「はい、お待たせしました!」


おじさんの注文したいつものとやらが来た。


キラキラと輝く焼き鳥の盛り合わせにチャーハン


卵焼き。どれも私が好きなものばかりだった。


「さあ、今日はおじさんのおごりだからどんどん食べて!


嫌いなものはないかな?」


おじさんに言われたので、


「わぁ、どれも美味しそう。いただきます。」


そう言うとおじさんは何だか嬉しそうだった。


見た目通り、どれもとても美味しかったので、つい箸は進むと


「うんそれで、ほら、こないだ公園で会った彼は彼氏かい?


好青年そうな男だね」


そう言われドキっとしたが、


「はい、そうなんです。誠実で優しくて、こんな私の事をすごく


大切にしてくれるんです。でも彼には私が毎日パチンコに行ってる


事を隠していて。本当の私はこんなだから。彼といると窮屈に感じて


しまうことがあるんです。なんていうか、本当の自分を出せないって


いうか・・」


「うんうん、公園であった時のみらいちゃん、私に話しかけないでー!


って顔に大きく書いてあったからすぐわかったよ。


みらいちゃんはパチンコをする自分が嫌いかい?そもそも本当の自分


ってなんだろうな。おじさんなんか職業柄色んな顔持ってるから、そのうち


どれが本当の自分なのかわからなくなってしまったんだよ。


うちの女房に聞いてみた事もあったな?


本当の俺ってどんな人なんだろうって。そしたら女房、本当のあなたなんて


ないわ。強いのも弱いのも自分勝手も優しいも誰しもが100%持ってるものよ。


どこでそれを使っているか、割合の問題でしょ?まぁ私には優しさ1の勝手9だ


けどね。でも、それだけマイナスな部分を出せるって事は信頼の証って事で、


それは良いことと受け止めておくわって。


みらいちゃんはきっとまだ、彼に自分の良い部分も悪い部分も受け止めて


もらえる自信がないんじゃないかい?だから良い部分しか出せない、悪い部分


はひた隠そうとする。それじゃストレスが溜るよね。人間悪い部分があって


当たり前なんだから。まずは時間をかけて信頼を築く事が


大事じゃないかな?」


話終えると、真剣な表情から一変にこやかな表情で


「なんて真剣なお話してみました」


とおちゃらけてみせた。


「いえ、その通りだと思います。貴重なお話ありがとうございました。」


おじさんが私の心にあったモヤモヤを代弁してくれたおかげで、すごく気持ちが


整理できた日だった。おじさん、ありがとう。こんなお父さんがいたらよかった


かも。