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コアドラのプロレス研究室

プロレスレビュー、泥陀羅、ライブ雑感記など書いてます。
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エイドリアン・ネヴィル(ch) vs.サミ・ゼイン NXT王座戦
身体能力からくる軽さを見せながら、レスリング的攻防に立体感を出していきます。
身体能力に大幅な依存を見せなくなったこのカードですが、動きは多いのは変わらずも、飛翔の意味付けを重くして、WWE向けの調整は完璧。NXTを通して回数を重ねたことで、スローテンポの試合運びも容易に行えるようになりました。
ゼインのトペコンで大技ベースの構築へ。余韻をきかせる展開とレフェリー絡みのスポットで内容十分。ベルト絡みのスポットに時間を割きすぎた節はありますが、ボリュームの多さを考えると、さして問題ではないか。装いも新しい数え歌が、ひとつの完成系を見せました。好勝負。





試合結果
エイドリアン・ネヴィル(ch) vs.○サミ・ゼイン NXT王座戦
関本大介 vs.杉浦貴 (BJW:2014/08/31)
直球のプロレスです。杉浦の挑発に安易に乗らず、関本がじっとこらえたのは素晴らしい見せ方です。純粋な力量で持って潰すために、感情的になることを選ばない気概が出ています。
杉浦も過激な技で応対。この辺はNOAHの流れを汲んでいますが、肉体的に劣るので、打撃だけでは何かリアリティに欠けますし、この立ち回りでイーブンに持ち込むのは悪い発想ではありません。埋め合わせられないものは、ハードヒットで数を多く重ねることで補い、関本をぐったりさせるまで執拗にやるプロセスも踏めている。
分かりやすい真っ向勝負の肉弾戦ではありますが、それ故に、わかりやすく白熱しますね。素晴らしい好勝負。



試合結果
○関本大介 vs.杉浦貴


トマソ・チャンパ vs.マイケル・エルガン トーナメント1回戦
よーいドンで殴り合い。そのままラフファイトに走ります。早い段階でいろいろと詰め込んでいますが、反応が良いので親和性は高い。
超滞空ブレーンバスターを股間掴みで返したりと自由にやり取りを紡いでいますが、苛烈さに裏打ちされていて、肉弾戦としての迫力に満ちている。エルガンがディティールを調整しつつ、疾走感を維持。チャンパもサブミッションをここぞで使えるようになったので試合運びに深みに出ました。自由律で騒ぐファン達に対して、ムーブメントを生み出せたのはこの二人の肉弾戦だからこそでしょう。
トーナメントの形式を逆手にとって、ラリアットを頂点に持ってきたのは素晴らしい感覚でした。好勝負。


AJスタイルズ vs.ブライアン・マイヤーズ(カート・ホーキンス) トーナメント1回戦
構図としては一応元WWEvs元TNAですが、如何せん比較するのは、むごい空気。AJの一挙手一投足に注目が集まり続けます。
分かりやすいヒールvsフェイスの構図。スタイルズもBCの立場を崩さない程度に試合を作っています。
マイヤーズもトレント?と似たような状況ですね。どこまで出していいのか測りかねてるのか、印象に残るようなムーブの一つも出せていない。独創性は忌んでいないという片鱗は一部には感じるが、不発気味。凡戦というのも厳しいですね。


ドリュー・グラック vs.カイル・オライリー トーナメント1回戦
例によって好き勝手な反応を示すファン達。適宜反応を返しつつ、濃厚なレスリングで即座に空気を変えて見せます。良くも悪くも自由な会場で、ピュアな技術で黙らせてみせるのは素晴らしい。
緩急として使う打撃の使い方もうまいですね。数を重ねずに一撃の余韻を聞かせています。
技の攻防で唸らせるのは良いものの。重ね方はまだまだ改善の余地がありますね。倒れていることの意味付けを打撃でしか見いだせていません。サブミッションのやり取りで十分に魅せれるので、ダメージ表現に気を配るとこの内容で深みのあるものになったでしょう。オライリーがうまく形を付けようとしましたが、試合を通してやれるとよかった。ぎりぎり好勝負としましょう。


