<原発短信> 6月23日福井県議会(全員協議会)で「仏への搬出が中間貯蔵と同等」に批判噴出 | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

6月23日に福井県議会(全員協議会)が開かれました。
 議員との質疑は16時過ぎから約1時間10分行われ、回答は、資源エネ庁の小澤
次長が行いました。質疑の内容を簡単に報告します。

 全員協議会の録画は以下から見れます。
  https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/036050/shitsumon-chukei/shitsumon-chukei-20230623.html

「わずか5%の使用済燃料を仏に搬出することが中間貯蔵と同等」に対し、批判が噴出
  議員はエネ庁の説明に納得せず、改めて説明を要求
 
◆「わずか5%の使用済燃料を仏に搬出することが、中間貯蔵の計画地点の確定
と同等」に対し、批判が噴出

 質問の冒頭は、自民党福井県議会の会長の山岸議員で、ラストの締めの発言が
自民党県議会の会長代行の仲倉議員でした。

 議員からは、西村経産大臣が「わずか5%の使用済燃料を仏に搬出することが、
中間貯蔵の計画地点の確定と同等」と福井県に説明したことに対し、批判が噴出
しました。その根拠を質す質問が繰り返され、エネ庁は「使用済燃料を県外に確
実に搬出する手段として意義がある。約束は果たされたと考えられる」と、繰り
返し答えました。どの議員も、その説明に納得しませんでした。

◆中間貯蔵の地点が確定できなかったら老朽炉を止める約束だったが、止めるのか

 議員から、中間貯蔵の「場所の確定」が県との約束だったが、今回の仏への搬
出はそれとは異なる。確定できない以上、老朽原発を止めるという約束だったが、
止めるのかと質問が出ました。
 エネ庁は、「県外搬出がだいじ。仏への搬出は県外搬出を円滑に進めるための
もの」と述べ、約束違反を認めませんでした。

◆説明は納得できない。国は、説明責任を果たせる内容で議員、県民に説明を

 200トンでは足りない、どうするのか。事業者任せではないかと批判があり、
エネ庁は、例えば、六ヶ所再処理工場の早期操業、他の中間貯蔵施設の確保、仏
への搬出の積み増しを挙げ、あらゆる可能性を考えて「国の責務」を肝に銘じて
しっかり取り組むと答えました。
 議員から、六ヶ所再処理工場の竣工が遅れていることが根本だと指摘があり、
六ヶ所ができなかったらどうするのかと追及しました。エネ庁は、六ヶ所の主要
工事は終了している。あとは審査をクリアーすれば竣工できると説明しました。
さらに六ヶ所再処理工場が安定的に動けば、関電の使用済燃料も含めて運び込め
ると、六ヶ所頼みの説明をしました。これに対して、再処理工場が2024年に竣工
するとは信じられないとの発言がありました。

 最後に、仲倉議員のまとめ的質問がありました。
・これまでで一番苦しい説明だった
 県民に理解を得られたとは思われない。納得できるものではない

・「仏への搬出が、中間貯蔵の計画地点を示すことが満たされた」との見解につ
いて、明確な根拠を示すこと

・関電・国が示している「2030年頃までに2000トンの中間貯蔵」について、全体
像を明確にすること

・六ヶ所再処理工場は、10年前にも「来年できる」と聞いた。規制側との相談?
(連携?)も必要ではないか

・六ヶ所ができなかった場合どうするのか説明してほしい

 原子力基本法が改正され、「国の責務」が明記されたので、政府の責任、首相
の覚悟が必要。エネ庁として、経産省全体として、官邸も含めて説明責任を果た
されるような内容を持って、我々、県民に対して説明して頂く機会を頂きたい。

 これに対しエネ庁は、まず立地地域の皆様の理解を得るために、県議会、県民
の皆様に丁寧に説明する必要がある。その上でご理解が不可欠と思っていると答
えました。

 議長が、議会の意見を真摯に受け止め、原子力政策に活かして頂くようにお願
いしますと述べて終了しました。