先日、
ZOOMで小児の皮膚疾患の勉強会があり、
3人の医師の講演を聴きました。
講演のあとに、質疑応答の時間があり、
「さまざまな治療法がでてきておりますが、アトピー性皮膚炎は治る、と言えるのでしょうか?」
という質問に対し、
講演した皮膚科教授は、
「アトピー性皮膚炎は治らない」
と答えておりました。
「長期に寛解(湿疹がなく、まるでアトピーでない状態)を得られる場合もあるけれど、
アトピー素因はなくならないので、その後、湿疹を再燃する人が多いです。」
とのことでした。
ついに言った。これが真実です。
「アトピーは治らない」⇒「アトピーは、現在の標準治療では治せない」のです。
それは、小児科医師、そして、若手の皮膚科医(もしかして熟練皮膚科医も?)に、衝撃をもたらす事実です。
「ステロイド外用薬で、湿疹を抑えていないと、アトピーになっちゃうよ」
と、小児科の医師に言われたことはありませんか?
小児科医師は、本気で、
「ステロイド外用薬で湿疹をゼロにしていると、将来、アトピーにならない」や
「ステロイド外用薬でアトピーをコントロールすると、将来、重症のアトピーにならない」と
思い込んでおりますから、
「ステロイド忌避(ステロイド外用薬を塗るのを嫌う)の患者さんや親御さん」に対し、
非常に厳しい言動で怒りますでしょ?
それだけ、彼らのステロイド外用薬に対する信頼が強いのです。
現在の皮膚科学会や小児科学会は、
「将来アトピーを発症させないため、重症のアトピーにさせないために、ステロイド外用薬を塗って湿疹ゼロ作戦」
を展開し、それを標準治療としておりますが、
蓋をあけてみると、
「標準治療では、アトピーは治らない(予防できないし、治癒させることはできない)」のです。
標準治療といわれるステロイド外用薬を塗る治療は、
単なる対症療法(痒い湿疹を一時的におさえる)であり、
もともと「治癒」を目指す治療ではないので、
あたりまえですよね。
いまや、アトピーの「対症療法」の手段は、ステロイド外用薬以外に、
プロトピック軟膏、コレクチム軟膏、モイゼルト軟膏、シクロスポリン、デュピクセント、ミチーガ、アドトラーザ、イブグリース、オルミエント、リンヴォック、サイバインコなどと、
手段が沢山ありますが、すべて、一時しのぎの薬です。
それらを駆使して、皮膚炎をおさえ、寛解(湿疹が消失すること)にもっていけるかもしれませんが、
治癒させる薬ではありません。
それどころか、
「赤ちゃんや幼児にステロイド外用薬を塗る」と、自己治癒力が壊され、
その後の人生で、難治性湿疹を繰り返すようになり、
これらの薬を次々と使わざるをえなくなります。
これが、標準治療の現実です。
「アトピーを治す」なら、標準治療の真逆をすればよい、ということです。
それは、
ステロイド外用薬を塗らない
ステロイド以外のアトピーの外用薬を塗らない
保湿剤を塗らない
ボディソープやシャンプーをつかわない
湿疹を治そうとしない
自由に掻かせる
生後4か月くらいから、離乳食を食べさせて、しっかり栄養をとらせる
という、昔ながらの子育て方法で十分なのです。
そうすると、未熟な肌がゆっくり発達し、成熟し、自己治癒力を発揮し、
小学1年生頃までに、湿疹は自己治癒してしまいます。
ステロイド外用薬を塗ってしまった場合は、湿疹が治りにくくなりますが、
ステロイド依存の強さは個人差がありますので、
脱ステロイド&脱保湿で、
すみやかに湿疹が治まるタイプと、
湿疹がおさまるまで長期に時間がかかるタイプと、
湿疹が治まらず継続するタイプとに分かれます。
湿疹が治まらず継続するタイプでは、脱ステをあきらめて、標準治療に戻る患者さんも多いです。
そういう方は、もしかすると、湿疹を回復させないこと(保湿や栄養不足など)
をしてしまっているかもしれません。
アトピーにステロイド外用薬を塗ると、脱ステして湿疹が治まるまで、大変苦労しますので、
できるかぎり、ステロイド外用薬は1回も塗らない決意で、
赤ちゃんを守ってあげることをお願いしたいです。
今回のZOOM勉強会は、一地方に現局した勉強会ですので、
一部の小児科医には、衝撃を与えることができたでしょうが、
まだまだ全国には、
「頭がステロイド依存の小児科医や皮膚科医(ステロイド外用薬でアトピーを予防したり治せると思いこんでいる医師)」
がうじゃうじゃおりますので、
そういう医師に対し、
ステロイド外用薬を使用したくないと言おうものなら、
「ステロイド外用薬を塗らないと、将来、アトピーになっちゃうよ!アトピーが重症化するよ!」
と激怒されますので、
気を付けて下さい。