80代の女性が、
「ロコイド軟膏を皮膚科でもらって、毎日せっせと塗っているけど、治らないんです。」
と受診されました。

陰部に痒みがあり、皮膚科でロコイド軟膏を5本(25g)処方され、塗っても治らなかったので、
1か月半後に、再度受診したら、また、ロコイド軟膏5本処方され、塗っていたそうです。
結局、4か月半もの間、毎日塗り続けていました。

そして、陰部を毎日せっせとボディソープで洗っていました。

診察すると、皮膚が薄くなっており、血管が透けて見えて、今にも亀裂ができそうな状態です。
ロコイド軟膏が必要な湿疹はありませんでした。
ステロイド外用薬の副作用の最悪な状態です。

ドクターゆき「ロコイド軟膏は、1週間以内の使用で、ほとんどの湿疹はよくなるので、それ以上に塗り続けてはいけない薬ですよ。」
とお伝えすると、
女性「でも、沢山もらったので、塗り続けてました。」

ドクターゆき「陰部は、男も女も、石鹸やボディソープで洗ってはいけないところなのですよ。」
とお伝えすると
女性「あら!?今まで、ずっと洗ってました。」
ドクターゆき「今後は、お湯だけでやさしくなで洗いにしてください。」

ドクターゆき「そもそもは、その洗っていることが原因だったのではないでしょうか。今は、ロコイド軟膏の副作用で大変な状況ですが。」
女性「前の皮膚科では、そんなことを教えてくれなかったから。。。」


早速、ロコイド軟膏を中止し、アズノール軟膏の少量(米粒くらいの使用で)塗りに変更。
陰部は、石鹸もボディソープも使用しないで、お湯だけで洗うようにしてもらいました。

5日後の診察で、皮膚の状態は最悪から改善しつつありました。
女性「おかげで、陰部の痒みや痛みがなくなり、下着に血がつくこともなくなりました。助かりました!」

・・・本当に、危ういところでした。このまま、ボディソープによる洗浄とロコイド軟膏を塗り続けていたら
、と思うと恐ろしく思いました。