE特有の環境を生かした仕掛けで、例によって会場中を使った試合を作り上げています。
アンブローズは表情豊かに、ワイアットは表情の揺らぎは少ないものの不気味に、凶器をユニークに使った試合運びでありながら、フォール決着を意識させない作り。使えるものを最大限に生かした内容でありますが、エニウェアフォールになっていないことで、冗長さが生まれてしまっています。どんなに場外ででかいスポットを見せても決着はリングの中でなので、戻る必要があるのは手間が多い。
ラダーダイブスポットも多すぎですね。でかいスポットの後は逐一流れが停滞するのでだれてしまう。良質な試合どまり



試合結果
ルーク・ハーパー(ch) vs.○ドルフ・ジグラー IC王座ラダーマッチ 新王者誕生
○ジョン・シナ vs. セス・ローリンズ(w/ジェイミー・ノーブル&ジョーイ・マーキュリー) テーブルマッチ
ディーン・アンブローズ vs.○ブレイ・ワイアット TLCマッチ


キャンディス・リレイ vs.リッチ・スワン トーナメント1回戦
スワンが端的に力量差や性差を示し、ヒール寄りの立ち回りをすることで、合法的に道化を演じています。身体能力の高さも織り交ぜて、埋められない壁をわかりやすく示している。
反撃のプロセスに油断をナチュラルに組み込みながら、キャンディスが被虐をメインにしっかりと受け切ったことで、試合が成立しました。よいオープニングです。


チャック・テイラー vs.ジョニー・ガルガーノ トーナメント1回戦
アクションも攻防もゆるい序盤。この二人ならではのユニークなやり取りは見ごたえがありますが、PWGの空気に迎合しすぎて緊張感に欠ける。終盤にひとつ矢継ぎ早に素晴らしい攻防を見せるものの、あっさりと終らせてしまうトーナメント仕様で、もやもやとしたものが残る。良い試合。



リコシェ vs.クリス・セイビン トーナメント1回戦
身体能力を生かした軽やかな攻防を作っています。自由な反応を見せる会場にレスポンスを緩やかに返しながら、独創的に試合を運び。畳みかけるように技を重ねるだけではなく、互いの長所を引き出しあうように技の使い方を考えていますね。
数を重ねる攻防を提案したのだから、最後は工夫がほしかったですね。恰好がついただけで終わってしまいました。良質な試合止まり。



レッドラゴン(カイル・オライリー&ボビー・フィッシュ) vs.ビフ・ビューシック&ドリュー・グラック
テクニックを見せた上で、タッグ屋としての地力をレッドラゴンが見せつけます。個人間の力量をグラックとビューシックに傾かせ、タッグアクションの詰め込み具合でバランスをとっています。ビューシックとグラックは高度な連携は少ないものの、アシストに妙を見せて孤立を作り出しています。
多人数のアクションを極力抑えて、広げ方を模索しながら、入り乱れるよりは、WWEライクなタッグムーブを使った試合運びで内容を整理していきます。忙しい試合というよりかは一つ一つのムーブに余韻を持たせるような進行で、テクニシャンとしての力量をたっぷりと見せつけた内容に。好勝負。


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試合結果
○キャンディス・リレイ vs.リッチ・スワン トーナメント1回戦
チャック・テイラー vs.○ジョニー・ガルガーノ トーナメント1回戦
○リコシェ vs.クリス・セイビン トーナメント1回戦
レッドラゴン(カイル・オライリー&○ボビー・フィッシュ) vs.ビフ・ビューシック&ドリュー・グラック