今日も、何人もの脱ステロイド、ノンステロイドを実践している子供たちが、
診察にいらっしゃいました。

皆さん、良くなっていて、うれしいです。
冬は、乾燥するので、痒くて掻きますが、
赤い湿疹やジュクジュクした湿疹が軽くなっていきます。

乾燥すると、肌は、細胞分裂を増やして増殖しやすくなり、
また、コルチゾール(=ステロイド)を産生しやすくなるので、
湿疹が良くなりやすいです。

この時期に、しっかりとタンパク質やビタミン、ミネラルを摂取して、
丈夫な肌を作っていきたいものです。

全身にひっかいた傷だらけの女の子(5歳くらいだったかな)がいらっしゃいましたが、
湿疹はほとんどゼロでした。乾燥と痒みで掻きまくっているようですが、傷も浅いので問題ないです。
「順調に肌が良くなっているよ。掻いてもいいんだよ。」とお話すると、
ニコっとして、安心した顔をしていました。

夜に、親と一緒の布団で寝ると、体温で暑くなり、痒みで掻きまくりますので、
なるべく、親と一緒の布団ではなく、一人で布団に寝かせた方がよいですね。

 

脱ステロイド開始1か月半程度で、湿疹がゼロになったお子さん(4歳位だったかな)もいらっしゃいました。
ママやパパもうれしそうに、「かゆみ止めの内服薬はもういらないです。」とのことで、
ビオチンとミヤBMのみもらっていかれました。

9歳で減ステロイドを開始した子も、半年がすぎ、ステロイド外用薬を大量に塗っていた頃より、顔がきれいになっています。体は掻き傷やカサブタが多いですが、ジュクジュクはなく、親子ともども、「減ステロイド」の手ごたえを実感しているようです。ママも「自由に掻かせています」と落ち着いた雰囲気です。リバウンドの激しかった時は、親子ともども、不安で心配で大騒ぎだったのが嘘のようです。

5歳で脱ステロイドを開始して、10歳でもまだごわごわした湿疹が四肢に続く男の子も、
「今は、痒みがない」と言っていました。何年もかけて湿疹が少しづつ良くなっています。少し前に「湿疹が痛くて、他の子と同じことができないのが悲しい」と言っていましたが、今は、スポーツを楽しんでいるようです。

どのお子さんも、入浴はシャワーのみで、週に1回1分程度にされています。
お股だけは毎日拭くか、すすぐかのいずれかをしてもらっています。

体に石鹸は全く使いません。

頭だけは臭くなったら、純石鹸(ミヨシかシャボン玉石鹸)で洗うようにしています。
パパやママもお湯だけ洗いにしてもらって、肌の表面に表皮ブドウ球菌(美肌菌)を増やし、お子さんにくっつけてあげるようにします。それが、お子さんの表皮ブドウ球菌(美肌菌)を増やす応援菌となります。

保湿剤や塗り薬はせず、自由に掻かせています。
食事制限もせず、バランスよく食べるようにしてもらっています。

 

気がかりなのは、新患の赤ちゃんです。


生後2か月のアトピーの赤ちゃんは、多剤耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が湿疹についていました。
ママの採血をすると、やはり、タンパク質・ビタミンB・鉄・亜鉛が不足していました。おそらく、ビタミンDも不足していると予測します。
ママの栄養状態の改善のため、ビタミン剤を内服し、タンパク質、亜鉛や鉄を多く含む食材を摂るようにしていただきます。
すでに混合で与えてましたが、母乳より粉ミルク(濃いめの粉ミルク)の割合を増やしていただき、
ジュクジュクには強酸性水を朝と夜に吹きかけてもらい、フシジンレオ軟膏を薄く塗布。

1分程度の短時間の入浴を週に2回(細菌感染がなければ週1回がよいです)。

保湿剤を中止していただきました。
体重が平均より多かったのでよかったです。
なんとか、栄養を摂って黄色ブドウ球菌に負けないように、今がママの頑張り時です。

赤ちゃんのアトピーに強酸性水を使うことで、黄色ブドウ球菌感染症に負けてしまうことなく、
脱ステロイドでアトピーを治療できます。

この赤ちゃんも、栄養をしっかりとって、免疫力をつけて、乗り越えていくことでしょう。

こんな診療の一日でした。
「脱ステロイド」で乳幼児、小児のお子さんは、本当に良くなっていきますので、
是非、早めに開始していただきたいと思うのです。