おじさんとバッタリ公園ではちあわせてから数日後、


相変わらず性懲りもなくパチンコに行くとおじさんを


見つけた私は、珍しく私から話しかけた。


「こんにちは、どうですか?」


するとおじさんは首を横に振り笑った。私も笑顔を返すと


「みらいちゃんご飯食べた?」


そう言われたので、


「いえまだです」


とうるさい騒音の中でオーバー気味に首を振ると、回らなそうな


台を離れ、行こう行こうとしいうぐさをした。


おじさんとは出会ってから何年か経つけど、こうやって


パチンコ屋の外で一緒にご飯を食べるなんて初めてだった。


私はおじさんの後ろをついていくと、パチンコ屋から数分で


つく焼き鳥屋へ入って行った。


どうやらおじさんはこのお店も常連のようだ。店に入るとすぐに


お店のスタッフが


「おー!森田さんこんにちは。今日は早いですね。」


と挨拶されていた。ここで私はようやく気付く。森田さんっていうのか。


私は今までおじさんの名前も知らなかったのだ。


確か、パチンコ屋で何度か会話した時


「名前は?」


とおじさんに聞かれ、


「みらいです」


とは答えたものの、流れでおじさんの名前を聞くのを忘れて、


そのままここまで来てしまったのだ。


「あれ?お連れさん?娘さんですか?」


スタッフに聞かれるとおじさんは


「まぁね、めいっこみたいなもんよ」


と軽く受け答えしていた。私も特に気に留めず会釈をした。


席に着くなりおじさんは、


「ケン君いつものね。2つ」


と慣れた様子で注文した。私達は料理が来るまでの間、パチンコ台


についてあの演出がどうだとか、こんな激熱きたのにはずれた!


とかそんな話に花を咲かせた。おじさんは、堂々とパチンコの話が


出来る唯一の人だ。