アトピーのお子さんの保護者から、
「ステロイド外用薬は、
どのくらいの期間なら、
塗ってよいのでしょうか」
という質問をよく受けます。
それに対しての答えは、
「ステロイド外用薬は、
3日塗っただけで、
肌の自己治癒力に影響する可能性がある。」
ドクターゆきは、
そのように考えています。
依存を伴わない
ステロイド外用薬の
安全な使用期間というのは、
検証されたことはありませんので、
あくまでも、ドクターゆきの臨床経験からの
憶測になります。
しかし、
生態の仕組みから考えると、
外部からの高濃度のステロイド外用薬が、
表皮細胞のステロイド産生能力に
影響を与え無いはずはないでしょう。
ロコイド軟膏は、
表皮細胞が産生するコルチゾールの約100倍の強さと推察されています。
実際の
脱ステロイドの臨床現場では、
全くステロイド外用薬を塗ってない
お子さんのアトピーは湿疹が治まりやすいが、
ステロイド外用薬を塗られたことのある
お子さんのアトピーは湿疹が治まりにくい、
という傾向が見えます。
アトピーではない
成人の湿疹についても、
過去に
ステロイド外用薬を塗った部位に、
数年後、
原因もなく難治性の慢性湿疹を
発症するという現象を多くみます。
その湿疹は、
ステロイド外用薬塗布で一時は治まるも、
そのうち、また再燃し、
患者も医者も
なぜ湿疹を繰り返すのか、首をかしげながら、
ステロイド外用薬を繰り返し使用している、
という現状です。
現在、
赤ちゃんのよだれかぶれ、アセモ、オムツかぶれ、耳切れなどに、
ロコイド軟膏のような
ランクの弱いステロイド外用薬を
よく処方されていますね。
「弱い薬だから大丈夫ですよ」といわれて
処方され、
その当時は、ロコイド軟膏外用で湿疹が治まり、
繰り返す湿疹に何度か塗り、
しばらくは、
問題ない時間を過ごすことができるでしょう。
しかし、
思春期、または、成人してから、
口周り、首、耳、陰部、臀部、乳房、手などに
難治性の原因不明の湿疹を
突然発症し、
ステロイド外用薬を繰り返し使用している
大勢の患者さん達が
皮膚科に通院しています。
それらの湿疹の特徴として、
原因不明、
突然発症する、
ステロイド外用薬を塗ると治まるが、止めると再燃する、
同じ部位に繰り返す、
突然悪化する、
塗っても治らなくなる、
などです。
ドクターゆきは、
そのような湿疹は、
過去に塗ったステロイド外用薬の後遺症と
判断しています。
現実として、
表皮細胞には、ステロイド産生能力があり、
それにより、湿疹を治す仕組みがあります。
しかし、
ステロイド外用薬を表皮に塗ると、
表皮細胞の遺伝子に、
「ステロイドは、外部から供給される」
という情報が残ります。
外部環境により遺伝子発現が変化する、
という仕組みです。
それを「外部環境に適応する」といいます。
時を経て、
その情報が、発動され、
難治性湿疹として発症します。
ステロイドは、ホルモンの一種です。
微量でも効力を発揮するホルモンを
人間の手で操作しようとする
おこがましさの代償として、
難治性湿疹を発症させています。
数十年以上、
ステロイド外用薬を塗り続けている、
それでも湿疹が治らないという
患者さんは、
臨床現場でよくみられ、
皮膚科通院を止められません。
ですから、
ステロイド外用薬は3日間なら大丈夫だろう、
というなんの根拠もない考えから、
塗ったことで、
数年後、または、数十年後に、
難治性のステロイド誘発性皮膚症として、
発症する可能性は
否定できません。
そもそも、
「ステロイドというホルモンを使って、
湿疹をコントロールできる」
なんて考えは、
大変大きな間違い、
大きな勘違いであって、
人体の仕組みを侮っている、
人間の傲慢さからの発想だ。
ドクターゆきは、
そのように思います。