マウント・ラッシュモア(アダム・コール&ニック・ジャクソン&マット・ジャクソン) vs.ベスト・フレンド・オブ・ロー・モラル・ファイバー(ザック・セイバー・ジュニア&チャック・テイラー&ケニー・オメガ)
セイバーのヨーロピアンレスリング由来の鮮やかなテクニックで瞬時に空気を作り上げます。コールはヘタレではなく見得を切って張り合おうとしていますね。
YBの行動はよくわからなかったものの、お次はテイラーの時間。周りのサポートを受けながら手短に試合を盛り立てました。素晴らしいアピールです。
ケニーがようやくリングに入ると、試合を加速させ多人数スポットへ。矢継ぎ早に展開を変えていますね。序盤から詰め込んで見せると負傷中のトレント?も入って場面転換。
セイバーの孤立も手短でしたが、全体的に展開の移ろいが早い進行です。オメガの爆発力、セイバーのサブミッション要素が加わったことで、試合の展望に大きな変化をもたらすことが出来ました。
使える環境全て詰め込んで、ファンマッチとして非常に高い完成度を誇った試合を完結させました。MOTNの好勝負。




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試合結果
トマソ・チャンパ vs.○マイケル・エルガン トーナメント1回戦
○AJスタイルズ vs.ブライアン・マイヤーズ(カート・ホーキンス) トーナメント1回戦
○ドリュー・グラック vs.カイル・オライリー トーナメント1回戦
マウント・ラッシュモア(アダム・コール&ニック・ジャクソン&マット・ジャクソン) vs.ベスト・フレンド・オブ・ロー・モラル・ファイバー(ザック・セイバー・ジュニア&チャック・テイラー&○ケニー・オメガ)


ボビー・フィッシュ vs.TJパーキンス トーナメント1回戦
キャッチスタイルの試合運び。ゆるく蹴り合いを始めてPWGの空気にも合わせたところで、フィッシュの老獪さが光る。トリッキーな打撃を混ぜた脚攻めは変幻自在でTJPのダメージ表現も生々しい。
ややあっさりなところもあるものの、ピュアなレスリング要素が光る素晴らしいオープニング。もう2,3分くらいやってれば好勝負にしても良かった。トーナメントの弊害が出てしまいましたが、良質な試合。


ビフ・ビューシック vs.ロデリック・ストロング トーナメント1回戦
堅いレスリング。軽快でありながら、やり取りは厳しく当たっています。打撃とレスリングをバランスよくちりばめていて、心地よさを感じます。
ビューシックにとってはエドワーズとの一戦が頭にあるでしょうし、ロデリックにとってはこれまでの経験をつなぎ合わせて、最適解を導いています。
ビフがトペコンでビッグスポットを作ると試合のペースはアップ。ダメージを軽くして、動き続けることを念頭に置いていますね。停滞をかなり少なくしています。トーナメント仕様で短時間の試合になるということを見越した構築で、端的にこの試合の可能性を示しました。良質な試合。


トレヴァー・リー vs.セドリック・アレキサンダー トーナメント1回戦
ユニークな引き出しを多く開けながら、リングを広く使った駆け引きを見せています。ファンからのリアクションに乗っかりすぎない程度に返す余裕もある。乗っかりすぎると内容が逐一軽くなりますが、そうなることなく適切な返答を出来ていますね。
リーが細かに調整を働かせて、サブミッションもうまく落とし込むので、強弱も繊細です。ただし、両者に共通して言えることは勢いに任せると細かなところでミスが出てしまいますね。若さゆえと言えば聞こえはいいですが、精度を上げて見栄えや確実性を上げることも今の二人には必要な事項です。フィニッシュはインパクトはあるが唐突。やはりトーナメント仕様になっています。良質な試合。


ワールド・キューテスト・タッグチーム(ジョーイ・ライアン&キャンディス・リレイ)(ch) vs.ジ・インナーシティ・マシンガンズ(リコシェ&リッチ・スワン) vs.フランキー・カザリアン&クリストファー・ダニエルズ PWGタッグ王座3WAYマッチ
ライアンがゆるい空気を作り上げてしまうと、そのまま突っ走ってしまうかと危惧されましたが、ダニエルズがうまく乗っかったうえで料理してくれました。
ICMはチャントが起きてしまうのに対してスルーして、タッグムーブで試合を締めてくれる。3WAY形式もあって、交代絡みでの駆け引きもうまく見せています。
ダニエルズ、カザリアンもヒールに寄りながらも、豊かなタッグムーブを持ち合わせているし、新たな攻防が生まれたことで展開が広がりました。
困ったらキャンディスという大前提がある中で多少過剰になってでも展開を詰め込んだものの、やや間延びが目立った印象。参加人数が多いとキャンディスの孤立も作りにくいですからね。好勝負に及ばずの良質な試合。



