脱ステロイドは、どんな患者さんが実践したらよいのでしょうか?

ドクターゆきは、
「患者さんがステロイド外用薬の副作用や後遺症についてよく理解し、
また、脱ステロイド治療の困難さを知ってもなお、患者さん自身が切に希望された場合」
に脱ステロイドの適応と考えております。

ですから、ほぼすべての患者さんに、
「ステロイド外用薬の副作用と後遺症(依存性や耐性)について」説明しています。

「ステロイド外用薬には、依存性(止められなくなること)と耐性(効果がなくなること)があるので、
使いだすと、はじめは効果があるように感じますが、そのうち、効かなくなり、ゆくゆく、止められなくなります。
次第に、症状は悪化し、ステロイド外用薬を使う前よりひどい湿疹がでるようになります。
そのような状態をステロイド依存症といいます。
それは、ステロイド外用薬を3日間塗っただけで生じる人もいれば、
数年塗ってから生じる人もいます。
いずれにしても、ステロイド外用薬を使いだすと、今後、湿疹が出やすくなり、皮膚科への通院が止められなくなります。」

「そして、残念ながら、○○さんは、すでにステロイド依存症の状態なので、
湿疹が今後も繰り返すと思いますが、
それをステロイド外用薬を塗りながら生きていくか、
それともステロイド外用薬を止める決断をするか、
今後、どうしていきたいか、ご自身で決めたらよいと思います。
しかし、ステロイド依存の強さによっては、ステロイド外用薬を止めると、リバウンドという非常にひどい湿疹が起こるために、人生が破綻してしまう場合もあり、よくよく理解した上で判断した方がよいと思います。」

とお伝えします。


そのうえで、高齢者の方には、「ステロイド外用薬とうまく付き合いながらやっていったらどうですか」とお伝えし、


「ステロイド外用薬を塗っていると、皮膚が薄く萎縮していき、ちょっとした刺激でも、傷ができたり、皮がむけてえぐれるようになってしまいます。ですから、大して気にならない湿疹なら、塗らない方がいいです。しかし、どんどん湿疹がひどくなり、生活に影響がでるようなら、しっかり塗るとよいです。でも、良くなったら、塗るのを止めてください。」とお話します。

若い人には、ご自身の判断にゆだねます。

そのように、ご自身の体にどのような治療を選択するかは、すべからく、「自己責任による自己選択」でなされるべきと考えています。

ステロイド外用薬を使った人ほぼ全員に、「ステロイド依存」を生じます。その中で、依存度が弱い方と強い方に分かれます。
もし、塗っていても「ステロイド依存」にならなかったのならラッキーです。そんなラッキーな方でも、いつ、「依存症」になるか分かりませんので、今後、湿疹が生じても、医療機関でステロイド外用薬をもらって塗らないことです。


難治な湿疹が続いているのであれば、
それは原因が何か、よくよく考えて、原因を避ければ、湿疹は自己治癒力で治ります。

何年も治らない湿疹があるのであれば、何かのかぶれや洗いすぎ、刺激などによるものでしょうか。
そういう理由もなく、何年も治らない湿疹があるのであれば、それは、過去にステロイド外用薬を塗られた可能性があるかもしれません。

一部の湿疹を気に病み、病院で相談すると、「これを症状が消えるまで塗るとよいです」とステロイド外用薬を処方されてしまいます。
そういう湿疹に、安易にステロイド外用薬を塗り始めると、はじめは効いているように感じますが、数年後には、強いレベルのステロイド外用薬を塗ってもおさまらないことに気づきます。
そして、塗っても効かないからとステロイド外用薬を中止すると、今まで湿疹の無かった部位にどんどん湿疹が広がります。
びっくりして、病院へいくと「汎発性湿疹」や「自家感作性湿疹」などと判断され、さらに、大量のステロイド外用薬を塗りつづける人生が始まります。

そういう道筋をたどる患者さんを随分と大勢診続けています。
アトピーでなくても、「ステロイド依存」で困っている患者さんがほとんどです。

そんな診療を続けていくうちに、
ステロイド外用薬の最初の一塗りから、その患者さんが今後どうなっていくかの未来が読めるようになってしまいました。


そういう私は、「キチガイ」ですか?「人を洗脳する宗教家」ですか?

皮膚科学会の大勢の医師は、私のような脱ステロイド医師をそのように呼んでいます。