おじさんの話を聞いて少し前向きになれた私は、
慌てずに少しずつ今の状況を見つめ直す事にした。
パチンコから完全に手を引く事が最終目標ではあった
が、今はそれを考えるだけで胸が鼓動打ち、パチンコ演出
が頭から離れない重症ぶりだったので、まずはほどほどに、
から始める事にした。
曜君は相変わらずこんな私に優しく接してくれた。
うちに遊びに来る時は、いつも私の好きな甘いお菓子を
沢山買って来てくれた。私が
「ありがとう、でも、こんなに食べたら太っちゃうよ。」
と言うと、
「みらいちゃんがどれが一番好きかわからないから、
コンビニのスイーツコーナー全種類買ってきたんだ!」
と嬉しそうに言っていた。
いつももらってばかりなのである日マフィンを作ってあげた時は
不格好で恥ずかしい代物だったのに、彼は本当に嬉しそうに
「ありがとう。大切にするよ」
と子供みたいな笑顔で言うので、
「大切にしなくていいから、食べてね」
と言ったが、1週間後珍しく暗い様子で電話してきた曜君は、
「ごめんみらいちゃん、こないだくれたマフィン、大切にしすぎて
カビが生えっちゃった。せっかく作ってくれたのに本当にごめん」
そんな事、言わなければわからないのに。大した事でもないのに。
私が作った大したことないマフィンをそんなに大切にしてくれる曜君が、
本当に愛おしかった。
「そんなに落ち込まなくていいよ。また作るよ。」
そう言うと、
「本当に?ありがとう。」
と笑顔がみえるような声で言った。
こんなにまっすぐに好きでいてくれる彼に愛されていいのだろうか?
嬉しい事なのに、後ろめたさが苦く残った。