40代の男性が来院されました。


右肘と左スネに湿疹がでたので

塗り薬が欲しいとのことです。


子供のときにアトピーとかの記憶はないそうです。


湿疹の原因になるようなことをしたり、

触ったり、

塗ったりしなかったか質問すると、

「いやー、何もしてないのに、

症状がでたのですよね。」

とのことでした。


問診票の

ステロイド外用薬の使用希望かどうかについては、

「使用してよい」

に◯がついてました。


ドクターゆき

「うーん、言いづらいのですが、

これは、ステロイド誘発性皮膚症、

ステロイド依存の湿疹ですよ。」


過去のカルテをみると、

2年前、

4年前、

7年前に、

全く同じところに湿疹ができて、

ドクターゆきのクリニックでステロイド外用薬を処方してます。

 

しかも、

7年前の初診時のカルテから、毎回、

「ステロイド誘発性皮膚症」と記載されてます。


毎回、同じ説明をして、

患者さんの希望により、

ドクターゆきは、

ステロイド外用薬を処方してたのでした。


そのお話をすると、

患者さんは、

覚えてない、とのことでした。


今回も、患者さんは、

ステロイド誘発性皮膚症、

ステロイド依存について、

理解したのかしてないのか、

首をかしげながら、

「とにかく、今の湿疹が治まればよいです。」

ということで、

また、ステロイド外用薬を処方しました。


このように、

アトピーでなくても、

ステロイド誘発性皮膚症を発症している方の受診が、多いです。

ほとんどといってもよいでしょう。


おそらくですが、

7年前に、

ドクターゆきのクリニックを初診されるよりも、

ずっと前の

幼少期から小児期頃に、

アセモや虫さされなどで、

ステロイド外用薬を使われ、

その後は、

ステロイド誘発性皮膚症で湿疹を繰り返し、

その度にステロイド外用薬で症状を抑えてるのだと予想いたします。


ステロイド外用薬を使用すると、

数日で湿疹が治まるため、

記憶に残らないのでしょう。


「皮膚科は、湿疹を抑える塗り薬をだすところ」

と思っているようですが、

その塗り薬のせいで、

繰り返し湿疹が起こっていることを

全く気にもしてないようです。


大半の皮膚科医も小児科医も同様に、

「毎年来院される患者さんが、

乳幼児や小児期に処方されたステロイド外用薬の副作用で、

湿疹を繰り返してるのだ」

と理解していないでしょう。

(ステロイド誘発性皮膚症やステロイド依存については、タブーとされており、

それを口にすると、

陰謀論者扱いかキチガイ扱いされます。)



医師が、良かれと思って、

赤ちゃんや幼児に、

虫さされやアセモや

おむつ皮膚炎に、

「塗り薬をだしますが、

湿疹が完全によくなっても、

まだ潜在的な炎症が残ってますから、

しばらくは塗ってください」

と言って処方したステロイド外用薬が原因で、

成人してから、

湿疹を繰り返すようになっていることを

全く理解してないでしょう。



そして、

ステロイド外用薬を塗って、

毎回ステロイド誘発性皮膚症を抑えていくうちに、

ついには、治まらなくなり、

自家感作性皮膚炎、

多型慢性痒疹、

結節性痒疹、

難治性成人発症アトピー性皮膚炎

などの難治性の湿疹に発展していきます。



そして、

それらにも、

ステロイド外用薬を塗らせまくり、

ついには、手に負えなくなると、

デュピクセントなどの高額な薬剤にもっていきます。


皮膚科医や小児科で湿疹の治療を受ける、

ということは、

「今だけよければよい。

先のことは気にしない」

という医療を受けることです。


しかし、

細菌感染やウイルス感染のときは、

現代医療に頼り、

抗生剤や抗ウイルス剤に頼ると良いでしょう。


一般の方には、

それらについて区別がつかないでしょうから、

医療機関で、細菌感染かウイルス感染なのかは、

診てもらうとよいです。



冒頭の患者さんは、

おそらく、今後も、同じ湿疹を繰り返すことでしょう。

そして、

「この湿疹がステロイド外用薬の薬害で起こっている」

そのことを理解する日は来ないのではないかな。