60代の男性患者さんのお話です。



昨年8月から、顔から始まり、首、背中、手、腕に湿疹が広がりました。


すぐに他の皮膚科で、

顔にリンデロン軟膏処方されましたが、治らず。



9月には、

顔にリンデロン軟膏継続、

手にダイアコート軟膏、

腕と体にデルモゾールDPクリーム

と、ステロイドのランクが上がってます。



10月に、別の皮膚科で、

頭にアンテベートローション(ステロイド)、

他は、コレクチム軟膏(アトピーの抗炎症剤、JAK阻害剤)が追加されました。



12月に、市立病院を紹介され、

顔に、プロトピック軟膏(アトピーの抗炎症剤、免疫抑制剤)、リドメックス軟膏(ステロイド)

腕にアンテベート軟膏

頭にデルモベートローション(ステロイド)

など処方され続け、


それでも治らない!





今年の2月半ばにドクターゆきのクリニックを受診されました。


顔や首、耳、背中、手、腕が、湿疹で真っ赤です。とても痒い、と訴えておられました。


ドクターゆき

「ああ、これは、

シャンプーやリンスのカブレですよ。」


患者さんは、リンスは使わず、シャンプーのみを使用している、とおっしゃいました。

念の為、聞くと、ヘアカラーや白髪染めはしてない、とのことでした。


ドクターゆき

「頭、顔、首、背中、手、腕に湿疹あるでしょ。


これは、全部、シャンプーの流れていくところに湿疹ができてるのですよ。


シャンプーは、すすいでも完全に落とすことはできないのです。

どんなに完璧に落としたつもりでも、

必ず肌や産毛や髪の毛に残ります。


それを証拠に、入浴後の寝る前に、

肌や髪の毛に、シャンプーの匂いが残っているでしょ?


そのシャンプーが汗で溶けて、肌に染み込んで、湿疹ができてるの。


ようするに、シャンプーのカブレなので、

シャンプーを止めると、

おそらく、みるみる良くなって

びっくりするでしょうね。


シャンプーの成分のどれが原因かは、

調べるのが難しいので、できないので、


シャンプーを止めて、湯シャンにするか、

必要なら、

純石鹸シャンプーを使うとよいですよ。」



患者さんに、シャンプーごときが、と思われて、

シャンプーを止めてもらえないことになると

治せないので、


ドクターゆきは、

慎重に、真剣にお伝えしました。


ステロイドは、急に止めると、リバウンドがくるかもしれないので、強さを弱めて処方しました。




そして、2週間後、

顔や耳の湿疹は、ほとんど消えてました。

頭と手、背中に、まだ痒い湿疹が残っています。

患者さんは、シャンプー止めて湯シャンにしてる、とのことでした。




それから、さらに4週間後の3月末に、

患者さんから、

「痒くないのですが、まだ、塗り薬は塗る必要がありますか?」

と問われました。



どれどれ?と、診察してみると、

あら、



そうです!

湿疹がなくなり、

塗り薬を塗るところが、どこにもない状態でした!



ドクターゆき

「本当に、良かったですね。


昨年の8月からの湿疹は、シャンプーのカブレだったのですね。


気がついて、すぐに止めていれば、半年も痒い思いをしなくて済んでいたと思いますよ。


なんでしょうね。

皮膚科医も、シャンプーごときが、って思って、

気付かないことが多い、のかもしれません。」



患者さんに、「先生は、すごいですね」

と言われましたが、



たまたま、

ドクターゆきは、

「シャンプーのカブレをあなどらない」

というスタンスを持っていたので、

気づけたのだと思います。




そうです。

おそらく、

シャンプーごときのせいで、

長年、「アトピー」と診断されて、

ステロイド塗っても治らない

「シャンプーカブレ」の患者さんは、

比較的、多いと思います。



なぜなら、

この患者さん以外でも、

「シャンプー止めて湿疹が治っちゃう」

患者さんを大勢診てますから。



大人の使うシャンプーの成分と、

赤ちゃん用のシャンプーやボディソープの成分は、

同じものを使われています。



他の医療機関で、アトピーと診断された赤ちゃんでも、

ベビーシャンプーやベビーボディソープを止めると

速やかに治っちゃう、という経験が驚くほど多いです。



しかし、

残念ながら、

シャンプーカブレに気づかず、

ステロイド外用薬を使われた赤ちゃんは、

治るのが遅くなります。


でも、

赤ちゃんの自己治癒力で、必ず良くなりますから、

湿疹が良くなるまで、

親御さんの

忍耐力で乗り越えていきましょう。