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試合結果
ボビー・フィッシュ vs.○TJパーキンス トーナメント1回戦
ビフ・ビューシック vs.○ロデリック・ストロング トーナメント1回戦
○トレヴァー・リー vs.セドリック・アレキサンダー トーナメント1回戦
ワールド・キューテスト・タッグチーム(ジョーイ・ライアン&○キャンディス・リレイ)(ch) vs.ジ・インナーシティ・マシンガンズ(リコシェ&リッチ・スワン) vs.フランキー・カザリアン&クリストファー・ダニエルズ PWGタッグ王座3WAYマッチ


アダム・コール vs.ロデリック・ストロング PWG王座#1コンテンダーズマッチ
軽妙なやり取り。コールは緩やかにヘタレを、ロデリックは勝気をちらつかせています。
ロデリックがハードヒットに寄った展開を見せようとしたので、コールは序盤くらいは徹底的にヘタレても面白かったかもしれません。試合の指針がぶれるので、ヘタレた方がいい時にヘタレられないのは深刻ですね。
ロデリックはいつも通り腰、コールは膝を狙う流れで、攻防もある程度広がりが出て、流れに直結した動きも増えたのが良かったですね。見どころの多い内容でした。良質な試合。


カイル・オライリー(ch) vs.クリス・ヒーロー PWG世界王座戦
キャッチ・レスリング。
試合と関係ないと言いたいですが、ヒーローの体があまりにみっともないですね。体重が増えたからこそ、映えるものもいくらかはありますが、それにしたってえ、太りすぎです。キレが落ちてしまったからあえてこの導入にしてしまったのかと勘ぐってしまう。
一切の脱線を見せずにキャッチスタイルを黙々と続けます。地味な展開ではありますが、それを打ち消すべく。要所でヒーローがハードヒットを使いたがり、オライリーも呼応するのでスタイルとしては親和性が高い。
ハードヒットに振れだすと、体格差も試合の中にうまく取り込んでいますね。ヒーローも動きが重いなりに、極攻めの拷問を見せて動きを少なくしています。
間延びが目立ったので、せっかくハードヒットを使うのであれば、緩急を見せてほしかったですね。ヒーローは久々のロングマッチを想定した試合運びを見せていましたが、ロングマッチの前提は、当人が身軽に動ける事も含んでいたし、退屈なのは覚悟してちょうだい、フルタイムでやりきるからという暗喩をするもの。
退屈しすぎないように細かに攻防で見せたり、ハードヒットを見せた上で、終盤につなげましたが、エネルギーをため込んでるとは言い難い。35分近い熱戦も、ヒーローvsパンクや、ヒーローvsアメドラで見れる光景には程遠い。良質な試合。


ヤング・バックス(ニック&マット・ジャクソン)(ch) vs.ワールド・キューテスト・タッグチーム(ジョーイ・ライアン&キャンディス・リレイ) PWGタッグ王座ゲリラ・ウォーフェア
YBがしょっぱなからトぺを椅子で迎撃し、さらには必殺技を未遂に終わらせ、そうかと思えば、キャンディスがスパドラマスクでバイオレンス・パーティー。子気味良く内容を詰め込みました。エネルギッシュな導入です。
導入から無法地帯と化してしまったので、試合における軸がとっ散らかってしまったきらいはありますが、困ったらキャンディス潰しというお題目があるため、困ったらそこに落とし込むことが出来ています。攻め口も腹部と腰で完結しています。
凶器を使うだけ使い、好き放題な展開に、片っ端からエネルギーを使っています。イス、ゴミ缶を中心に扱い、やりきったところで一番最後の過激な仕上げ、画鋲を導入し、単なるハードコアから、デスマッチの領域へ足を踏み入れます。
YBがあまりに狂った仕掛けをしてくれました。キャンディスに場外でスパイクツームストンに始まり、ライアンの口に画鋲を詰め込んでスーパーキック、さらには画鋲付きのシューズ。既に流血したキャンディスに蹴りつけるだなんて、正気の沙汰ではありません。あまりの流血にけいれんを起こすほどのおぞましい光景も、YB、ライアンのフォロー、何よりもキャンディス自身の尋常ではないほどの活躍で、試合を締めくくりました。素晴らしい好勝負。




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試合結果
アダム・コール vs.○ロデリック・ストロング PWG王座#1コンテンダーズマッチ
○カイル・オライリー(ch) vs.クリス・ヒーロー PWG世界王座戦
ヤング・バックス(ニック&マット・ジャクソン)(ch) vs.ワールド・キューテスト・タッグチーム(ジョーイ・ライアン&○キャンディス・リレイ) PWGタッグ王座ゲリラ・ウォーフェア 新王者組誕生