<メール転送> [軍学共同反対:6198] 「ガザに原爆」への抗議と「にんげんをかえせ」の思想 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

昨日(4月10日)午後、秋葉前広島市長らが記者会見をしました。3月25日のアメリカ
のウォルバーグ下院議員(共和党)の発言「ガザを長崎や広島のようにすべきだ。
手っ取り早く終わらせるのだ」に抗議し撤回を要請したのです。
毎日新聞《米下院議員の「ガザに原爆」発言 広島県原水禁ら抗議、撤回を要請》
https://news.yahoo.co.jp/articles/0cd9a1b21e810936e2a4d7efb5a266acd752b65a 
中国放送・TBS NEWS DIG《「メタファーとしても不適切」「広島・長崎に来て被爆者
と対話を」米下院議員の原爆投下発言めぐり原水禁が会見》
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1106854?display=1 
この許し難い発言に、広島から、岸田首相訪米に合わせて抗議の声が発せられたので
す。そして秋葉氏も語っているように、訪米中の広島出身の岸田首相こそ、連邦議会
で行う演説において、日本国民を代表して、このような連邦下院議員の発言に抗議す
べきだと思います。

その上で、この発言を「比喩」と弁解する議員の、そしてその比喩を受け入れる多く
のアメリカ国民の考えの根底にある考え自体を問わねばならないと思います。昨日の
ニュースは壊滅的に破壊されたハンユニスの状況を示しています。放射能の有無を除
けば、広島・長崎と似た光景です。
https://mainichi.jp/articles/20240410/k00/00m/030/280000c
イスラエルがこの半年行ってきたことはハマスを一掃することだけではなく、都市全
体を徹底的に破壊し、そこにいる人々を殺し追い出し、暮らしと文化を、社会を破壊
することでした。
そして今後これ以上逃げ場がないラファを攻撃することは、文字通り人々を皆殺しに
することを意味します。

ネタニヤフ政権はホロコーストの記憶を歪曲し、「力こそが国を守る」という論理で
攻撃を正当化してきました。
さらに10月7日以降、「ハマスは動物人間であり殺してもよい」「ガザの住民の7割は
ハマス支持=ハマスだ」としてジェノサイドに突き進んでいます。(添付した拙文参
照)

ハンユニスの瓦礫の山を見ると、ドイツによるゲルニカ爆撃と日本軍による重慶爆撃
から始まり、アメリカによる東京大空襲、そして広島・長崎の原爆投下に至る無差別
大量破壊が、今また繰り返されていると暗澹とした気持ちになります。
そしてイスラエルの閣僚が去年、原爆使用を辞さないと主張したのも、このような無
差別の破壊をイスラエル兵士の犠牲なく一瞬のうちに達成するために最も「効率的」
だと考えたからでしょう。ウォルバーグ下院議員はその後、その後批判されて、広島
と長崎を例示したのは早期終戦のための「比喩」だったと弁明したそうですが、単な
る比喩ではなく、このような本音があったと思わずにはいられません。

もちろん通常兵器による空襲・破壊と原爆投下は全く異なります。原爆は無差別大量
破壊をもたらすだけではなく、放射能被害、将来に続く後遺症、次世代への被害を生
み出します。しかしたとえ原爆を使わなくても、今イスラエルが行っていることは、
人々のいのち、人のつながり、暮らし、文化、社会を葬り去るジェノサイドであり、
人々の希望の芽を根絶やしにすることです。現にガザでは、子どもたちを殺された父
親が「早く殺してほしい」と語っているのです。

ちちをかえせ ははをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせ

わたしをかえせ わたしにつながる
にんげんをかえせ

にんげんの にんげんのよのあるかぎり
くずれぬへいわを
へいわをかえせ

これはガザの人々の叫びでもあると思います。